同業者向けのブログ記事

2016年

10月

23日

治療と「感じる力」②

 アニメ監督の宮崎駿氏が、若いアニメーターを評して、
「アニメばっかり見てきたから、アニメが作れない!」
 と嘆いているのを見たことがあります。

 アニメ慣れしてるとアニメを作れない、と言うのは面白い言葉です。

 

■体験がないものは感じられない

 ここで、宮崎氏が言っているのは「実感の不足」です。

 例えば、アニメで木登りをするシーンがあったとします。手足を木に引っ掛けて身体を引き上げるのですが、そこで手足だけが動く絵を描いたら、間違いなのです。

 手に強い力を入れるときには、それを支える肩や背中の筋肉も動きます。また、枝の傾きや、手がかりとの距離によって、力の大きさや方向も変わってくるのが、自然な動作。

 こういう力の配分は、実際に木登りをしてみないとなかなかわかりません。実体験が不足していると、どこにどれだけの力が入るかの実感が無いので、不自然な映像になってしまうのです。

 

■身体の知識と体験は、車の両輪

 ミラーニューロンがあっても、体験したことがない動作では、外面の形しか写し取ることができません。筋肉や関節の状態を写し取るには、筋肉や関節について、体験的な感覚を持っていることが必要なのです。

 私自身の体験でも、古武術を習いだしてしばらくした頃、肩コリや腰の張りを見る力が伸びた、と感じる時期がありました。

 

 治療には、骨や筋肉の解剖学的知識はもちろん必要です。
 そして身体を使う経験は、知識を実感として理解させてくれます。

 スポーツでも、武道でも、ダンスでもかまわないのですが、自分の身体と向かい合い、筋肉や関節についての感覚を育てること。

 治療を上達させる方法の一つとして、有効だといえます。

2016年

10月

20日

治療と「感じる力」①

 治療の後はいつも、患者さんに
「動いてみて下さい」
 とお願いします。

 肩をぐるぐる。腰を曲げる。足踏みをする。
 そうした動きを見て、不自然な動きが残っていないかを確認。残っていれば、

「肩の上に、もう少し貼り付きが残ってますね」

 と、仕上げの施術をします。

 

 そんなとき、患者さんに、
「なんで見てるだけで、悪いところが分かるんですか?」
 と尋ねられることがあります。

 慣れもありますが、キーになっているのは、誰でも持っている、ある能力です。

■他人の動作を感じる、ミラーニューロン

 脳科学の発展は急速で、毎年のように新しい発見が続いています。
 近年の発見の一つが、ミラーニューロン。他人の行動を見るだけで、まるで自分が動いているかのように活動する脳細胞です。

 例えば私が、手を挙げている人を見たとします。
 すると、ただ見ているだけの私の脳で、手を上げているかのようにミラーニューロンが活動するのです。

 他人の動作を、鏡に写すように脳で再現しているところが、ミラーニューロンと呼ばれるゆえんです。

 

 ミラーニューロンが何に役立っているのかについては、諸説あります。有力な候補の一つは、共感能力。

 たとえば仲間の体調が悪い時、疲れているな、調子が悪いなといったことを、あたかも自分のことのように感じることで、助け合うことができると考えられています。

 

■動作の共感で、感じ取る

 知っている人がだるそうにしてたら、
「疲れているのかな、しんどいのかな」
 と思って、声をかけますね。

 私たち治療家も、やっていることは同じ。
 患者さんの動作を見て、それを脳内で再現することによって、どこに力が入っているのか、どこが不自然なのか、自分の感覚を通して実感できるわけです。
(治療家によっては、患者さんの痛みを見ているうちに、自分の身体の同じところが痛くなってくることもあるそうですが…)

 そんなわけでミラーニューロンは、誰でも持っている「感じ取る」能力です。人によって精度が高かったり低かったりするだけ。

 

