治療関連のブログ記事

 ブログの中で、治療に関するものを集めました。

 「肩の治療」「腰の治療」「足の治療」においてある記事をまとめたものになります。

2017年

4月

11日

ねんざの痛みが長引く原因は

  八起堂治療院は、ねんざ後遺症の治療を得意としていますので、捻挫についての問い合わせをたびたび頂きます。

 

  その中でも多いのが、

 「ねんざのあと、何ヶ月たっても腫れが引かなくて、気がついたら関節の動きが悪くなっていたんです…」

  という、長引いたねんざの後遺症です。

 

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2017年

3月

23日

原因不明の膝の痛み…足の歪みかも

 膝が痛むという方は、少なくありません。

 こんなとき、病院ではまず、膝軟骨の状態を見ます。軟骨がすり減っていれば、変形性膝関節症という診断がつきます。

 ところが、軟骨に変形がないのに痛みが出ることもあり、原因がわからないこともあります。そんなときは、膝や足の歪みが原因かもしれません。

 

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2017年

2月

14日

ピアノを弾いて、親指が痛むとき

 仕事柄、音楽関係の方を診ることも多いです。

 楽器の設計では、美しい音を出すことが最優先で、演奏する人間のことは二の次。それで、故障を抱える人が少なくありません。

 

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2017年

1月

31日

ウォーキングが腰痛予防になる理由

 前回、毎日歩いている人が腰痛になりにくいのは筋肉を緊張させないからだ、と書きました。

 実は、歩くことが腰痛の予防になる理由がもう一つあります。

 

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2017年

1月

25日

腰痛は文明病

 腰痛は、人間に特有の症状。

 そのため
「腰痛は、二足歩行で腰に負担がかかるようになったからだ」
 と言われることがあります。

 本当にそうでしょうか? 

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2017年

1月

13日

車の運転と腰痛

 いきなり余談ですが…

 最近問題になっている、アクセルとブレーキの踏み間違い。あれは、そもそもの設計がおかしいんじゃないでしょうか。

 見えない場所に、アクセルとブレーキを並べて設置し、どちらも右足で操作するって…。踏み間違えが起きても不思議はありません。

 個人的には、アクセルとブレーキをハンドルに付ければいいのに、と思っています。スクーターと同じ形式ですね。運転に慣れやすく、アクセルとブレーキを間違う可能性もゼロ!

 そんなことをするよりも、自動ブレーキの取り付けを義務付けるほうが早いか…。

 

■運転で腰痛になる理由

 足でアクセルとブレーキを操作するシステムには、もう一つデメリットがあります。それは、腰痛。

 八起堂にいらっしゃる方の中でも、長時間の車の運転で腰痛になった、とおっしゃる方は多いのです。大きな原因の一つは、シート。あのシートの角度が、腰を丸くした形にしてしまうので、腰に負担をかけます。

 そして、もう一つの原因は、足元のペダルです。

 普通の椅子なら、座っているときにも足は床につき、身体を支える補助をしてくれます。しかし運転時は、足でアクセルやブレーキのペダルを操作するため、身体を支えることができません。とくにアクセルは、運転中ずっと微妙な位置に保たなければなりません。この中途半端な状態が腰の筋肉に負担をかけ、腰痛を引き起こすのです。

 

■腰痛を防ぐには?

 この問題は、設計者側の話なので、一般ユーザーにはいかんともしがたいところがあります。

 強いて対策をあげるとすれば、シートの前後の位置を調整すること。

 シートが前に出すぎると、足に余分な力が入りやすく、疲れます。かかとが楽に接地しつつ、ペダルが自然に操作できる位置に調整することで、いくらか負担を減らすことができます。

 あとは、休憩をとって、腰を動かすようにすることくらいでしょうか。前後左右に曲げたり、ねじったり。積極的に動かすことで、緊張を解くことができれば、いくらか腰痛が起こりにくくなります。

 

 ただ、根本的な対策は、やはりアクセルをハンドルに持ってくることだと思います。自動車メーカーの方、ホントにどうですか?

2017年

1月

11日

脊柱管狭窄症 手術後の痛み

 先日、TAM手技療法の受講者の方から、質問がありました。

  脊柱菅狭窄症で手術を受けた方、とくに脊椎固定のプレートが入っている方の、痛みやしびれは、どのように治療するか、とのことでした。

 

■脊柱管狭窄症 手術後も痛むのはなぜ?

  脊椎管狭窄症とは、文字通り、神経が通っている脊柱の管が狭くなる症状です。神経が圧迫されて、痛みやしびれなどが生じます。

 

 手術は、脊椎の骨を切って管を拡げたり、プレートと言われる金属を入れて、脊椎の並びを整えたりするのが主流。それによって神経の圧迫をとるのですが、手術後も痛みが残ってしまう方が少なくないのです。

  手術で神経の圧迫は取れているのに、どうして痛みが出るのでしょうか。

 

■筋肉から出てくる痛み

 実は、身体の痛みには、筋肉が大きく関わっています。

  筋肉は、緊張が長く続くと疲労し、血行不良を起こして痛みはじめます。緊張の原因は、身体の歪みや炎症、一つの姿勢で長くいることなど様々。

 中でも代表的なのが、関節や皮膚などの動きが悪い場合です。筋肉は、動かない部分を動かそうと、無理な緊張をして、痛むようになってしまうのです。

 

 脊柱菅狭窄症の手術後、とくにプレートが入っている場合には、腰椎の一部が動かなくなっているため、筋肉は無理な緊張を強いられます。

 少なくとも痛みの何割かは、こうして緊張し固くなった筋肉によるものだと考えられます。

 

■痛みを減らすには?

  この場合、プレートを取ることはできませんので、脊椎の固定にアプローチすることはできません。しかし、筋肉および皮膚・皮下組織の癒着をとり、可動域を回復することはできます。 

 重なっている筋肉層、皮下組織を動かして癒着をとり、動きを回復することで、痛みの減少が期待できます。とくに手術のあとなら傷跡の癒着、短縮があるので、その部分の施術は有効でしょう。

 一見、原因不明の痛みでも、対策のある場合は多いもの。お気軽にご相談くだされば、幸いです。

2016年

12月

20日

手首から、肘の痛みを治す

 テニス肘、野球肘と、スポーツ選手の肘が痛むことは珍しくありません。

■基本的には安静と、フォームの点検ですが…

 一般的な肘の痛みは、肘関節や腱の炎症によるもの。安静を保って、痛みが引くのを待ちます。

 また、フォームの確認も重要です。

 肘に負担がかかりすぎないよう、フォームを見直すことで、再発を防ぐことができます(とくに少年野球では、肘を高く上げたオーバースローを徹底することで、野球肘の予防ができるとされています)。

 

 問題は、それでも痛みが長引くとき。

 少し前、肘の痛みで来院された患者さん。
 病院ではテニス肘と診断されたそうですが、安静を保っても、なかなか痛みが引かず、もしかして関節の癒着か? ということで、いらっしゃいました。

 

■肘の痛みが手首で治る

 まず、腕の動きを確かめました。
 前腕を回外(外にねじる)した時に、はねかえされるような抵抗感があります。肘にも確かに癒着がありましたが、それほど強いものではありません。

 

 抵抗のあるところを調べて、発見したのは手首でした。手首の根元には、手根骨という小さな骨が集まっています。その骨どうしが貼り付いたようになり、動きにくくなっていたのです。

 そこでTAM手技で手首の骨を柔らかく動くようにしたところ、腕のねじりが軽くなり、肘の痛みも減りました。 

 

■肘と手首の深い関係

 私たちの手は、肘から先の二本の骨(橈骨と尺骨といいます)が、交差することで、内外に捻ることができます。

 この回転運動は、肘と手首の両方で起こっていますが、とくに動きが悪くなりやすいのは、手首側。手根骨の動きが悪くなることで、ねじるときに抵抗が生じます。

 肘の方ではより大きく動かざるを得ず、負担がかかって痛むようです。そんなときは、手首の治療で肘の負担が減り、効果が得られます。

 

 肘の痛みは、基本的には安静とフォームの見直し。
 それでも長引く痛みがあれば、お気軽にご相談下さい。

2016年

11月

27日

なにもないところで、つまづくのはなぜ?

 普通に歩いているだけなのに、つまづくこと、ありませんか? それも、なにもないところで。なぜでしょうか?

 

■原因①足が上がっていない

 お年寄りに多いのが、このタイプです。

 私達が歩く時には、足を持ち上げて前に出しますね。この動作を行っているのが、体幹部にある大腰筋と腸骨筋、合わせて腸腰筋と呼ばれます。

 この筋肉が弱ってくると、思っているよりも足が上がらず、地面(あるいは、小さな障害物でも)に接触してつまづいてしまいます。

 高齢になってからの転倒は、骨折の恐れも高いので、気をつける必要があります。
 予防のためには、膝を高く上げる運動がオススメ。テーブルや壁に手をついて膝を上げる足踏みなら、室内でも手軽に行うことができます。

 

■原因②つま先が上がっていない

 比較的、若い人に多いのがこちらの原因です。
 膝を持ち上げていても、つま先が下がったままなので、地面に接触してつまづいてしまうのです。

 ちょっと試してみましょう。  
 座った状態で、下腿を垂直に立てて、つま先を持ち上げてみて下さい。つま先が、くるぶしよりも高くなるのが正常です。それより低い場合は、なんらかの理由で足首の動く範囲が狭くなっているものと考えられます。

 原因になっている場所は、いわゆるアキレス腱伸ばしの体勢をとると、わかります。

・筋肉が原因の場合
 ふくらはぎにつっぱり感がある時には、そこの筋肉が固くなり、伸びていないことが原因。運動不足の人に起こりがちです。

 この場合には、一日に一回、アキレス腱伸ばしのストレッチ(実際には、伸ばしているのはふくらはぎの筋肉ですが)を行うと、つま先が上がるようになり、つまづきを防げます。

・関節が原因の場合
 足首に固さや違和感がある時には、足首の関節が固くなっています。ねんざの後遺症や、座り仕事での足のむくみが原因になることが多いのです。

 足首を柔らかくする方法としては、このホームページの「足の治療」にある体操が有効です。それでも動きが固い場合には、足関節で強い癒着が起きている事が考えられます。専門的な治療をご検討下さい。

