新しいアプローチ「靭帯・関節包」

筋肉、骨、筋膜など、治療技術は様々な組織にアプローチしてきました。その中にあって、これまで全く無視されてきたのが、靭帯と関節包です。
八起堂治療院のTAM関節リリースは、これまで治療されてこなかった、靭帯と関節包にアプローチする技術です。

関節・筋膜の不調は、コラーゲンの「貼りつき」

 美肌のもととして有名な、コラーゲン。肌だけでなく靭帯や腱、骨など私達の体に欠かせない成分です。そのコラーゲンが痛みの原因になっていると聞いたら、驚かれるでしょうか?

 実はコラーゲンなどの繊維タンパク質には、接着剤の働きがあり、靭帯などをくっつけてしまうことがあるのです(架橋結合)。

 最近の研究で、靭帯や関節包に生じた「貼り付き」が緊張や痛みの原因になることがわかってきました。ならば貼りつきを取れば、緊張や痛みが治るのではないか…。

そこで生まれた貼りつきを取る技術が、TAM手技療法による関節リリースです。

関節可動域を広げ、滑りを改善します

関節リリース説明

 貼り付いたセロハンテープを剥がす時、水平に引っ張っても剥がれません。しかし方向を少し変えながら引けば、簡単に剥がれてきますね。

 同じように、関節包や靭帯の貼り付きを治すにも、適切な方向・操作があります。八起堂の関節リリースでは、関節にわずかなズレを与え、動かすことで関節包の癒着を解きます。
 TAMは「Tension And Motion」の略。牽引・ねじり・ずらしなどで癒着部にテンション(緊張)を与え、引っ張る方向を変えて動かすことで、癒着を解消し、痛みを消す治療です。

関節の癒着をリリースする治療院は少ないので、その効果に驚かれる方は多いです。

AKAの研究から生まれた、TAM

 私が最初に学んでいたのは、AKA(関節運動学的アプローチ)という技術です。仙腸関節の動きを改善する治療として、近年は有名ですね。
 AKAでの治療はそれなりに効果的で、多くの方の痛みを減らすことができました。しかしさらに向上しようとした時に、壁にぶつかりました。技術を向上させるために不可欠な、治療原理の分析や研究の手がかりがなかったのです。

 なければ、自分で探すしかありません。
 AKAの技術は、関節の正常な動きを再現する操作を行います。この運動が作用する組織は何か、どのように改善が起こるのか…。解剖図鑑や骨格標本と首っ引きで研究するうち、行き着いたのが、関節包・靭帯といった組織の癒着(貼り付き)です。
 AKAは、関節をわずかにずらす操作で、組織の癒着を剥がしているのではないか…。

 その仮説にしたがって操作すると、パシッという音を立てながら、動きが広がりました。癒着をとることで、関節が治るとわかった瞬間です。
 癒着が原因なら、関節の癒着をとる操作をすれば、有効な治療になるはず。治療原理が明確になることで、手技はAKAから離れ、多彩な動きが生まれてきました。さらに筋膜への治療を取り入れて、出来上がった技術をまとめたのが、TAM手技療法です。

付記…現在のAKA(博田法)は、神経への作用を中心に理論を組み立てているようです。

特徴は、即効性!

 TAMの治療は、癒着が解消された時点で効果を発揮します。つまり、治療した直後から効果が期待できるということ。

 ほとんどの患者さんが、初回の治療で改善が実感できるとおっしゃいます。この即効性があればこそ「効かなければ無料」がお約束できるのです。 

 なお、TAM手技療法の原理や、癒着の治療についてもっと知りたい方は、このブログの「治療の話」か、古いブログの「治療技術論」を御覧ください。

 

八起堂治療院

 電話 080-3112-8738

 メール hakkidou.tam@gmail.com

返信メールが迷惑メールフィルタにかかって、ご連絡できないケースがあります。

一日待っても返信が届かない場合には、改めて電話でのご連絡をお願い致します。 

お知らせ

9月17日、24日は月曜祝日になりますので、お休みを頂きます。ご了承ください。

院長 池浦誠

1969年生まれ。
2003年に鍼灸師・マッサージ師の国家資格取得。
2005年に開業。同年関節リリース技法、TAM手技療法を発表。
2017年に技術指導DVD、「関節リリース5テクニック」を上梓、指導にあたっている。

八起堂連絡先

奈良市西大寺新池町3-10
電話 080-3112-8738
hakkidou.tam@gmail.com

こちらからの返信メールが、
迷惑メールフィルタに引っかかってしまうケースがあります。(特に、ケータイのメール)

一日待っても返信がない場合は、改めて電話でご連絡下さいますよう、お願い致します。

ブログ最新記事

2018年

7月

25日

AIから見る上達論

 少し前、NHKで「人間って何だ?」というAI(人工知能)関連の番組をやっていました。その中で出てきた「過学習」の概念が面白かったんですよ。

 AIに学習させるときにはディープラーニングという方法が用いられます。これは、AIに大量のデータを読み込ませ、分析させることで、学習をさせる方法。複雑な状況から結論を引き出すのが得意で、ものによっては人間以上の能力を発揮することもあります。