 ただし、精度高く感じ取るためには、ある条件が必要です。
 その条件については、次回。

2016年

6月

01日

肩こりや腰痛が、皮膚から起こる場合

腰痛や肩こりの患者さんの治療。

 八起堂では、筋肉や関節の引っかかりをとることで治療するのですが、もう一つ大事にしているポイントが有ります。それは、皮膚。

■皮膚と骨とが貼りつく場合

 とくに皮膚の動きが悪くなっているのは、骨を触れる場所。

 背骨の出っぱり(棘突起)と、肩甲骨の突起(肩甲棘)、あとは骨盤のフチ。この三箇所で皮膚が動かないために、体幹部の動きが制限されている方が多いのです。

 肩甲骨が動かなければ、肩こりになりますし、骨盤のフチが突っ張ることは、腰痛の原因にもなります。
 背骨の出っ張りは、どちらにも。とくに、首に近い部分での貼り付きは首の疲れに影響しています。

■治療は簡単

 治療そのものは、動かない部分の皮膚に手根をあて、すべらせるだけ。うまく癒着が取れる時には、しばしばポンとかバリバリという音がします。

 決して難しくはないのですが、場所が場所だけに、自分で行うことができません。信頼できる施術者に頼みましょう。

 施術者の方は、勢い余って肋骨に力がかからないように注意して下さい。

2016年

5月

11日

関東でTAM講習に興味のある方は、どのくらいいらっしゃいますか?

 TAM手技療法の講習は、ほとんど奈良の八起堂治療院(私の自宅)で行っています。たまに京都の洛陽健康クラブ(私の修行した場所です)で行うこともありますが…。

 先日、関東に住んでいらっしゃる方から、二人続けて受講の問い合わせをいただきました。興味はあるものの、距離が遠すぎて、なかなか受講できないというお話でした。

 そこで、このブログを呼んでいらっしゃる関東の方にお聞きしたいのですが、TAM手技療法の講習を受けてみたいという方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか?

 希望者が何人か集まるようでしたら、関東出張講習を計画しようと思います。

 興味がある方がいらっしゃったら、メールでお知らせ下さい。
 このブログのコメントに「興味あるよ」と書いていただいても結構です(ただし、このコメント欄は一般公開ですので、コメントは無記名でお願い致します)

 なお、研修会での短時間講習など、団体講習も受付中です。

2016年

4月

03日

マッサージの仕事は、30年先にも存在しているのか

 AI(人工知能)の発達が著しいですね。先日は、思考ゲームの中で最も複雑と言われていた囲碁でも、AIが勝利しました。

 このペースで進歩が続くと、人間の仕事がどんどんAIにとって変わられます。今後10年から20年で、仕事の半分近くがAIに取って代わられるという予想もあります。

■AIに取って代わられる仕事

 コンピュータの進歩は早く、2年ごとに性能が2倍になるとされています(ムーアの法則)。ざっと計算して、10年で32倍、20年で1024倍。性能はどんどん上がっています。

 AIは、多くの情報から結論を導き出す仕事、一定の形式にしたがって処理する仕事などが得意。
 税務処理や、前例に従う弁護士などもかなりAIの守備範囲になりますし、医師の仕事も、健康診断のデータから持病を予測したり、レントゲンやMRIの画像を読影(写真から、病気に関係のある部分を見つけること)などはAIの方が有利になりそうです。

■マッサージの技術はまだ難しい 

 では、マッサージ師の仕事はどうでしょうか? まず技術的な問題で言えば、取って代わられるのは、かなり遅くなるのではないかと考えられます。

 人間の身体は人によって違いますし、反応も様々。また、個人の好みなどもあります。それに合わせた精密動作をするには、膨大なプログラムと高精度のマニピュレータが必要。高度な技術が確立されるまでは、人間のマッサージが残りそうです。