2016年

11月

15日

予約殺到スゴ腕の専門外来SP11月15日

 日本全国の名医を紹介するこの番組。肩こりやヒザ痛、眼瞼下垂などの名医が出ていました。

 今回、興味深かったのは、肩こりの原因として、肩関節の癒着が紹介されていたこと。

 

■肩コリの原因は、関節の癒着

 東京女子医科大学の、神戸克明医師がゲスト。肩こりを、肩甲骨や肩関節の動きを改善する方法で治療をしている方、とのこと。

 テレビ的に新しかったのは、肩こりや、肩関節が動かなくなるフローズンショルダーの原因を、関節内の癒着としていたことです。

 テレビで関節内の癒着に言及していたのは、私が知る限り初めて。これまで関節の癒着を主張してきた八起堂としては、嬉しいかぎり。

 

 テレビでは、癒着をとるための治療として、関節内視鏡の手術を紹介していました。炎症による癒着と、骨の異常な出っ張り(骨棘)を削ると、肩の動きがかなり改善していました。

 

■手術の前に試して欲しい、手技療法

 先生は「手術はかなり重くなってからの治療で、もっと早く相談してもらえば、他の方法もあります」と発言していました。残念ながら番組内では、「他の方法」が何かには言及していませんでしたが、手技療法もその一つではないかと勝手に考えています。

 肩関節の癒着は、手技療法でもとることができます。
 八起堂のTAM手技療法も、その一つ。さすがに骨棘を削ることはできませんが、軽い癒着なら、手技療法だけでも十分に治療可能です。

 しつこい肩こりに悩んでいる方、肩の動きが悪くて困っている方、一度ご相談下さると幸いです。

2016年

11月

15日

11月14日「名医のTHE太鼓判 国民の常識が変わるスペシャル」

 仕事がら、健康番組は一応チェックしています(早回しですけど)。ただチェックするだけではもったいないので、気がついたことなど書いていこうと思います。

 さて、表題の番組ですが、いろいろな健康知識を出して、出席した医師たちに評価してもらう、という番組でした。

 何人もの医師が出るので、全体としてバランスのいい番組でした。常識が変わるスペシャルという題名でしたが、むしろきちんとした常識を踏まえた番組だったと言えるでしょう。

 個人的には「体温が高いほうが健康によいという明確なデータはない」という話が印象的でした。体温が高いほうが、免疫力が高くなりそうな気がしていたのですが。

 少食にすると(つまり、エネルギー消費が少ないと)長生き、という話と共通するのでしょうか?

 

■オリンピック選手も実践 腰痛ストレッチ

 腰痛については、番組の最後にちょっと触れただけでした。

 新聞の番組欄ではストレッチでしたが、腹筋を鍛える方法が中心。
 膝を曲げた状態から腹筋をするという普通の方法で「腹筋によってコルセットを作る」というのがその論旨でした。

 

 昔は、この「筋肉でコルセット」は腰の椎間板を保護すると考えられていました。

 実際には、ほとんどの腰痛は、椎間板に原因がないことがわかっているので、腹筋コルセットは、姿勢の崩れを防いで腰の筋肉の負担を減らすと考えるほうが良さそうです。

 

 ただし、以前も書いたように、腰痛のほとんどは緊張が抜けないことによる痛み。患者さんを治療するときも、まずは腰の緊張を緩めると、かなりの方で痛みが軽減します(もちろん骨盤…仙腸関節の調整もします)。

 鍛えるだけではなく、一度力を入れたら意識的に脱力して、緩ませることも必要です。

2016年

11月

09日

マッサージ後の眠さ、だるさの理由は?

 マッサージを受けたことのある方はご存知だと思いますが、施術の直後からだるくなったり、眠くなったりすることがありますね。

 マッサージで疲れたのか? とお考えの方もいらっしゃると思いますが、心配いりません。

 これは、回復の段階に入ったことを示しています。

 

■眠くなるのは、緊張がとけたから

 肩こりや腰痛は、筋肉の緊張がゆるまない状態です。固くなった筋肉が血管を圧迫するために血行が悪くなり、その痛みがさらに緊張を悪化させます。

 そこで適切なマッサージを受けると、筋肉の緊張が抜け、緩みます。
 筋肉がゆるむと、それまで固かった身体が柔らかくなるので、ぐにゃぐにゃと頼りなく、重く感じます。それが施術後の「だるさ」です。

 

 眠気も、筋肉のゆるみによって生じます。
 筋肉にコリや緊張があると、感覚神経から脳に緊張の信号が送られ、脳も緊張状態になります。「身体が疲れているのに眠れない」というのがこのケースです(緊張は、不眠の原因のひとつ)。

 施術で筋肉がゆるむと、筋肉からの緊張信号がなくなるので、脳は開放され強い眠気を感じるのです。

 

 つまり、マッサージ後の眠い、だるいは筋肉がゆるんできた証拠。血行が戻り、回復のプロセスが始まったことを示しているのです。ほとんどの場合は1~2日で終わりますので心配はいりません。

 

■いわゆる「もみ返し」は注意

 もまれた部分がひどく痛んだり、腫れたりする場合は、ほとんどが無茶な揉み方をされた場合です。

 不慣れなマッサージ師では、コリが固いと、つい力を入れすぎることがあります。そうなると筋肉の組織が潰れて、腫れてくるのです。それが、もみ返し。

 強すぎる揉みは、緊張を解く効果がないだけでなく、繰り返すうちに筋肉組織が繊維組織に置き換わって固くなり、揉んでも治らなくなることも。

 弱く、根気よくマッサージをするように頼むか、施術者を変えることをおすすめします。

2016年

11月

06日

骨粗鬆症対策に! 骨折を防ぐビタミン

 先日、郵便局に行ったら、中で骨密度の測定サービスを行っていて、驚きました。

  「歳をとっての骨折は、寝たきりに直結する!」ということで、骨密度の測定サービスが盛んになっているようです。

 

 測定するのは、骨の中のカルシウムの量。カルシウムが多いほど、骨が強くなり、折れにくくなるというのがその理由です。

 でも、骨を強くする方法は、カルシウムだけではありません。
 骨を強く、しなやかにする簡単な方法をご存知でしょうか?

 

■骨をしなやかにするのは、コラーゲン

 骨というと、カルシウムでできていると考えがちです。しかし、骨の成分でカルシウム(リン酸カルシウム)の割合は、60%程度。残りのほとんどは、水とコラーゲンです。

 コラーゲンは、水分を含み、弾力ある組織を作る性質があります。美肌成分として有名ですね。それが骨でも役立っています。

 

 カルシウムは固いのですが、柔軟性がありません。それを補っているのが、水分とコラーゲン。曲がりやねじれに耐え、衝撃を吸収して、骨折から守ってくれるのです。

 年齢を重ねると、骨のカルシウムが減るだけでなく、コラーゲンが弱ってくることがあります。そんなときに強い力を受けると、骨は衝撃を受けとめ切れず、ポッキリと折れてしまいます。

 骨折を防ぐためには骨のコラーゲン繊維を正常に保つ必要があるのです。

 

■ビタミンB群で骨の強化!

 では、骨のコラーゲンを強くするために何をすればいいのか。実は、その方法は簡単。ビタミンB6、B12、葉酸を摂取するだけです。

 

 これらのビタミンは、コラーゲン繊維を弱くするホモシステインなどの生成を防いで、弾力ある骨にしてくれます。

 外国で行われた実験では、これらのビタミンをつづけて摂取することで、骨折する率が8分の1になったそうです。

 

 しかもこのビタミンは、極めて安価な「ビタミンB群」のサプリメントでとる事ができます。どこの薬局でも二ヶ月分を400~500円程度で買えます。また、危険な副作用もありません。

 骨のために、カルシウムと一緒にいかがでしょうか?

2016年

11月

02日

NHK ガッテン11月2日 腰痛の最新対策

今日のNHK「ガッテン!」(以前の、ためしてガッテン)で、4つのストレッチで腰痛を改善する方法について話していました。

発案者は、腰痛の原因の一つを、就寝中の寝返りにあると考えました。長時間同じ姿勢でいることで、腰の筋肉が圧迫されて、炎症物質がつくられ、痛みがおこると考えたのです。

腰痛のない人では、寝ている間に何度も寝返りをうつので、腰の圧迫が続くことがなく、この原因による腰痛が起こりません。

腰痛の人では、体幹部と足の筋肉が固くなっており、寝返りができず、寝起きの腰痛を起こすというのです。

そこで、体幹部のねじりストレッチ、足の前面、後面と、膝裏のストレッチを行うと寝返りが増え、腰痛が減ったということでした。
改善率は、8割!

なぜ体幹部と足の筋肉が固くなるのか、という原因には対処していません(八起堂では、骨盤調整、足のバランス調整などします→腰痛治療)。

 その意味では根本対策とは言えませんが、痛みを軽減させる上では、極めて適切で、おすすめできるアプローチだと思います。
 理論も納得できますし、ストレッチも誰でもできる方法。全てのストレッチでなくても、ねじりのストレッチだけでも、ある程度の効果は期待できます。


なお、ストレッチの詳しい内容については、NHKのホームページで紹介されていますので、御覧ください。

 リンクこちら → ガッテンのホームページ 

2016年

10月

14日

手首が固い・不器用だと感じたら

 音楽をやっている人、パソコンを使っている人の治療をしていると、よく出会うのが、手首が固くなる症状です。
 一見、普通に動いているようですが、よく見るとどこか動きがぎこちない。

 実は、手首の骨が癒着して動かず、柔軟性がなくなっているためです。

 手首を操作して癒着をとると、ポリポリと音がするので、「何ごと?」と驚かれる事が多いです。治療後に手首を動かしてもらうと、急に動きやすくなっているので、二度驚かれたりします。

■あまり気づかれない、手根骨の癒着

 手首にはサイコロくらいの細かい骨が8個存在します。単純な曲げ伸ばしだけではなく、掌をすぼめたりして柔らかく動かせるのは、この骨が少しずつズレるように動くから。この骨の名前を、手根骨といいます。

 この手根骨は、使いすぎたりすると、炎症で隣の骨とくっくことがあります。手首の微妙な調整が効かないので、手先が不器用になったり、大きく動かそうとした時に痛んだりすることも。
 肘や肩に力が入りやすく、肩コリを起こしやすいのも問題です。

 ただ面白いことに、自分の手首の不調に気づく人はほとんどいません。もともとの動きが小さいので、変化しても気が付かないようです。

■ちょっと難しい、手首の治療

 このブログではなるべく、ご自分でできる治療の方法を書いています。しかし手首に関しては難しいです。

 上の図にあるように、1センチあるかないかの大きさの骨の集まりなので、力の掛かる場所が少しずれただけでも、全然別の部分に働いてしまいます。
 強いて言えば、固くなっている部分を狙って、ゆっくりと行うマッサージでしょうか。

 それでも取れない固さに関しては、どうぞご相談下さい。

2016年

10月

11日

かま足の治療について

 かま足は、つま先を伸ばしたときに、足先が内側に向かう症状を指します。普通の生活では、まず問題になりませんが、バレエダンサーや、ランナーでは大きな問題になります。

■かま足の原因は?

