手の腱鞘炎は、ちょっとしたコツで予防できます

 地味ながら辛いのが、手首の痛み。とくに楽器奏者など、手を器用に使う必要がある人にとって困る症状です。

 手首の痛みには、いくつかの原因があり、それによって治療方法を変える必要があります。

腱鞘炎と、その予防方法
  まず見るべきは、痛みの部分に腫れ(膨れて熱い)があるかどうか。腫れがある場合には、何らかの炎症が起きている証拠。多いのは、腱鞘炎です。

 腱鞘炎は、使いすぎによって起きる症状です。指を動かす腱が、腱の通り道である腱鞘と擦れて、炎症を起こします。冷やして炎症を抑え、回復を待つことが多いのですが、本当に治すためには、手の使い方を変える必要があります。

 腱と腱鞘が擦れる力の大きさは、関節を曲げる角度で変わります。関節が真っ直ぐな時には、腱は腱鞘の中を通り抜けるだけですから、あまり強い摩擦は起こりません。

 ところが関節を深く曲げていると、腱は大きくカーブさせられるために、腱鞘に強く押し付けられてしまうのです。

 つまり腱鞘炎を防ぐには、手首などを深く曲げたまま動作するのを避けるのが一番ということになります。腱鞘炎をよく起こす方は、手の使い方を見なおしてみるのがいいと思います。

 腱鞘炎そのものは、冷やしたり休ませたりするのが一般的な治療法。あまりにもひどい場合には、手術が必要になることも。

 腫れが引いたのに動きが悪い場合には、癒着が起きている可能性もありますので、治療が必要なこともあります。