 もっとも、いずれは機械の技術が人間を追い越す時が来るはず。それでも、一定数のマッサージ師は残り続けるというのが私の予想です。

■残り続けるマッサージとは

 以前、独立時計師という仕事がテレビで紹介されているのを見ました。機械式時計を全て手作りする仕事で、人によっては一年に1,2個しか時計を作りません。しかし、その一個が、数百万から数千万円で取引されているとか。

 面白いと思いませんか? 正確さから言えば、100円ショップのデジタル時計の方が上です。
 しかし「時間を知る」という時計の機能よりも、職人が世界にたった一つの時計に注ぎ込んだ時間や情熱が評価されているのです。

 人間の願望の一つに、「人として、尊重されたい」というものがあります。尊敬され、丁寧に扱われ、理解されたいという願望。これだけは、機械では満たされません。

 マッサージも同じではないでしょうか。
 治療のためではなく、1人の人間が、つきっきりで自分の健康のために時間や情熱を費やしてくれるという贅沢。そのためにお金を払う人は、きっと残り続けるはずです。 

 マッサージの方法論も、違ってくるでしょう。治療技術ではなく、気持ちよさや、接客態度が重要になってくるはず。

 八起堂は、治療の技術ばかり考えているので、将来は生き残れない可能性が高そうです。もっとも、それまで現役でいればの話…。

2016年

3月

18日

強く押しても、効かないです

 確定申告も終わって、ようやく一息つきました。忙しいのと重なって、ブログ更新が遅れてしまいました。来年は早く始めようと思います…と毎年言っていますが、毎年こんな調子ですね。

 さて。
 街のリラクゼーションマッサージなどで、事故が多い、というニュースがネットで出ています。多いのは、骨折と頚椎損傷。
 こうした事故の原因は、ひとえに「強すぎる」ことにあります。

■「強さ」の誘惑

 施術をしていて、うまく効果が出ない時、施術者は「もっと強くしたら効くのではないか?」と、つい考えてしまいます。ここで、強さの誘惑にのってしまうと、事故を起こします。

 効果が出ないときには、力を強くするのではなく、別の方法を試すことです。
 例えば指圧なら、押している場所や方向、速度、持続時間などを変えます。それでダメならリンパマッサージや、筋膜リリース、鍼灸、あるいはTAM(笑)にと、施術方法を変更する。それでもダメなら施術をやめて病院などを紹介することも。

 大事なのは、多くの選択肢を持っていることです。一つの症状をさまざまな面から見られることは、治療をする上でも、事故を避けるためにも必要。

 施術中の事故が、リラクゼーションやボディケアなどで多いのは、アルバイトスタッフが「一つの技術しか教えられていない」からではないかと考えられます。選択肢がないので、強くする以外の方法を思いつかず、事故に至ってしまう可能性が高くなるのでしょう。

■重要なのは「選択肢をもっていること」

 ここまで書いてきて、ふと思ったのですが、児童虐待もこれと同じ構図ではないでしょうか。

 虐待をした親の多くが「しつけのつもりだった」と言います。
 しつけにも、褒めたり、ルールを作ったり、ノせたりと、いろいろな方法があります。また、ある程度は理解して諦めることもあるはず。

 ところが、怒鳴る、叩くなどの罰を与える方法しか知らないと、子供が思い通りに動かないときに、罰を強くすることしか思いつけなくなります。エスカレートした罰は、やがて虐待に至ります。

 選択肢を複数持っていることは、とても重要なのです。

2016年

2月

28日

浅い鍼の効果をどう考えようか…

 八起堂治療院でも、鍼治療は行います。

 メインになるのはトリガーポイント鍼治療。筋肉の中にできるコリの固まりに鍼を打ち、緩める治療です。
 腰痛の患者さんなどには極めて有効で、あっという間に痛みを減少させることができます。