 多くの場合、かま足の原因は足関節の癒着にあります。生まれつきの骨の形が影響する場合もありますが、多くはありません。

 足関節は、脛骨(脛の骨)の凹みで、距骨(足首の骨)が、前後に回るようになっています。

 全体がキレイに動いていると、つま先がまっすぐに伸びるのですが、内側の動きが悪くなると、内外で動きの大きさが違うために、つま先が内側に入り、かま足になります。

 そして足首の内側は、よく癒着(貼りつき)が起きやすいところなのです。

■かま足の治療は

 したがって、かま足を治療するには、まず内くるぶし周辺の癒着をとり、足首の動きを回復する必要があります。

 自分でできる方法としては、足首を大きく回す運動があります。
 これは普通のストレッチのように伸ばすことが目的ではなく、可動域の最大限で(痛みのない範囲で!)回すことで、可動域の終端にある癒着に働きかける方法です。気長に続けると、少しずつ癒着がとれて、治ってくることがあります。

 しばらく動かしても治らない場合には、関節癒着の治療を受けるほうが良いでしょう。

2016年

10月

06日

「指が痛い!」の予防と治療

 同じ仕事をしている知人から、親指のTAM治療を頼まれました。じっとしていると痛みがないが、力を入れると痛むということ。見たところ、腱鞘炎のような腫れもありません。

 これは関節かな、と親指を軽く牽引しながらチョイチョイと動かしていると、
「ギュッ」
 と音を立てて、関節が回りました。動かしてみると、痛みが取れています。指の関節が捻れた形で癒着していたのです。

■指は、横からの力に弱い

 彼がマッサージしているところを見ると、時々、親指を横にして使っているときがありました。

 指の関節は、握ったり開いたりという動きに合わせてできています。ものをギュッと握れるよう、前後に強い構造なのですが、横の力や、ねじれの力には弱いのです。

 そのため、指に横からの力がかかると、関節がわずかにズレます。もちろん、普通ならすぐに戻ってしまう程度のズレですが、あまり頻繁にズレると、関節に癒着が起きて、ズレたままになってしまうのです。

 

 

 意外なところでは、パソコンの操作。親指でスペースキーを押すときには、大抵の人が横から押しますね。キーボードを強く叩きすぎるクセがあると、親指を傷めがちです。

 防ぐ方法は、横から強い力がかからないように使うこと。できるだけ指の正面から力がかかるように、持ち方、手の置き方を工夫して下さい。

■治療は、軽く、軽く

 治療は、関節部の癒着をとり、動きを回復すること。
 軽く牽引しつつ、曲げ伸ばししながら癒着を取ってゆきます。

 ご自分で治療を試す時には、軽く軽く、気長に行って下さい。指の関節は繊細なのです。
 それでも難しい時には、ご相談下さい。

2016年

10月

02日

坐骨神経痛なら、まず試すべきこと

 腰からお尻、足にかけて痛みが走る、坐骨神経痛。ひどくなると、歩くだけで足がしびれてしまったりします。

 痛みが長引くことも多いですが、逆に、簡単に治る場合もあるのを、ご存知でしょうか?

■坐骨神経痛って?

 腰椎(腰の骨)の間から出て、坐骨(骨盤の下部)を通って足に向かう神経だから、坐骨神経。

 この神経が、通り道のどこかで圧迫されて、きちんと信号が伝わらなくなったり、痛みを起こすのが、坐骨神経痛です。

 

 病院では椎間板ヘルニアか、脊柱菅狭窄症を疑うのが基本です。

 椎間板ヘルニアは、脊椎のクッションがはみ出して、神経を圧迫している状態。脊柱菅狭窄症は脊椎の中の、神経の通り道が狭くなって神経を圧迫している状態です。

  どちらも脊椎の問題なので、治療は手術が原則になります(椎間板ヘルニアは、時間が経つと自然に治ってくるので、経過観察することもあります)。

 

 「もう手術をするしかないのか…」と、悩む方も多いのですが、その前に簡単な治療を試してみませんか?

 それは、臀筋(お尻の筋肉)の治療です。

■臀筋が原因なら、簡単に改善!

 今までに、椎間板ヘルニアや、脊柱管狭窄症と言われた坐骨神経痛の患者さんを何人も見ました。

 そんなとき、まず試してみるのがお尻の筋肉を緩める治療。鍼を打ち、仙腸関節を調整し、股関節を動かして、お尻の筋肉をゆるめます。

 すると、それだけで痛みが消える場合があるのです。痛みが減るだけのケースも入れれば7,8割の方で症状の改善が見られます。

 

 坐骨神経は臀筋(お尻の筋肉)の間を通るので、臀筋が緊張して固くなると神経を圧迫し、坐骨神経痛を起こすのです。
 ヘルニアや狭窄症が原因と思われていても、実際には臀筋が原因というケースが少なくありません。

 そんな場合、深い部分に鍼を打ったり、周辺の関節を調整して臀筋をゆるめるだけで、症状が改善するわけです。

■まずは、お近くの鍼灸院へ

 この治療は、鍼を使う治療院ならどこでもできます。ただし、東洋医学系の鍼灸師は、深い鍼を打たない方が多いので、トリガーポイント治療を標榜している治療院が良いでしょう。

 基本的には、数回の治療で効果の有無がわかりますし、危険もありません。
 まずは臀筋の治療を試してみて、それで効果が出ないときに、ヘルニアや狭窄症の治療を考えても遅くありません。坐骨神経痛と言われたら、まずお近くの鍼灸院で試して見られることをおすすめします。

2016年

8月

10日

歳を取るほど眠れなくなるわけ

昔から不思議に思っていたことがあります。それは
「年齢が上がるごとに、睡眠時間が短くてすむ」
 という説です。

 しかし実際は、歳をとるほど、疲れが取れにくいという方が多いです。疲れが取れないのなら、かえって睡眠時間は長くなければおかしいですよね。

 疲れているのに睡眠時間が短いのだとしたら、それは「眠れない」のではないでしょうか?

 

■歳をとるほど眠れない理由

 眠れなくなる理由の一つは緊張です。

 遠足や、受験の前の日。なかなか眠れなかった経験を持つ人は多いと思います。緊張しすぎると、脳の活動が下がらないために、なかなか睡眠に入れないのです。

 これは、精神的な緊張だけでなく、肉体的な緊張でも同じです。

 筋肉は、運動神経や感覚神経を通して、脳と情報を交換していますが、緊張が強くなるほど情報交換の量は増えます。つまり、身体が緊張するほど、脳は休めなくなるわけ。

 

 大人は、日常の生活で、身体のあちこちに習慣的な緊張を抱えています(肩コリや腰痛も、その一つ)。癒着もあり、子供ほど身体が柔らかくなくなってしまうので、子供のように眠れないわけです。

 逆に言えば、ゆるめれば、眠れるわけです。

 

■ゆるめれば、健康寿命が伸びる

 マッサージ中、肩コリなどがある程度ゆるんでくると、患者さんが眠ってしまうことが少なくありません。帰り際に、
「これで、帰ってぐっすり眠れる…」
とおっしゃる方も少なくありません。

 これは、身体の緊張と睡眠の関係を証明するものと言えるでしょう。

 

 ゆっくり眠れるようになると、疲れがとれ、身体が回復してきます。高血圧、心臓疾患などは、疲れを原因とすることが多いので、健康寿命を延ばすにも役立つでしょう。

 

 緊張をゆるめるには、マッサージを受けるのも良い方法です。
 それに加えて、自分自身で身体をゆるめる練習を、生活に取り入れたいところ。

 簡単な方法としては、横になり、目を閉じて自分の身体の状態を感じる方法があります。力が入っていると感じられると、自然にゆるんできます。

 

 体系だてて知りたい方は「自律神経訓練法」で検索すると、いろんな方が解説してくださっています。

2016年

8月

05日

コラム「子供にバレエをさせるなら…」

治療院検索サイトの「ヘルモア」さんに、新しいコラムをのせてます。

「子供にバレエをさせるなら…知っておきたい三つのこと」

これまでの治療で、何人ものバレリーナの足を見てきました。

膝が痛い方、三角骨の痛みなど、いろんな痛みがありましたが、よく見ると、ほとんどの原因が、たった三つの原因に集約されていました。
それは「足は股関節から開く」「トゥシューズを履くのは12歳以降」「ねんざの後遺症」。

この三つに気を付けるだけで、防げるケガはかなり多いのです。子供にバレエをさせるなら、必ず見ていただきたいと思います。

ねんざ後遺症が気になる場合は、ご相談ください。

2016年

7月

30日

コラム「指一本で肩こりを軽くする」

治療院検索サイト「ヘルモア」さんに、コラムを載せてもらってます。
内容は「誰でもできる、指一本で肩こりを軽くする方法」

神経の作用を使った、裏ワザです。

実際にマッサージするほどではありませんが、短時間で簡単に緊張を減らせるので、忙しい時におすすめ。

手品代わりに、友達などにやってみるのも面白いですよ。

 リンクこちら → たった一本の指で、肩こりを軽くする方法

2016年

7月

25日

腰痛の原因は、腰の硬直です

 最新の研究で、腰痛の90%以上は、腰椎や椎間板に変形などの原因がないことがわかっています。ですから、大半の腰痛は、腰の緊張を取れば治ります。

■腰が固い!