 例えばAIに「イヌとは何か」を認識させるためには、たくさんの犬の写真を読み込ませ、判断させます。それに対して正解・間違いのフィードバック(結果を見ての修正)を何百万回も繰り返すうち、AIは自分で必要な条件を覚え、犬の画像を見分けられるようになります。

・過学習…丸覚えは使えない
 AIに学習させる上で問題になるのが「過学習」です。わかりやすく言うと、データを丸暗記しすぎて、応用力がなくなること。

 例えば、データの中に黒い柴犬の画像があったとします。AIはその画像を分析し、「毛が生えている」とか「牙がある」といった犬の判断に重要な特徴を読み込みます。しかし同時に「色が黒い」とか「耳が立っている」というような、重要でない特徴をも読み込むでしょう。

 もしAIが、重要でない情報まですべて使って判断したら、ゴールデンレトリバーは、黒くない、耳が立っていない、という理由で「犬ではない」と判断されてしまいます。

 ディープラーニングを成功させるには、どの情報が重要で、どの情報が重要でないか、AIがわかるようにプログラムすることが必要。研究者は、その対策に頭を絞るのだそうです。

・正解率を高める試行錯誤
 では、どうやって重要性を認識させるか。代表的な方法の一つが「ドロップアウト」です。大まかに言うと、判断に使っている特徴のうち、いくつかをわざと使わなくすること。

 たとえばA、B、C、Dという4つの特徴を判定に使っているとします。Aを使うのをやめて、B、C、Dだけで判断を行い、それでも正解率が高ければ、Aは重要ではないとわかります。逆にAを使わずに判断を行って正解率が下がれば、Aが重要だとわかりますね。

 こうして使う情報、使わない情報をランダムに入れ替えながら試行錯誤することで、より正確な判断ができるようになってくるというわけです。

・上達のための試行錯誤とフィードバック
 ディープラーニングは人間の学習をもとにしたものですから、こうした原則は人間でも同じです。丸覚えルーチンワークでは、何年繰り返しても上達しませんし、試行錯誤していても、結果が出るまでの間隔が長ければ、学びは遅くなります。
 これは技術側の問題でもあって、技術を要素分解しやすい技術ほど、またフィードバックが早い技術ほど、学びやすいことを示しています。

 ちなみに、TAM関節リリースは、要素の分解が明確で、結果がすぐ出る技術です。…と最後に我田引水(笑)

2018年

7月

08日

オスグッド病の発生・再発予防のコツは…尻で跳ぶ!

オスグッド病を起こしやすい膝関節の構造

 

 オスグッド病の正式名称は、オスグッド・シュラッター病。スポーツをする十代の少年少女に多く発生する、軟骨の炎症です。

 ちょっと膝の構造を見てみましょう。長い骨を動かすのは、端についた一本の腱だけ。この腱を引っ張って、骨を動かすところを想像してみてください。すごく大きな力が必要な感じがしませんか? 長い棒の一番端っこを持って動かしている感じ。かなり大きな力が必要です。

 その大きな力が、腱と骨の接続部に繰り返しかかることで、成長期の軟骨が損傷し、炎症を起こすのがオスグッド病なのです。

 

続きを読む

2018年

4月

06日

肩甲骨を上手につかうには、鎖骨を意識するといい

先日、水泳をしている方が、足の治療でいらっしゃいました。
足の方は関節リリースで治療したのですが、その際、水泳で肩甲骨をうまく使えないとおっしゃいます。

■肩甲骨の動きは、鎖骨で意識する。

肩甲骨は肩にある平たく大きな骨です。
上下左右、回転運動を行って、腕の動きを補助しますので、上手に使えるかどうかで腕の可動範囲は大きく変わってきます。とはいえ、見えにくい場所にあるため動きを意識しにくい骨でもあります。

そこで、鎖骨。肩甲骨は鎖骨によって胴体につながっているので、鎖骨を意識すれば、肩甲骨の動きをイメージしやすいのです。

例えば、右の肩甲骨を動かすとしましょうか。
首のすぐ下にある骨のへこみ。これが鎖骨の始まりです。その部分に左手の親指を当て、人差し指で右側の鎖骨に触れます。これで、指先で鎖骨の動きを感じることができます。
そのまま、右肩を上下や前後に動かしてみましょう。鎖骨が動いているのがわかると思います。

■鎖骨から先が、腕だと考えてみる

鎖骨の動きがわかったら、次は腕を動かします。ただし、腕と一緒に鎖骨が動くように意識してみてください。腕と鎖骨が一緒にうごくことで、腕の動く範囲が大きく広がっているのがわかると思います。
もっと言えば、鎖骨から先が腕だと思ってください。始まりの場所が首の下だ、と思うだけで腕の動きが変わってくるはずです。

 …というようなことを、お客様に語って、動かしていただくと
「そうですね、ほんとに大きく動きますよ!」
 と喜んでいただけました。

「そうでしょう、そうでしょう」
 と言いながら、自分でもやってみたら、私の腕も、いつもより大きく動きます。偉そうに言っていながら、私も肩甲骨が使えていなかったようです。
 思ったより使えていないのが、肩甲骨。一度試してみてください。