 トリガーポイント鍼治療では、筋肉の中にあるポイントに鍼を届かせる必要があるので、3~5センチと深く鍼を打ちます。そうでなければ、効きません。

■鍼は浅く打っても効く

 しかし、場所によっては、鍼を浅く打つこともあります。それも、切皮という2~3ミリしか刺さない打ち方。

 狙うのは、皮膚に違和感を感じるところ。緊張しているというか、動きが少ないというか、他とはちょっと違う感触の場所に浅く打つと、周辺の筋肉が緩みます。

 痛みもリスクもほとんどないので、主に上半身で便利に使っていますが、困っていることが一つ。こんな浅い鍼がなぜ効くのか、理論がわからないのです。

■体壁内臓反射という説

 3ミリといえば、皮下組織を通っているかどうかの浅さです。筋肉には全く届いていないのに、筋肉に作用する不思議。トリガーポイントの理論では説明できません。

「体壁内臓反射」と言われる説があります。
 神経は脳から手足の末端まで、枝分かれしながらつながっています。近い神経枝との間で混線が起こると、内臓の異常が皮膚に伝わったり、皮膚の刺激が内臓に伝わったりするというのが、体壁内臓反射説のあらまし。鍼灸や指圧を現代医学的に考える際に、使われる理論の一つです。

 私の見ている皮膚の感触も、筋肉の緊張が皮膚に伝わり、立毛筋などを緊張させて異常な感触を生じると考えれば、納得がいきますね。

■説明不足!

 ただしこの説には、致命的な欠陥があります。
 内臓(筋肉)の緊張が皮膚に伝わるところまではわかります。皮膚の刺激が内臓に伝わることも理解できます。しかし、鍼の刺激がプラスに作用する理由がわかりません。
 普通に考えれば、より緊張しても良さそうなものではありませんか?

 そんなわけで、なぜこの鍼が効くのかは今でもわからないまま。はっきりすれば、さらに効果的に使えると思うのですが…。

2016年

1月

06日

膝関節の治し方

 膝関節痛は、年齢とともに増えてくる症状です。
 一般的に、膝痛といえば、すぐに変形性膝関節症かと言われますね。膝の軟骨がすり減って変形する症状です。

 しかし、膝痛の原因はそれだけではないようです。
 あまり変形していないし、水も溜まっていないのに膝が痛む人も少なくありません。そうした方の治療は、どのようにすれば良いのでしょうか。

■治療は、膝関節の正常な動きを回復すること!

 膝関節は、実はかなり特殊な関節です。二つの骨が向き合うという単純な構造ながら、180度近くの屈伸範囲、滑りと転がりを同時に行うという動きは、この関節だけのもの。滑り移動する距離の大きさも、全身の関節で最大です。
 問題は、この滑り移動の障害で発生します。

 膝関節の曲がりは、すねの骨(脛骨)が後ろに向かって滑ることによって実現されています。
 しかし膝の痛む方では、すねの骨が十分に移動せず、途中で止まったり、抵抗が強くなる方が多いのです。これは関節周辺の癒着によるもので、関節が不自然な動きを起こすことで、痛みを発生します。
 また、関節の内側や外側の一方だけが移動せず、すねが微妙にねじれて痛みをだしているケースも。

 

 このような症状は、膝関節周辺の癒着を取り、正常に動くようにすることで改善されます。不思議な事に、変形性膝関節症と言われた方でも、関節の動きを改善することで、痛みが軽減したケースは少なくありません。

■自分に合った治療を続けましょう

 膝痛には、様々な治療法があります。
 いわゆる膝強化運動や、サポーター。整形外科の治療では、痛みを起こしている膝にヒアルロン酸を注射する方法などがあります。

 自分なりに試してみて、効果のなかったものはやめ、効果のあったものを続けて使うことをおすすめします。

 もし、納得のゆく治療に出会えない時には、膝関節の癒着が原因かもしれません。膝関節の動きを回復させる治療も、選択肢に入れてみて下さい。

2015年

12月

17日

仙腸関節の動きを感じ取るコツ

 このところ、専門的な話ばかりやっていて良いのかなと思いながらも、続けて仙腸関節の話です。

 最近は、仙腸関節の調整をする治療院も増えてきました。もう少ししたら、どこの治療院でも当たりまえに治療するようになるでしょう。

 仙腸関節の治療を学ぶ人が、まず困るのが、動きの触知です。
 体表から5センチの深さにある仙腸関節が対象ですから、正常に動いているのかいないのか、どの方向への動きが阻害されているのか触知できなければ、治療のはじめようもありません。