 腰痛を起こしている患者さんにも2タイプあります。

 一つは、先ほども書いたように、腰の筋肉が緊張しているだけのタイプ。ぎっくり腰などに多く、動かすと強い痛みが出ます。
 この場合の治療は、筋肉をゆるめることで治せます。

 

 もう一つが、腰椎が固まっているタイプ。慢性の腰痛を持っていらっしゃる方が多いです。

 もとは筋肉の緊張から始まっているのですが、長い時間、緊張で固まっていたために、腰椎の一つ一つをつなぐ関節(椎間関節)が、くっついてしまっているのです。
 腰椎を押すと手ごたえが固く、柔軟性がないのが特徴。

 この場合には、筋肉だけを治療しても、またすぐに再発します。動かない腰椎のために生じた歪みを支えるためではないかと推測されます。

 

■腰椎を柔らかくする

 八起堂では、腰椎にも癒着を取るTAM手技療法を行います。といっても、腰椎は肩や足と違い、動きが少ないので、けっこうな精密作業。一つ一つの腰椎の形や動きを理解しつつの治療になります。
 腰椎の動きが改善し、柔軟性が出てくると、周辺の筋肉も柔らかくなります。

 

 人によっては、腰椎が柔らかくなる時に音がする場合もあります。
 ある患者さんは、3、4回もポン、ポン、という音が聞こえて、患者さんと一緒に笑ってしまいました(音がしてもしなくても、治療効果に差はありません)。

 

■大事なのは「柔らかい」こと!

 一度腰椎が動くようになると、腰痛を起こす回数が大幅に減ります。 実際、1、2回の治療を受けた後、数か月に一度来るだけでいいと言う人が少なくないのです。

 癒着であれ、筋肉の過緊張であれ、固まっているものを柔らかくするが、八起堂の治療。

 あなたの腰、固まっていませんか?

2016年

7月

18日

足が歪んでいると、膝もねじれる

 八起堂は足の治療を受けに来る患者さんが多い治療院です。たいていの場合は、足首の歪みがあるので、それを解消する治療を行います。

 そうしてたくさんの患者さんを見ていて気が付くのが、膝関節がねじれている人が多いこと。

■膝ねじれの原因は?

 多くの場合は、足の歪みと連動しているようです。

 足関節を傷めたときには、内くるぶしの周辺で組織の癒着が起きることが多いのです。すると、つま先を伸ばした時に、足先が内側に入ってしまいます(カマ足)。

 蹴りだしの位置が内側に移動するので、膝関節は外に向かってねじれることになるかと推測されます。

 足関節を治す際には、セットで膝を調整する必要があります。

 

 治療はTAMです。靭帯の癒着をとって、治療を行います。靭帯が何層かになっているらしく、数回の治療を必要とすることが多いです。

 膝の重さや痛みがとれるというのが、患者さんの感想。

 

■バレエのレッスンに、もの申したい

 特殊な例として、バレエダンサーの膝故障について。
 バレエの場合は、レッスンが原因で膝を故障している人が、少なくありません。

 バレエで多用される、つま先を外に向ける動作。正しくは股関節を外にねじって、つま先を外に向けるのですが、動作の完成を急ぐあまり、膝から下を外に向けてねじってしまうことが多いのです。
 もちろん、膝には大きな負担がかかります。

 バレエダンサーのひざ故障の、半分以上はこのねじりが原因です。何年も故障を繰り返しながら練習しているので、重症化していることも多いです。

 正しく外旋する習慣をつければ、確実に防げる傷害なのですが、発表会やコンクールを急いでしまう教室が多く、見逃されがち。

 親御さんには、こうしたレッスンをしっかりしてくれる教室を選んでいただきたいと思います。

2016年

7月

03日

コルセットは、腰痛に逆効果?

 腰痛を防ぐ器具、いろいろ売られていますね。
 代表的なのが、コルセット。腰の周りに巻いて、腰痛を予防する道具です。

 ところがコルセットを使っている人に聞くと、効果があるという人ばかりではありません。それどころか、使うことでかえって腰痛がひどくなる人もいます。

 

■コルセットが逆効果になる場合

  コルセットの目的は、腰の周りにまきつけ、その圧迫と支えで、腰の負担を減らすことです。つまりは「腰を固定する道具」。

 前回も書いたとおり、ほとんどの腰痛は筋肉の緊張によって起こります。緊張しているところを固定すると、どうなるでしょうか?

 そう、ますます緊張します。コルセットで腰の自然な動きを制限すれば、守るどころか、さらに筋肉が緊張してしまうのです。

 立ちっぱなし、座りっぱなしでいる人にとっては、コルセットは役に立たず、悪化させる可能性があります。

 

■コルセットが腰を守る場合

 もちろん、コルセットが役に立つ場合もあります。

 たとえば、重いものを持ち上げたり、介護などで中腰の姿勢を取ることが多い場合。コルセットは腹圧を上げる事で、腰の負担を減らします。
 力仕事をする人には、効果があるといえるでしょう。

 正しいコルセットの使い方は、力仕事をするときだけにつけること。ただ座っていたり、立っていたり、まして寝ている時などにつけていてはいけません。

 腰をゆるめることが、腰痛の一番の解決方法なのです。

2016年

6月

28日

新しい理論による、新しい腰痛体操

 腰痛対策として、昔から言われているのが「腰痛体操」ですね。
 昔から言われているのに「腰痛体操で腰痛が治った」という人は、多くありません。なぜでしょうか?

 それは、今までの腰痛体操が、古い理論に基づいているからです。

 

■腰痛の理論が変わった!

 何年か前まで、腰痛の原因は、脊椎(背骨)が傷んでいることだと考えられていました。そこで、腰のまわりの筋肉を鍛えて脊椎を守ろう、という腰痛体操が生まれたのです。

 しかし近年の研究で、腰痛の9割以上が脊椎に問題がないことがわかってきました。それどころか、多くの腰痛が、筋肉の緊張による痛みであるとわかっています。

 筋肉の緊張が原因ですから、緊張をゆるめる体操が必要です。

 

■緩める感覚を作る腰痛体操

 誤解のないように書いておくと、筋肉を鍛える事自体は悪くありません。鍛えた後に、筋肉をゆるめるのがポイントです。

 代表的な腰痛体操を元に、解説します。

 

 仰向けに寝転んで、膝を立てます。その状態で、背中を持ち上げるように、背筋にギュッと力を入れます。(この時、お尻を浮かせないように)。

 次に、息を吐きながら背中をストンと落とします。ゆっくりと息を吐き続けながら、背中の力が抜けてゆくのを感じます。そのまま、ダラーンとして10秒くらい。

 ある程度ゆるんだ感じがしたら、もう一度上げて、落とす。これを、何度か繰り返します。

 

 お尻を浮かせないようにするのは、背筋の緊張をわかりやすくするため。一度、背筋を強く緊張させることで、そのあと力を抜きやすくなります。

 脱力すると眠気が出ますので、眠る前が最適です。

2016年

6月

18日

肩こり腰痛は、体幹のイメージから

 人間には本能的な動作は少なく、環境や意思によって後天的に得る動作のほうが多い、というのが、前回の話でした。

 今回は、後天的な環境に合わせたはずの動きが、なぜ腰痛や肩こりを起こすのかについて。

■肩こり、腰痛の原因は、体幹が動かないこと

 人類の歴史をみると、採集や狩猟で、一日歩き続ける生活を続けてきたようです。立ち続けたり、座り続けたりという現代人の生活は、そもそも不自然で、それが健康をそこなう元になっているわけです。

 デスクワークでも立ち仕事でも、使うのは主に肩から先だけですし、足は立っているだけ。体幹部は、手足の土台として動かさないことが多いのです。
 動かないままの体幹部は、緊張が解けず痛み出す…これが、肩こり腰痛です。

 重労働をしない生活では、体幹部の力を使わなくても、手足を動かすだけで事足りてしまいます。後天的な生活の中で、体幹部を使う方法を身につける機会がないのですね。

■急に話は飛びますが

 「站椿(たんとう。別名、立禅)」という稽古があります。もとは中国の武術・健康法ですが、少し膝を曲げ、手はものを抱えるような形にして立ち続け、身体の感覚と向き合う練習です。 

 練習中、体幹をゆるめ柔らかく保つと、バランスをとる小さな動きの繰り返しで体温が上がり、早足歩きくらいに呼吸が上がってきます。

 体幹部が動いて、これだけのエネルギーを使うのが、本来の姿というわけです(余談ですが、この揺れる站椿を毎日続けると、はっきり体重が落ちます)。

 「体幹部は動く」というイメージがはっきりしてくると、肩も背中もやわらかくなってくるようです。

■そこで最近の治療では

 癒着をとるだけではなく、固まった筋肉に動きをつけてやる操作をしています。

 痛みの改善率が上がるだけでなく、何回か通ってくださった方では「腰痛が起こらなくなった」とおっしゃってくださることが増えました。
 筋肉が柔らかさを思い出すのでしょうか。

 こり、腰痛でお悩みの方。
 立ち仕事、座り仕事は減らせないかもしれませんが、体操でもなんでもやってみて、体幹部の動きを思い出すのはいかがでしょうか?

2016年

6月

09日

猫背を治す TAMストレッチ

 猫背を気にしている方は多いですね。
 背中の後ろが丸くなる猫背は、単に姿勢が悪いだけではありません。背中の後ろには年齢が出ると言われていて、実際よりも老けて見えてしまうのです。

 もちろん健康にもよくありません

 

■猫背の人は、巻き肩

 背中が丸くなっている人に共通しているのは、肩甲骨が前に出て、胸が狭くなっていること。これを、巻き肩といいます。

 基本的には、肩甲骨は肩の周辺を上下左右に、比較的自由に動くようにできています。

 ところが、前かがみでいることが習慣になると、前に回った位置に落ち着いて、胸が開きにくくなってしまいます。呼吸がしにくくなったり、背中が丸くなったりと、良いことがありません。

 この肩甲骨を後ろに回してやることで、猫背が解消できるのです。
 

■肩甲骨を後ろに寄せる体操

 肩甲骨を後ろに寄せるには、胸を開くストレッチが有効。今回は、それに深呼吸をプラスして、効果を上げましょう(TAM手技療法の応用です)。

 両腕を下げた状態で、思い切り外側に向かってねじります(肘を張った状態よりも、肩甲骨が後ろに寄ります)。
 その状態で、思い切り息を吸い込んで、5秒止めます。息を吐いて、終了。胸の筋肉が伸びたのがわかると思います。

 この筋肉は肋骨から始まっているので、深呼吸をして肋骨を動かすことで、筋肉の付着部をほぐし、効果を上げたのです。

 こうした体操も大切ですが、もちろん、姿勢は大事。うつむきスマホはほどほどに。 

2016年

6月

05日

ストレートネックを自分で治す方法

 新しい現代病と言われる、ストレートネック。

 首が緊張して、まっすぐになってしまっている状態です。人によっては、頚椎(首の骨)のつながりが、固くなってしまっていることも。

 このストレートネック、ほとんどの場合は骨などに異常はありません。筋肉が硬直して、周辺組織が癒着しているだけです。
 治療院では首の緊張をゆるめ、固まった頚椎をゆるやかに動かして、組織の癒着をとる治療をします。

 もっとも、ストレートネックは生活習慣などがかかわっているので、継続的な改善には、患者さん本人の努力も必要です。

 そこで、ストレートネックを治し、予防するコツを。
 スマホの使い方とか、姿勢についてはあちこちですでに書かれているので、身体イメージと体操をご紹介します。

 首の硬直を解くことができれば、自力での治療も可能です。

 

■首と頭の境目は、耳の下!

