「足ぺら」の研究② 力が入らないタイプは

前回から、フリースタイルフットボール(以下、FSFと表記)で起きる障害、「足ぺら」について書いています。

 前回記事のコメントで「ボールを蹴ろうとすると、足に力が入らない」というコメントをいただきました。
 関節の動きが悪いために足が上げにくいこともありますが、それならボールがないときにも上げにくいはず。関節に問題がないのに力が入らないとすれば、筋肉の記憶による現象の可能性があります。
 前回のが関節性の足ぺらだとしたら、これは、筋肉性の足ぺらですね。

・筋肉の習慣的緊張
 繰り返し勉強したことは、記憶に残りますよね。神経回路は、使われる回数が多いほど太くなり、信号が流れやすくなります。だから繰り返したことは、思い出しやすいのです。

 これは、筋肉の操作も同じ。何度も繰り返した動作は、脳に太い回路を作り、簡単にできるようになります。

 ただ、良いことばかりではありません。筋肉を繰り返し緊張させていると、緊張させる回路が発達して、ちょっとしたことで緊張し、緩みにくくなってしまうのです。八起堂では「筋肉の習慣的緊張」と呼んでいます。
 これが肩で起こると、肩こりになります。腰で起きれば、腰痛。
 では足で起こると? 筋肉性の足ぺらになります。

 FSFでは、足首を固定して操作する時間が長くなるので、足の筋肉に緊張の習慣が残りやすくなります。緊張するのは前も後ろも同じですが、前回も書いたとおり後ろ側の筋肉は前より何倍も強力。足が下がるように引っ張り続けるので、前側の筋肉が疲れ、保持するのが難しくなるのです。
 足を上げるのが難しいと感じる方は、ふくらはぎを触ってみて下さい。もし、ふくらはぎが固くなっていたら、習慣的な緊張が原因になっている可能性が高いです。

・筋肉をゆるめる「半分くりかえし」トレーニング
 筋肉を緊張させるのは、訓練しなくてもできます。しかし、ゆるめるには、練習が必要なのです。
 そこで、筋肉の感覚を精密にすることで、ゆるめる練習をお知らせします。

①足の裏を、かべにピタッと付けた状態で座ります(長座)
②足先で、壁をグッと押します(片足ずつが楽)。
③数秒したら、押す力が半分になるように、力を弱めます。 
④数秒後、さらに半分にゆるめます。
⑤数秒後、さらに半分に…というように、「半分、半分を」繰り返しながら、押す力をどんどん弱めてゆきます。
⑥最後に、押しているか押していないかわからないくらいの弱さになったところで終了。

 これを数回繰り返します。終わったら、ふくらはぎの固さを確認してみましょう。最初よりも柔らかくなっているはずです。力の感覚に意識を集中することで、感覚が鋭くなり、緊張をゆるめられるようになってくるのです。

 こうしたトレーニングを繰り返して後ろ側筋肉の緊張を減らせれば、習慣的緊張が原因の足ぺらは楽になってくるはずです。

 とはいえ、いつまでも固さが残るようなら、関節の不調など、他の原因も考えられますので、ご相談下さい。

お知らせ

休みなどは、ここでお知らせします。

八起堂連絡先

奈良市西大寺新池町3-10
電話 080-3112-8738
hakkidou.tam@gmail.com

メールの場合、こちらからの返信が、迷惑メールフィルタにはじかれることがあります。
一日待っても返信がない場合は、改めて電話でご連絡下さいますよう、お願い致します。

院長 池浦誠

厚生労働大臣認定マッサージ師、鍼灸師。
2005年、AKAなどの関節治療技術を研究し、TAM関節リリース法を創始。
2017年に技術指導DVD「関節リリース5テクニック」を上梓、治療と指導にあたっている。

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2019年

7月

11日

関節を鳴らさないほうが身体に悪い?

 前回、関節で音が鳴るのは危険ではないという話を書きました。
 危険なのは、音を出そうとして無理に強い力をかけることであって、音そのものは問題ない」という内容です。

 そこから一歩進めて「鳴らさない方が、身体に悪い」という説明をしたいと思います。

・音の原因は気泡。では気泡の原因は?
 関節の音が、気泡によるものであることは、動画レントゲンですでに確認されていますね。しかし、気泡というだけでは音の原因を説明したことに鳴りません。「なぜ気泡ができるのか」を、全く説明していないからです。

 動画レントゲンで見るかぎり、この気泡は一瞬で生まれて消えます。こうした気泡は、急激な圧力の減少で生じるもの。その圧力変化の原因を説明していないのでは、やはり説明が足りないと言えます。

・気泡は「貼り付き」がとれるときに出る
 八起堂では、関節内の貼り付きが気泡の原因であると考えています。靭帯、関節包などの軽い貼り付きが、動かされたときに瞬間的にはがれ、気泡が発生して音が出ているのです。