 この触知、あるコツを意識しているかどうかで、上達の速度に差がでます。そのコツとは「腸骨に幅広く手を当てる」こと。

 仙腸関節の動きは、前後、上下の直線だけではなく、縦横の回転も加わった立体的なものです。指先で触れているだけだと、その動きが直線移動によるものなのか、回転によるものなのかわからず、正確な動きが把握できません。

 動きを把握するには、情報量が必要です。
 携帯にもついているGPS。正確な位置を把握するには、最低でも三つの座標測定が必要とされています。
 一つの測定では「円周のどこかにいる」ことしかわからず、二つだと「円周上の二点のどちらか」がわかります。3つの測定結果を付きあわせて、ようやく正確な一点が算出できるのだそうです。

 仙腸関節の触知も同じで、腸骨を幅広く(三点以上)触れていれば、立体的な動きの変化がわかります。つまり移動も回転も把握しやすくなるのです。

 触れる点は、筋肉・脂肪の少ない腸骨の縁部がいいでしょう。下肢が安定している肢位なら大転子も使えます。

 仙骨側も、なるべく広く掌を当てるようにします。両方の骨の動きを立体的に感じられれば、仙腸関節の動きを把握できるようになるのは、すぐです。

2015年

12月

15日

仙腸関節の調整を補助する、股関節操作

 前回、身体の下から上に向かって影響が及ぶという話を書きました。この話は、仙腸関節でも有効です。

 仙腸関節の動きが、極端に悪い人に出会うことがありますね。また、ある程度、仙腸関節の動きを感じ取れるようになると、仙腸関節の一部だけ(とくに前の部分!)がうまく動かないケースにも、出会うことがあります。

 このような時、力任せに動かすのはリスクが大きく危険です。仙腸関節の形状を考え、動きを触知しながら方向を変えて操作することで、こうした場合でも治療を行うことができます。

 ところが、方法によっては、もっと短時間で動きを回復することもできます。
 その方法とは、股関節を徹底して調整すること。

 股関節の可動域を拡げ、周辺の筋肉の癒着・緊張をとると、急に仙腸関節が動き出すことが多いのです。
 股関節を動かす筋肉は多くが腸骨から起始していますし、大腰筋のように仙骨の上から起始するものもあります。これも、筋肉を通した連鎖の一つであると考えています。

2015年

11月

29日

TAM手技療法講座の形式変更について

 これまでTAM手技療法の講座は、初歩のTAM講座と、足のTAM講座TAM総合講座の3つに分けて講座を行ってきましたが、簡略化を図って、講座形式を変更することにしました。

 これからは、TAM初歩講座(前・後編)と、TAM自由講座の2つになります。

 変更の主な目的は2つ。
 一つは、受講者から、希望する場所の技術を集中的に学びたいという希望があったこと。なんでもそうですが、興味のあることを学んだほうが上達が早いものですから。

 もう一つは、TAMの技術も常時変化し続けているので、(最近は、筋肉関係の技術が大きく変化しています)、固定したテキストを使いつづけるのが難しかったことです。それなら、テキストを使わず、常に最新の技術をお伝えするほうが良いかということで、この形式になりました。

①TAM初歩講座
(前編)
 TAMの原理と感覚、簡単な基本技法を学ぶ講座です。全くの初心者が対象で、TAMについての大体のイメージを作ってもらうことを目的としています。