 首の不調には「身体のイメージ」が意外と大きな影響を持っています。

 以前にも書きましたが、首と頭の境目は、かなり高いところにあります。上の図でもわかるように、耳のすぐ下くらい。

 

 ストレートネックの人もふくめ、首が辛いという人は、これをアゴくらいの高さで考えている場合が多いのです。そのイメージで生活していると、首の上部を動かさないので筋肉が固くなってしまうのです。

 では、首の上部の筋肉を動かす体操を試してみましょう!

 

■ストレートネックを治す体操

 両方の耳の下にある骨の出っ張りに、指を当てます。その指で頭を支えているつもりになって、ゆっくりと上下を見るように頭を動かします。これを、5,6回。

 次に、片手を頭の後ろに。首と頭の境目の、へこんだところに指を当てます。もう一方の手を、鼻の頭に。
 この二つを軸にして、ゆっくりと首を左右に倒します。同じく、5,6回。

 

 ずいぶん、感じが変わってきたのではないでしょうか。

 人によっては、首の筋肉がパリパリ音を立ててることもありますが、固まっていた筋肉がほぐれる音なので、気にしなくても大丈夫。
 首が自由に動くようになると、症状も改善してきます。

  何度か繰り返してもうまくいかない場合には、無理をせず、専門的な治療を受けてください。

2016年

6月

01日

肩こりや腰痛が、皮膚から起こる場合

腰痛や肩こりの患者さんの治療。

 八起堂では、筋肉や関節の引っかかりをとることで治療するのですが、もう一つ大事にしているポイントが有ります。それは、皮膚。

■皮膚と骨とが貼りつく場合

 とくに皮膚の動きが悪くなっているのは、骨を触れる場所。

 背骨の出っぱり(棘突起)と、肩甲骨の突起(肩甲棘)、あとは骨盤のフチ。この三箇所で皮膚が動かないために、体幹部の動きが制限されている方が多いのです。

 肩甲骨が動かなければ、肩こりになりますし、骨盤のフチが突っ張ることは、腰痛の原因にもなります。
 背骨の出っ張りは、どちらにも。とくに、首に近い部分での貼り付きは首の疲れに影響しています。

■治療は簡単

 治療そのものは、動かない部分の皮膚に手根をあて、すべらせるだけ。うまく癒着が取れる時には、しばしばポンとかバリバリという音がします。

 決して難しくはないのですが、場所が場所だけに、自分で行うことができません。信頼できる施術者に頼みましょう。

 施術者の方は、勢い余って肋骨に力がかからないように注意して下さい。

2016年

5月

27日

努力いらず!姿勢よく座るコツ

 デスクワーク時の猫背は、腰痛や肩こりのもと。そんな猫背を防ぐ、努力のいらない工夫を2つ、ご紹介します。

■パソコン画面の位置と角度を変える

 私達がパソコン作業をするとき、無意識のうちにディスプレイを正面から見ようとします。ディスプレイが上向きなら顔を上に持っていきますし、下向きにすると画面をのぞき込むために顔を下に動かすわけですね。

 そこで、ディスプレイの角度を少し高めにすると、自然に背筋が伸びます。正しい姿勢での顔の位置か、ほんの少し高めがおすすめです。

 ノートパソコンを膝において作業する方もいらっしゃいますね。身体に近いところにディスプレイがあると、どんなに努力しても顔が下向きになり、首に負担が。

 やむをえない場合を除いて、机などに置いて作業するように心がけましょう。

■椅子の後ろにクッション

 背筋を伸ばすには、骨盤を立て、腰が軽く反るようにする必要があります。

 実は、骨盤の角度を決めるのは、膝の高さです。膝がお尻より高い位置にあると、殿筋に引っ張られて骨盤が後ろに傾き、猫背になります。なぜか事務用の椅子は後ろに向かって傾斜していることが多く、猫背になりがち。

 そこで椅子の後ろ半分にクッションを入れると、膝が少し下がって、自然に背筋が伸びます。
 クッションがない場合には、椅子に浅く腰かける方法もありますね。

 どちらの工夫もすぐできて、努力もいらない優れもの。一度、お試しください。

2016年

5月

22日

一日一分で姿勢が良くなる、意外な部分のストレッチ

 「年齢は背中に出る」と言われています。

 姿勢が悪いと、肩こりや腰痛の原因になるだけでなく、老けて見えます。逆に、背筋がスッと伸びた立ち姿は若々しく見えるもの。

 しかし頑張って背中を伸ばそうとしても、すぐ元通りになってしまう、という人は多いはず。

■背中が丸くなる原因は「かかと体重」

 実は、立ち姿は体重の位置で決まります。

 背中が丸くなる人は、足のかかとで立っていることが多いのです。かかとに体重がかかると、後ろに倒れるのを防ぐために自然に上半身を前に倒してしまいます。その結果が猫背です。

 逆に、つま先側に体重がかかると、上半身は反り、スッと背中が伸びた姿勢になります。

 以前も書きましたが、この原理を応用しているのが、女性を美しく見せるというハイヒール。かかとが高くなることで体重が足先にかかり、背筋が伸びるのです。

 とはいえ、いつもハイヒールを履いているわけにはいきませんね。男性ならばなおのこと。

■ふくらはぎを伸ばせ!

 ハイヒールよりももっと簡単に、体重の位置を変える方法が、ふくらはぎのストレッチ(筋膜リリース)。
 ふくらはぎにある腓腹筋、ヒラメ筋が伸びると、足首が深く曲がるようになります。すると体重のかかる位置が前に移動し、背中が伸びてくるのです。

 ストレッチ方法は、いわゆる「アキレス腱伸ばし」のポーズです。伸ばした状態を保ったまま、30秒静止、左右で合わせて一分間。

 直後から立ち方の変化が実感できます。もちろん、一回だけでは時間とともに戻ってしまいますが、一日に1,2回のストレッチで変化を保つことができます。

 なお、しばらく続けても足首が深く曲がらない時は、足関節が固くなっている可能性があります。「足の治療について」で紹介している足首回しを試してみてください。

 何回やってもうまくいかない時は…TAMで癒着を開放する方法も。
 どうぞ、ご相談下さい。

2016年

5月

07日

治療院の浮気歓迎!

 先日、久しぶりにいらした患者さんが、
「他の治療院に、浮気してませんから」
 とおっしゃってくださったのですが…。

 良いんじゃないでしょうか。治療院を浮気しても。

■「何にでも効く治療」は、無い!

 昔から、「万能薬は何にも効かない」と言われています。

 治療家というのは、一人一流と言われています。それくらい、治療家によって持っている技術は違いますし、得意分野も違います。そして、一つの技術を追求すればするほど、専門的になります。

 例えば八起堂は、八起堂の得意分野は筋膜や関節の癒着リリース。肩こりや腰痛、足からの身体バランスの改善などで、かなり高度な治療ができると自負してます。
 とくに、足のねんざ後遺症に関しては、足根骨の一つ一つまで分解するように調整し、動きを改善することができます。

 その一方、リンパマッサージでは、ごく一般的な技術しか持っていません。むくみをとるなら、八起堂より優れた治療院はたくさんあります。
 さらに言えば、東洋医学は完全に専門外。「気の流れを整えて下さい!」と言われても、期待には応えられません。

 

■治療院は使い分けましょう!

 病院に行くとき、目が悪い時は眼科、鼻が悪い時は耳鼻科に行きますね。治療院も同じように、
「この痛みにはこの治療院、この不調はあっちの治療院」
 と使い分けて良いのです。

 だから、治療院は大いに浮気して下さい。ちょっと通って、合わなければやめてもいいし、気が向いたら戻っても構いません。治療院の側もそれはわかっていますから、しばらく通わなかった人が来ても、気を悪くしたりしません(逆に、それで怒るような治療院なら、お山の大将です)。

 ただ、一つだけ避けてほしいのが、力任せに揉む店。
 コリが強いからと言って、強く押しても、効きません。筋肉は、防御反応でかえって固くなってしまうからです。それでも押し込むと、筋肉がつぶれ、挫滅して繊維化を起こしてしまいます。

 使い分けていい。でも、信頼できる治療院を選んでほしい。

 それが、お願いしたいことです。

2016年

4月

19日

ハイヒールを履いても外反母趾にならない方法

 ハイヒールが外反母趾を起こすのは、足先の締め付けによるものとされています。親指が、外側に向かって押しつけられるからです。しかし実際には、もう少し複雑なメカニズムがあります。

■指の筋力が、関節を変形させる

 足の親指を曲げる筋肉は、主に足の裏にあります。この筋肉が、腱を引っ張り、その先にある指を曲げるのです。
 この腱は、正常な状態では、指の真下を通っていて、まっすぐに指を曲げます。

 さて、ここで先のとがったハイヒールを履くとどうなるか。

 足の親指は、根本から大きく外側に曲げられ、腱の付着部も外側にズレます。こうなると、指を曲げるはずの筋肉の力は、ズレた腱によって指を内側に向けて引っ張ることになります。