 その根拠は2つの事実。

①指の関節で確かめるとよく分かるのですが、関節が鳴ると同時に、曲がりが深くなりますね。つまり、音とともに関節の可動域が広がっています。

②関節が一度鳴ったら、しばらくの間は動かしても鳴りません。

 ①は、関節の貼り付きによる運動制限が取れることを示していますし、②は、ある程度の時間がたって軽い貼り付きができるまで、音がしないことを示しています。

・動かさないことのデメリット
 音を鳴らさないように注意するのは、この軽い貼り付きを放置することになるので、長い目てみて、間接の可動域を狭めてしまう可能性があります。

 それよりも困るのが、音を出さないように注意するという行動そのもの。筋肉を緊張したまま保つことになるので、肩こりや腰痛を引き起こす可能性が高いのです。

 繰り返しますが、危険なのは「強い力で音を出そうとする」こと。
 自然に動いていて、音が出ることには問題がありませんし、ストレッチや、ゆっくりとした運動で、関節が鳴るのは、むしろ必要なことであるとお伝えしたいです。

2019年

7月

08日

関節を鳴らすのは危ないって本当?

 関節を動かすと、ポキっと音がすることがありますね。
 この音が鳴るのは危険だといわれることがありますが、本当でしょうか?
 結論から言うと、関節が鳴ることに危険はありません。

 関節の音は、気泡が発生して消えるときの音だということがわかっています。「危険だ」説の根拠は、気泡が消えるときに発生する衝撃波が、骨や関節を傷つけるというものです。

 たしかに、圧力の変化による気泡が消えるときには、衝撃波が発生することが知られています。
 しかし衝撃波は固いものにはダメージを与えけますが、弾力のある生体組織はほとんど傷をうけないのです(体内の腎臓結石を衝撃波で破砕する手術がありますが、石だけ壊れて、筋肉や骨は傷つけられません)。
 そもそも、そんな傷がついているなら、指を鳴らすたびに、関節が腫れてくるはずですよね。

 では、どうして関節を鳴らすと危険と言われるようになったのか?
 実は、関節を傷つける可能性があるのは気泡ではなく、鳴らそうと強い力をかけることなのです。

 関節の音は、一度鳴ったらしばらくは鳴りません。ところが、鳴らすのが習慣になっていると、つい、音が出るまで頑張ってしまうんですね。

 頑張り過ぎで関節に強い力がかかると、その力で靭帯や軟骨が傷ついてしまうことがあります。首では、脊椎や血管を傷つけることもあるので、危険だと言われるようになったのです。
 ちなみに、指を鳴らすと関節が太くなるというのも同じ。強い力に対応するために、骨が太くなっています。

 逆に言うと、軽く、ゆっくり動かしている分には、危険はありません(勢いをつけて、一気に動かすのは危険! とくに首は、ストレッチの要領でゆっくり動かすように)。

 むしろ、関節はときどき大きく動かしてやらないと、固まってしまう性質があります。「関節を鳴らさないように」と気を使いすぎるのは、筋肉を硬直させ、関節を固くしかねません。
 自然に動かして、時々音が出るくらいが、良いと思います。

2019年

7月

07日

ターンアウトは、骨を触って練習する

 少し前にこのブログで、バレエで膝を傷める原因の一つが、不十分なターンアウトにあると書きました。ターンアウトは股関節を外に回して、足を外に向ける動作です。

 この動作が難しいのは、股関節が身体の深くにあって見えないから。とくにバレエを始めたばかりの子供は、見えやすい足先を基準に練習してしまうことが多いので、親が気をつけてあげなくてはいけません。

・目印は、骨盤の下にある 
 図を見てもらうとわかるのですが、股関節は内股に近いところにあります。足の骨は、股関節から外に向かって張り出し、そこから下に向かっています。
 この、外側の出っ張りを、大転子といいます。骨盤の強力な筋肉がついている、ターミナルのようなところです。

 骨盤の横に手のひらを当ててください。指先あたりに、かたい骨が感じられるはず。それが大転子です。

・大転子を後ろに動かす
 練習は、大転子を触りながら行います。
 真っすぐに立って、手のひらを骨盤の端に、指先を大転子にあてます。そこから、大転子を後ろに動かすようにターンアウトします。 

 もちろん最初から、ある程度は動きます。しかし目標は、足の他の部分に力を入れずに、大転子を操作できるようになること。足を動かすと言うよりも、大転子だけを動かすつもりで、前、後ろと繰り返して練習します。

 股関節の外旋は、足を上げるときなどにも重要なので、バレエをやる方は、簡単にスッと回せるようになるまで練習することをおすすめします。