 具体的な技術を通して、テンションとモーションの感覚、癒着のとれる感覚を掴んでもらうことを目的としています。

(後編)
 簡単な実践講座です。全身への技術の中から、とくに使いやすく効果の高いものを選び、お伝えします。

 この後編を飛ばして、そのまま自由講座に移行していただくことも可能です。

②TAM自由講座
 受講者の希望内容について、2時間単位で行う講座です。
 受講希望に関しては「足」「仙腸関節」などの部分的なものから、「肩こり」「腰痛」といった、症状別のものまで。

 回数制限もないので、必要なところを必要なだけ受講していただくと良いかと思います。

 詳しくは、左のボタン「TAM手技療法講習講習会情報」からどうぞ。

2015年

9月

16日

現場の力…TAM講習会の話

 トヨタ自動車は、トヨタ方式と言われる生産管理法で有名です。

 そのトヨタ方式の生みの親、大野耐一氏が、工場で生産ラインの配置変えを指示した時のこと。指示通りにてきぱきと配置変えした部下たちを、大野氏は叱りつけました。
「なんで俺のいう通りにするんだ!」

 別に、矛盾することを言っているわけではないのです。
「現場の人間は、自分よりも現場のことを知っている。俺の指示に現場の知識を加えれば、もっと良いラインになるはずだ」
 というのが、大野氏の意図。

 TAM手技療法の講座をやっているときに、この話を思い出すことがあります。 

 TAMの治療で大事なのは、テンションとモーションによる癒着の解消です。治療すべき個所に適切に力がかかりさえすれば、どんな持ち方をしようが、動かし方をしようが構いません。
 しかし真面目な受講者さんほど、私のやるとおりにやろうとして一所懸命に苦労しています。

 そこでいつも、
「TAMの、癒着解消についてのイメージをもってください。そして、立つ位置とか、持ち方などは真似しないで、臨機応変に」
 と、繰り返しお伝えしています。

 先ほどの話で言えば、術者それぞれの状況が、現場にあたります。手の大きさや、患者さんの体格、重点を置く治療箇所などに合わせて、有効な施術方法は変わるはず。

 教えられることはすべて教えますし、質問にもできる限り応えます。でも治療家は、最後はみんな「一人一流」。いずれは改善を重ねて、自分だけの方法を持つようになってほしいのです。

 それをお手伝いするTAM講座でありたいと思っています。

2015年

9月

09日

なんであの腰椎の形で、腰がねじれるのだろう

 今回の表題、一般の人にとっては
「腰がねじれるなんて、アタリマエじゃないか?」
 と思われるかもしれません。
 でも腰の骨、腰椎を見たら、きっと疑問に思うはず。 

 腰椎の棘突起(背中から触れる出っ張り)は、右の図のような構造になっています。下の腰椎に、左右から挟み込まれていて、横への動きは制限されています。人体の動きで言うと、前後左右に曲げることはできても、ねじりは制限を受けます。動けるのは、椎間板がわずかにズレる分だけ。

 私も何年か前は、そう考えていました(八起堂通信「腰はねじれない」)。 しかし、実際に人が腰をひねるのを見ていると、もっとねじれているように見えますね。では、どうしてそうなるのでしょうか?

 答えは、脊椎のカーブにあります。
 腰椎は下方に行くほど前に傾いています。つまり、斜めになっているわけで、この腰椎を左右に曲げると、斜めに動く分だけ上半身の方向が変わるのです。

 傾きの分を他の腰椎と骨盤で相殺すれば、回転運動だけが残って外見上は捻れの動きが発生することになります。

 実際のねじれは少なくても、脊椎のカーブと運動の組み合わせで、大きな見かけのねじれを作っているわけですね。
 もしも脊椎が一直線だと、このようなねじれは作れないわけで、人体というのは本当に良く出来ていると思います。