 とくにハイヒールは、普通の靴にくらべて指先の加重が大きくなっています。普段より強い力が、足指を外側に曲げるために使われるのです。外側に引っ張る力は、曲がれば曲がるほど大きくなるので、外反がある程度まで進むと、一気に進行します。

■外反母趾を防ぐ歩き方

 それでも、ハイヒールを履きたいという方は、いくつかのことに気をつければ予防することができます。

 まずは、できるだけ先の丸い靴にして、つま先が締め付けられないようにすること。これは絶対。

 もう一つは、歩き方です。
 つま先を少し外に向け、足の内側を押し出すように一直線上を歩きます
 足の親指は、全ての指の中で、もっとも強く体重を支える指です。そのため、体重のかかる場所を支えるように動きます。

 つま先を外に向けた状態では、体重はかかとから足の親指側に抜けてゆきます。親指は、地面を強く蹴り出すために内側に向かって(指を開く方向へ)踏ん張る力が働きます。この力は、外反母趾を防ぐ方向に働くので、予防に効果的です。

 この歩き方の効用は、それだけではありません。つま先を少し外に向ける歩き方は、ハイヒールを履いた足を、最も美しく見せる歩き方とされているのです。

 キレイに見えて、しかも健康。この歩き方、練習して損はありませんよ。

 

2016年

4月

14日

ハイヒールを履くとキレイに見えるワケ

 女性の足元を綺麗に魅せるアイテムの一つ、ハイヒール。これを履くと、足がすっと伸びて、スタイルがよく見えると言われています。

 スタイルよく見える理由の一つは、足が伸びて見えること。これはわかりますね。踵(かかと)の高さ分、腰の位置が高くなるからです。
 そしてもう一つの理由は、姿勢が良くなることです。

■ハイヒールは、姿勢を変える

 立っている時の姿勢は、足裏のどこに体重がかかるかで変わってきます。

 例えば、踵(足の後ろ側)に体重がかかっていると、後ろに倒れそうになりますね。すると、バランスを保つために上体が前にでて、背中が丸くなるのです。

 ハイヒールを履くと、踵が高くなるので、自然に体重が足の前側にかかります。上体を前に倒す必要がなくなるので、腰や背中が伸びて、キレイに立つことができるというわけ。

 ハイヒールとまではいかなくても、少し踵の高い靴を履くと、姿勢が良くなります。これは、男性でも使える方法。

■足首の調整でも同じ効果が

 現代人は、昔の人に比べて、踵の側に体重がかかっていると言われます。つまり、姿勢が悪くなりやすいということ。
 原因は、歩くことが少なくなったためだと言われています。

 治療をしていても、足首が固いために体重を前にかけられない人がいます。そんな方の足首を調整して深く曲げられるようにすると、体重の位置が変わって姿勢が良くなります。
「立ち方が変わった!」
 と治療後におっしゃる患者さんもいます。

 姿勢が悪いと気にしていらっしゃる方、実際には、こんなところが原因のこともあります。頑張って背中を伸ばすよりも、こうした方法でキレイな姿勢を手に入れるのはいかがでしょうか?

 ところで、ハイヒールと言えば、外反母趾との関係が気になるところ。次回は、そのお話を。

2016年

2月

28日

浅い鍼の効果をどう考えようか…

 八起堂治療院でも、鍼治療は行います。

 メインになるのはトリガーポイント鍼治療。筋肉の中にできるコリの固まりに鍼を打ち、緩める治療です。
 腰痛の患者さんなどには極めて有効で、あっという間に痛みを減少させることができます。

 トリガーポイント鍼治療では、筋肉の中にあるポイントに鍼を届かせる必要があるので、3~5センチと深く鍼を打ちます。そうでなければ、効きません。

■鍼は浅く打っても効く

 しかし、場所によっては、鍼を浅く打つこともあります。それも、切皮という2~3ミリしか刺さない打ち方。

 狙うのは、皮膚に違和感を感じるところ。緊張しているというか、動きが少ないというか、他とはちょっと違う感触の場所に浅く打つと、周辺の筋肉が緩みます。

 痛みもリスクもほとんどないので、主に上半身で便利に使っていますが、困っていることが一つ。こんな浅い鍼がなぜ効くのか、理論がわからないのです。

■体壁内臓反射という説

 3ミリといえば、皮下組織を通っているかどうかの浅さです。筋肉には全く届いていないのに、筋肉に作用する不思議。トリガーポイントの理論では説明できません。

「体壁内臓反射」と言われる説があります。
 神経は脳から手足の末端まで、枝分かれしながらつながっています。近い神経枝との間で混線が起こると、内臓の異常が皮膚に伝わったり、皮膚の刺激が内臓に伝わったりするというのが、体壁内臓反射説のあらまし。鍼灸や指圧を現代医学的に考える際に、使われる理論の一つです。

 私の見ている皮膚の感触も、筋肉の緊張が皮膚に伝わり、立毛筋などを緊張させて異常な感触を生じると考えれば、納得がいきますね。

■説明不足!

 ただしこの説には、致命的な欠陥があります。
 内臓(筋肉)の緊張が皮膚に伝わるところまではわかります。皮膚の刺激が内臓に伝わることも理解できます。しかし、鍼の刺激がプラスに作用する理由がわかりません。
 普通に考えれば、より緊張しても良さそうなものではありませんか?

 そんなわけで、なぜこの鍼が効くのかは今でもわからないまま。はっきりすれば、さらに効果的に使えると思うのですが…。

2016年

2月

07日

筋膜治療の話

 このところ健康番組などで話題なのが、筋膜リリースなどの筋膜治療。筋膜とは、筋肉の表面を覆っている膜です。

■筋膜とは?

 筋肉は、筋繊維と言われる細長い細胞で出来ています。たくさんの筋繊維のまとまりを包んでいる膜が、筋膜。フィルムで包んだソーセージを想像してもらうと、わかりやすいかもしれません。

 筋肉を包んでいる筋膜の他に、内臓を包んでいる胸膜や腹膜、皮膚の下で、ひとつながりに全身を包んでいる皮下組織の膜も、まとめて筋膜と呼ばれます。

 さてこの筋膜、状況によっては縮んで固くなったり、膜どうしがくっついたりします。そうなると姿勢を歪めたり、動きを妨げて痛みや疲れの原因になります。
 こうした筋膜を正常に戻そうとするのが、現在言われる筋膜治療なのです。

■筋膜の治療法は?

 筋膜の治療にも、いろいろな方法があります。

 ・のばす
 最もメジャーな方法で、いわゆる筋膜リリースの中心となる技術です。縮んだ筋膜に連続的な力をかけてストレッチします。

 ・分離する
 筋膜どうしがくっついているときに、隙間を開いたり、ずらすように動かすことで分離し、自由に動けるようにします。

 ・その他
 鍼で刺し、壊して新しく再生させる方法や、お灸の熱で血行を増やし、伸ばしてゆくという方法をとる人も。

 八起堂の筋膜治療は、TAM手技療法でくっついた筋膜を分離する方法が中心。あとは要所要所をピンポイントで伸ばす方法を併用します。ごくまれに、鍼を使ってほぐす場合もありますね。

 筋膜治療は、一見簡単そうに見えます。しかし、深部の筋膜や、関節の周辺の筋膜などは、人体の構造を知らなければ施術を届かせることができず、癒着や短縮が残ってしまいます。入りやすく、奥が深い治療法だといえます。

 以前は病院でも治療院でも、筋肉や骨、神経だけが治療対象とされ、筋膜・靭帯はほとんど無視される存在でした。筋膜治療が一般に行われるようになって選択肢が広がり、これまで治らなかった不調も治せるようになってきています。

 これまで何年も筋膜や靭帯の癒着を治療してきた者としては、世間の認知度が広がってくれて、ようやく肩身が狭い時代が終わった気分です(笑)。

2016年

2月

03日

深呼吸の効用② 肩こりを治す!

 呼吸は胸式呼吸と腹式呼吸に分けられます。腹部を動かすのが腹式呼吸で、肋骨を動かして呼吸するのが胸式呼吸。
 今回の話では、肋骨を動かす胸式呼吸がポイント。

■姿勢と肩こり

 筋肉や筋膜は、使わないと短縮して固くなります。それは、肋骨を取り巻く筋肉も同じ。筋肉が固くなると肋骨の間が広がりにくくなります。

 呼吸がしにくくなるのはもちろんですが、胸が膨らまないので、姿勢が前かがみになり、背中が丸くなってしまいます。 

 肩こりにも影響します。首の筋肉には、肋骨から始まる筋肉が何本もありますし、肩甲骨を動かす筋肉も、肋骨についています。肋骨の動きが固くなると、首や肩甲骨を動かす筋肉も緊張しがち。肩・首がコリやすくなります。

■深呼吸で美しく、楽に!

 ではどうするかというと、一番簡単な方法が深呼吸。
 背中をそらすように大きく息を吸い込んで、10秒くらい止めます。止めるのは、筋肉にストレッチの時間を与えるため。

 TAMの理論で言えば、胸の筋肉などにテンションを掛けた方が効果が上がるので、両肘を後方に引くようにした状態で、深呼吸します。

 首、肩コリを感じた時に、試してみてください。緊張した筋肉が緩み、胸が広がるのがわかります。首のコリも軽減しますよ。

付記
 名古屋の治療家C先生から、背中が丸くなった高齢の方でも、深呼吸が有効だったというご連絡を頂きました。
 脊椎の可動性改善と脊柱起立筋マッサージの後、両腕を後ろに引き胸を広げる形で深呼吸を深く行うことで、丸くなった背中に改善が見られ、体幹のバランスがよくなったとのことです。
 他にも使ってみた方がおられましたら、ご感想などをいただけると幸いです。

 

2016年

1月

23日

ヒザ痛は、早期治療で

 早期発見、早期治療とは、医療の世界でよく言われることです。私たち治療家の間でも、早期治療が大事とされる症状が、いくつかあります。その一つが、ヒザ痛。

■痛みの軽い初期は、長く続く

 通常、膝の痛みは違和感や軽い痛みとして始まります。この段階では、膝関節で起こっているのは軽い炎症で、関節の変形はほとんど見られません。
 ときどき痛い、歩き出しだけ痛い、なんとなく重く、曲がりにくいという段階が、わりあいに長く続きます。

 多くのヒザ痛の原因は関節のズレ、足の歪みなどで、この間に足などを調整して荷重を平均化すると、痛みが消えるケースが多いです。

■関節が変形し始めると、進行が速い

 変化が加速するのは、関節の軟骨が、ある程度減ったところ。とくに、内側の軟骨が減って、O脚が目立ち始める頃です。
 関節面が摩耗するほど体重の集中もひどくなるので、摩耗が一気に進み始めます。ある程度以上変形すると、鍼灸マッサージなどの手技療法では、痛みを減らすことしかできません。根治するには、手術が選択肢になります。

 こうしたことを考えると、ヒザ痛は、できるだけ早い治療と保存が必要。まずは足を調整し、歩くなどして筋力を鍛えることが望ましいといえます。

■サプリメントの効き目は、人それぞれ

 なお、膝関節に良いというサプリメントも売っていますが、今のところ医学的に効果を証明するデータはないようです。

 患者さんに聞いても「効いた」という人と「効かなかった」という人がいましたので、まずは少量から試してみて、様子をみるのが良いかと思います。

 

2016年

1月

22日

腰痛に、トリガーポイント鍼治療

  このところ、トリガーポイント鍼療法のことで、お問い合わせを頂くことが増えました。

■トリガーポイント鍼治療とは

 鍼治療といえば東洋医学、という印象ですが、トリガーポイント鍼療法は、現代医学の理論によるものです。

 トリガーポイントを簡単に説明すると、筋肉のコリが極端に強くなった部分。血液の流れが悪くなったため自然には回復できない塊(硬結)となって、動いたり、圧迫が加わると、痛みを発します。痛みの引き金(トリガー)になる場所(ポイント)ということで、この名前がつきました。
 そこで、このトリガーポイントを治せば痛みが消える、というのがトリガーポイント治療の基礎理論です。

 治療としてはマッサージや指圧、病院なら注射による方法もあるのですが、なんといってもメインは鍼治療です。
 痛みの引き金となる筋肉のコリに鍼を打ち(刺し)、数分おいて、筋肉を緩ませます。 

■トリガーポイント治療の長所と短所

 長所は、即効性と確実性です。筋肉のコリという物理的な対象を治療するので、治療した分だけ症状が改善します。仕事など、日常で生じる痛みの定期的メンテナンスとして、優れた力を発揮します。

 つぎに短所…というよりも、使い方の問題について。
 トリガーポイントは習慣や歪みによって生じたコリの強くなったもの。「原因か結果か」といえば、結果だと言えます。つまり、原因となる歪みなどを一緒に治す必要があります。

 八起堂では、特に腰痛の治療でトリガーポイント鍼治療を多用します。合わせて骨盤(仙腸関節)の調整、足の歪み調整、腰椎の可動性を回復させる治療などを行い、ほとんどの場合、その場で痛みが軽減します。

2016年

1月

17日

首と頭の境目はどこ? 首のコリをとる運動

 首のコリ、それも頭と首の境目のコリで、悩んでいる方はたくさんいらっしゃいます。苦しいし、頭痛を起こすこともありますし。

 

■首と頭の境目は、どこ?

 私たちは、自分の身体を動かすとき、どう動いているかというイメージを持っています。このイメージにズレがあると、コリや痛みの原因になることがあります。

 たとえば、首と頭の境目はどこにあるでしょうか?

 いろんな人に聞いてみると、アゴの高さよりも少し上くらいをイメージする人が多いのです。しかし、実際の境目は、もっと上!

 耳の下を触ると、少し出っ張った骨があるのがわかりますね。実は、その高さが首と頭の境目。ついでに言うと、前後の位置も、この左右の骨の間。思ったより前にあるな、と思いませんか?

この部分、靭帯や筋肉の層が厚く、あまり動くイメージがありません。しかし、実際には首を左右に回すなどの動きで、重要な働きをします。


 首を左右に回すのも、前後に曲げるのも、この位置から動かせると思うと、動き方がかわります。
 左右の耳の下に手を当てながら、境目を意識して首を動かしてみましょう。普通の時よりも大きく動かせませんか? 

 

 ■動かすだけで、コリは減る

 首と頭の境目のイメージを変えると、動きが増えて緊張がとけます。
 先日いらした、患者さんでは、この動きを少し練習していただくだけで、みるみるうちに首が柔らかくなってゆくのが分かったほど。

 とはいうものの、この部分は、靭帯が厚く、筋肉層の重なりも多いので、組織の部分が貼りつきやすいところでもあります。とくに第一頚椎周辺は、固くなりやすい傾向がありますね。

 何度か試して、それでもコリや痛みが残る場合には、頚椎が貼り付いたまま、固まっていることがあります。

 首の後をなでてみて、骨の凸凹が不揃いな場合は、頚椎の関節か、周りの筋肉が固まって、動かなくなっている可能性があります。そこを中心として首のコリが発生するので、癒着をとる治療をしたほうが良いでしょう。お気軽にご相談ください。 

 

※関連記事 「ストレートネックを自分で治す方法②」

 

2016年

1月

12日

人工関節の手術後、痛いのはなぜ?

 膝関節、股関節などの関節がすり減って、痛みが出る変形性関節症。多くの治療法のあと、最後の手段が人工関節置換術。セラミックやチタンで出来た人工関節を埋め込む手術です。
 すり減った関節がまるごと入れ替わるので、もう関節が痛むことはないはず。

 ところが、人工関節の手術後も、痛みが続く方がいらっしゃいます。どうしてでしょうか?

■続く痛みは、傷跡が原因

 人工関節の手術では、関節の周りの筋肉や、靭帯を切断し、そこから関節の入れ替えを行います。何重にも重なった組織を切り、元通りにつなぎ合わせるのですが、切った傷跡が固くなったり、くっついたりしてしまうことが。
 つまり、痛んでいるのは関節ではなく、傷跡なのです。

 予防のためには、手術の後のリハビリが重要。固くなる前に動かすことで、ある程度予防することができます。
 では、すでに痛みが出るようになってしまった場合は?

■治療には、ストレッチとマッサージ、鍼

 痛みを治すには、この固くなった組織を柔らかくすることが必要。手軽な方法は、ストレッチとマッサージ、そして鍼です。

 自分でやりやすいのは、ストレッチ。縮んで固くなった組織を伸ばすことで、痛みの発生を抑えられます。大事なのは、弱く、時間をかけること。
 軟部組織は、時間をかければ弱い力でも伸びます。痛みが出る寸前くらいの軽い負荷で、1~2分くらいかけてストレッチします。

 マッサージは、何層にも重なった筋肉や皮下組織どうしの癒着を解消します。少しコツが必要なので、治療院で。

 それでも取れない、深いところの組織の固さをとるには、鍼が有効です。邪魔している場所に何度も打つことで、繊維の固さがとれてきます。

 手術後の痛みも、我慢する必要はありません。まずはストレッチを試して、それでも痛みが残る場合には、いつでもご相談下さい。

2016年

1月

06日

膝関節の治し方

 膝関節痛は、年齢とともに増えてくる症状です。
 一般的に、膝痛といえば、すぐに変形性膝関節症かと言われますね。膝の軟骨がすり減って変形する症状です。

 しかし、膝痛の原因はそれだけではないようです。
 あまり変形していないし、水も溜まっていないのに膝が痛む人も少なくありません。そうした方の治療は、どのようにすれば良いのでしょうか。

■治療は、膝関節の正常な動きを回復すること!

 膝関節は、実はかなり特殊な関節です。二つの骨が向き合うという単純な構造ながら、180度近くの屈伸範囲、滑りと転がりを同時に行うという動きは、この関節だけのもの。滑り移動する距離の大きさも、全身の関節で最大です。
 問題は、この滑り移動の障害で発生します。

 膝関節の曲がりは、すねの骨(脛骨)が後ろに向かって滑ることによって実現されています。
 しかし膝の痛む方では、すねの骨が十分に移動せず、途中で止まったり、抵抗が強くなる方が多いのです。これは関節周辺の癒着によるもので、関節が不自然な動きを起こすことで、痛みを発生します。
 また、関節の内側や外側の一方だけが移動せず、すねが微妙にねじれて痛みをだしているケースも。

 

 このような症状は、膝関節周辺の癒着を取り、正常に動くようにすることで改善されます。不思議な事に、変形性膝関節症と言われた方でも、関節の動きを改善することで、痛みが軽減したケースは少なくありません。

■自分に合った治療を続けましょう

 膝痛には、様々な治療法があります。
 いわゆる膝強化運動や、サポーター。整形外科の治療では、痛みを起こしている膝にヒアルロン酸を注射する方法などがあります。

 自分なりに試してみて、効果のなかったものはやめ、効果のあったものを続けて使うことをおすすめします。

 もし、納得のゆく治療に出会えない時には、膝関節の癒着が原因かもしれません。膝関節の動きを回復させる治療も、選択肢に入れてみて下さい。

2015年

12月

15日

仙腸関節の調整を補助する、股関節操作

 前回、身体の下から上に向かって影響が及ぶという話を書きました。この話は、仙腸関節でも有効です。

 仙腸関節の動きが、極端に悪い人に出会うことがありますね。また、ある程度、仙腸関節の動きを感じ取れるようになると、仙腸関節の一部だけ(とくに前の部分!)がうまく動かないケースにも、出会うことがあります。

 このような時、力任せに動かすのはリスクが大きく危険です。仙腸関節の形状を考え、動きを触知しながら方向を変えて操作することで、こうした場合でも治療を行うことができます。

 ところが、方法によっては、もっと短時間で動きを回復することもできます。
 その方法とは、股関節を徹底して調整すること。

 股関節の可動域を拡げ、周辺の筋肉の癒着・緊張をとると、急に仙腸関節が動き出すことが多いのです。
 股関節を動かす筋肉は多くが腸骨から起始していますし、大腰筋のように仙骨の上から起始するものもあります。これも、筋肉を通した連鎖の一つであると考えています。

2015年

12月

12日

なぜ、痛みや不調は連鎖するのか(2)

 前回の続きです。

④筋膜、皮下組織の動きによる連鎖
 このところメディアでも注目の筋膜。
 人間の全身には、筋膜という膜状の組織があります。筋肉一本一本を包む個別の筋膜から、全身を包む、全身タイツのような筋膜まで。
 また、皮膚・皮下組織も全身を包んでいます。