  これに気づいてから、腰痛などの治療手技がより効果的になりました。人体への理解が一歩進むと、その分だけ治療も進みます。まさに、知識は力です。

2015年

8月

22日

経絡と、治療ポイントの発見について

 前回、足首の関節が腰痛の原因になっていたという話を書きました。
 こうした、遠いところからの治療には、一つの法則性があります。それは、タテのつながり。

 たとえば、肩の動きが悪い人は、まっすぐ肘の外側に降りて、親指のねじれが原因だったりします。
 もっと極端な例では、寝違えの治療をしてもスッキリしないという人の緊張をたどっていくうちに足の甲に到達しました。そこを治療したところ「寝違えがスッキリした」と喜ばれたり。
 筋肉の連動か、あるいは皮膚の可動性の障害なのかわかりませんが、この「タテのつながり」は明らかに存在しています。

 実は、東洋医学では古くからこのタテのつながりを重視してきました。いわゆる「経絡」です。経絡は身体をタテに走り、頭部から手足の先にまでつながります。
 東洋医学では、この経絡を「気」が流れており、その気の流れを制御することで、いろんな症状が治療できると説きます。
 気の流れが実際にあるかどうかはわかりませんが、少なくとも経絡に沿った関連性が存在するのは事実。
 意識していると、治療ポイントを見つけるのに便利です。

八起堂治療院連絡先

奈良市西大寺新池町3-10

電話 080-3112-8738

hakkidou.tam@gmail.com

こちらからの返信メールが、
迷惑メールフィルタに引っかかってしまうケースがあります。(特に、ケータイのメール)

一日待っても返信がない場合は、改めて電話でご連絡下さいますよう、お願い致します。

お知らせ

休業の連絡などは、ここで行います。

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2017年

7月

25日

NHKガッテン2017年7月12日で、関節包の治療が紹介されました

 古い話で申し訳ないのですが…。
 この回のガッテンのテーマは膝の痛みでした。

 一般的に膝痛は、関節軟骨がすり減ることによって起こるとされています。
 ところが、ある医師がレントゲン写真と患者さんの状態を比較したところ、それとは違う結果が出ました。軟骨がすり減っていても痛みが出ない患者さんがいたり、すり減っていないのにひどく痛む患者さんがいたりしたのです。

 そこで医師がたどり着いた結論は、関節を包む膜、関節包が固くなり、縮んでいることが痛みの原因であるというものでした。

 番組は、関節包のストレッチで膝の痛みを軽減する方法を紹介していました。

・・・・・・

 来ましたね!

 私の知る限り、関節痛の原因を関節包と紹介したテレビ番組は、これが初めてです。

 昨年、「筋膜の癒着」という形で、癒着が原因という話が出ましたからTAM手技療法の基礎になる仮説、「関節包の癒着」が証明されるまで、あと一息です!

2017年

5月

29日

仏様は、前のめり…姿勢と重心の関係

 今、奈良の国立博物館で「快慶展」をやっています。

 奈良には国宝・重文級の仏像がゴロゴロしていますが、その中で一番好きなのを選べと言われたら、迷わず東大寺南大門の金剛力士像を選びます。この像を作った中心人物の1人が快慶です。 

 快慶の特徴は、写実とデフォルメの融合した迫力。

 今回の快慶展では、様々なバリエーションの像を比べることが出来て、興味深いものでした。

 ある高僧をモデルにした像など、顔のシワから口元の微妙な歪みまで、モデルの性格がはっきりわかるほどの描写力。いかに観察力に優れた仏師だったかがわかりました。 

 いくつもの像を見ているときに、妻が言いました。
「仏様って、前のめりだね」
 なるほど、横から見ると直立していません。角度にして10度くらい、前に傾いて立っています。

 

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2017年

4月

11日

ねんざの痛みが長引く原因は

  八起堂治療院は、ねんざ後遺症の治療を得意としていますので、捻挫についての問い合わせをたびたび頂きます。

 

  その中でも多いのが、

 「ねんざのあと、何ヶ月たっても腫れが引かなくて、気がついたら関節の動きが悪くなっていたんです…」

  という、長引いたねんざの後遺症です。

 

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