 この筋膜や皮膚は、身体の動きに合わせて伸びたり動いたりします。例えば肘を曲げると、腕の外側の皮膚や筋膜は、曲がった分だけ伸びたり動いたりしなくてはなりません。

 そこで、一箇所の動きが悪くなると、その部分とつながっているところは動きにくくなるのです。

⑤神経の走行による連鎖
 前回も書いたとおり、神経は脳から全身の末端までを結んでいます。その途中のどこかで神経に障害が発生すれば、その部分から先の全部が影響を受けます。

 当然ですが、この影響は中枢から末端に向かい、その逆はありません。

⑥自律神経を通した連鎖
 これは、厳密には連鎖とは少し違いますが…。

 前述したとおり、AKA(関節運動学的アプローチ)は、仙腸関節を非常に重視しており、この部分を調整することで、全身の痛みや動きに改善が見られるとしています。

 私自身も見たことがありますが、確かに仙腸関節の調整だけで別個所の痛みが減少し、可動性が改善するケースがあります。

 その一方で、痛みは減少しても、その場所の癒着などは残っていました。構造にまでは作用していないようです。

 とすれば、考えられるのは神経の作用。仙腸関節の痛みや緊張の緩和が自律神経に働き、全身の筋緊張を下げている、または痛みの閾値を上げている(知覚過敏を抑えている)のではないかという推論ができます。

 自律神経の作用なら、キーは仙腸関節だけではないはず。どこの治療であれ、痛みや歪みが消えれば、効果は全身に波及することになります。
 例えば、八起堂では足の調整であちこちの痛みを減らすことをやります。自分では①の「積み木の原理」のつもりですが、この自律神経の問題もいくらかは作用しているのかもしれません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 こうして二回にわたって書いてきましたが、関連を追求するにも、いろんな方法があるわけです。

 私がいつも意識しているのは①、②、④。ときどき利用するのが③と⑤で、⑥を意識して使うことはありません。この辺りは、治療する人の感覚や方針、価値観によります。

 治療の選択肢は多彩で、自由度があります。あの手この手を使って、より効果の高い治療を模索するのも、治療家の楽しみの一つですね。

2015年

12月

08日

なぜ、痛みや不調は連鎖するのか?

どこかが痛い時、痛い部分だけを治療しても、なかなか治りません。身体の各部にはつながりがあり、痛い部分と原因が別の場所にあることが少なくないからです。
 こうした現象が起こる理由は、いくつか考えられます。

①「積み木の原理」
 下においてある積み木が傾いていたら、どんなに注意して重ねても、上の積み木は傾きますね。同じように、足などに歪みがあると、上にある部分も歪みます。

 例えば、足関節の癒着で足裏が傾いてしまっている場合、内外の膝関節の一方に偏った荷重がかかって、膝を痛めることが多いのです。
 また、つま先の上がりが悪い人は体重が後ろに偏り、バランスをとるために上体を前に移動、猫背になって腰痛を起こす、というような関連もあります。
 こうした膝痛、腰痛の治療には、足関節の調整が欠かせません。

②筋肉を通した連鎖
 筋肉は、骨を引っ張ることで関節を動かしています。ところが筋肉は、単一の動きだけをするわけではありません。

 例えば母指を動かす長母指伸筋は、尺骨と母指をつないでいます。母指を背屈する時には、親指を尺骨側に引っ張る…手首を外旋させる力も発生しているわけですね。
 母指の根元が不調でこの筋肉が強く緊張すると、前腕外旋の力が連続して発生します。それを打ち消すためには、前腕を内旋する筋肉を緊張させてバランスを取らなければなりません。

 つまり、一つの場所の不調は筋肉の緊張を作り出し、その筋肉とバランスをとる筋肉、さらにその筋肉とバランスをとる筋肉と、連鎖して不調が伝わると考えられます。

 この連鎖は、末節から体幹部に向かうことが多いです。
 理由の一つは、体幹部に近い筋肉の方が微妙な調節が不得意で、歪みに適応しきれないからではないかと考えています。
 もう一つ。筋肉の末端側は骨と一点で接していますが、体幹側は幅広く、あるいは二頭筋、三頭筋のように複数の骨にまたがっていることが多いです。その骨の間で不均衡が起こっている可能性もあります。

③神経の混線による連鎖
 私達の身体は、神経を通して脳とつながり、感覚を伝えたり、運動の司令を受け取ったりしています。ところがこの神経、混線することもあります。

 ある場所に不調があったとして、感覚神経の伝えてくる場所と、運動神経の向かう場所がズレていれば、当然おかしな位置が緊張したりしますね。混線の起こりやすい、神経の枝が近いところで不調が連鎖することになります。

 人間の感覚は場所によって精度が違います。指先ではミリ単位かそれ以下の精度でわかりますが、肩や背中は鈍く、5,6センチのズレがわからないことも。肩こりや腰痛が発生する理由の一つは、こうした感覚の鈍さが、感覚・運動神経のズレを多発させるからではないかとも考えられます。

 太極拳やヨガなどが健康に良いのは、動作を通してこうした感覚のズレを修正してくれるからではないかと思うのですが、どうでしょうか?

2015年

12月

03日

膝から股関節痛を治す

 先日いらした患者さん。足の付根に強い痛みを訴えて、来院されました。股関節に痛みといえば、まずは変形性股関節症を疑います。

 股関節をいろいろ動かして、音を確認。これでゴリッというような摩擦音があると、関節の変型が進んでいる証拠ですが、摩擦音は聞こえませんでした。
 変形があまり進んでいないか、関節変型以外の理由による痛みだということになります。

 動かしているうちに、股関節よりも下、膝関節に違和感を感じました。動きが鈍く、完全伸展しても僅かに曲がりが残って、一直線にならないのです。
 これは膝の狂いが股関節に及んでいるか、と膝関節をTAMで治療しました。
 膝関節周辺の皮下組織の癒着を解消、ついでずらし法、ねじり法で関節包・靭帯の癒着を解消して、伸びるようにしました。もちろん、足関節の歪みも治療します。すると、その場で痛みが軽減しました。

 二週間後の再来院でも「股関節の痛みは楽になった」と、普通に歩いていらっしゃいました。

■影響の向かう方向

 痛みや不調の原因は、いつも痛みのある部分にあるとは限りません。別の部分からの影響で、痛みが出ていることが多いのです。ですから、治療も一部だけではなく、関連する部分から治療することで効果を上げることができます。

 八起堂治療院では、膝の治療をする時には、足関節を治療します。肩を治療するには肘や、手首を治療します。末端から中心へ向かう方向で影響が及ぶことが多いからです。
 東洋医学でもこうした傾向はあって、手首周辺に重要なツボ(原穴)があったりします。

 その一方、私が昔学んでいたAKA(関節運動学的アプローチ)では、仙腸関節(骨盤)から、全身に影響が及ぶとして、仙腸関節の治療を再優先にしていました。
 筋肉の硬結を狙って鍼を打つ、トリガーポイントアプローチでも、トリガーポイントは、痛みの場所より上にあることが多いとしています。

 次回、こうした上から・下からの影響について、もう少し書きます。

2015年

11月

29日

TAM手技療法講座の形式変更について

 これまでTAM手技療法の講座は、初歩のTAM講座と、足のTAM講座TAM総合講座の3つに分けて講座を行ってきましたが、簡略化を図って、講座形式を変更することにしました。

 これからは、TAM初歩講座(前・後編)と、TAM自由講座の2つになります。

 変更の主な目的は2つ。
 一つは、受講者から、希望する場所の技術を集中的に学びたいという希望があったこと。なんでもそうですが、興味のあることを学んだほうが上達が早いものですから。

 もう一つは、TAMの技術も常時変化し続けているので、(最近は、筋肉関係の技術が大きく変化しています)、固定したテキストを使いつづけるのが難しかったことです。それなら、テキストを使わず、常に最新の技術をお伝えするほうが良いかということで、この形式になりました。

①TAM初歩講座
(前編)
 TAMの原理と感覚、簡単な基本技法を学ぶ講座です。全くの初心者が対象で、TAMについての大体のイメージを作ってもらうことを目的としています。

 具体的な技術を通して、テンションとモーションの感覚、癒着のとれる感覚を掴んでもらうことを目的としています。

(後編)
 簡単な実践講座です。全身への技術の中から、とくに使いやすく効果の高いものを選び、お伝えします。

 この後編を飛ばして、そのまま自由講座に移行していただくことも可能です。

②TAM自由講座
 受講者の希望内容について、2時間単位で行う講座です。
 受講希望に関しては「足」「仙腸関節」などの部分的なものから、「肩こり」「腰痛」といった、症状別のものまで。

 回数制限もないので、必要なところを必要なだけ受講していただくと良いかと思います。

 詳しくは、左のボタン「TAM手技療法講習講習会情報」からどうぞ。

2015年

11月

13日

アインシュタインに学ぶ、治療院の選び方

 かのアインシュタインは言ったそうです。
「同じことを繰り返しながら、違う結果を求める。これが狂気だ」

 同じことをやれば、同じ結果が出る。一度やってみてダメだったことは繰り返さず、どこが悪かったのかを考えて試行錯誤すべき、という意味です。

 なんでこんなことを言ったかというと、時々患者さんからこんな話を聞くからです。
「◯◯の治療に、週3回、1ヶ月通ったけど、何の変化もなかった。でも、根気よく通って下さいと言われた」

 …よく我慢されたと思います。

 適切な治療なら一回目、遅くとも三回目までには、何らかの効果が出るものです。三回やっても全く効果が見られない場合は、その治療を続けても治る可能性はきわめて低い。だから本気で治療をする人間は、自分の持っている限りの技術を尽くして、有効な方法を見つけ出そうとするものです。

 逆に言えば、漫然と同じ治療をしながら治るのを待っているだけ(時間がたてば、勝手に治る症状もあるから)の治療院なら、治療を受ける価値はありません。効果がないまま、同じ治療が何回か続いたら、その時点で遠慮なく見切りをつけるべきです。

 長く通い続けて欲しいというのは、治療院の営業上の問題。患者がそれに付き合う必要はないのです。

付記
 冒頭の言葉は、アインシュタインの言葉ではないという説もあるようです。残念ながら、どちらとも確認はできませんでしたので、そのままアインシュタインにしておきます。

2015年

11月

10日

NHKの、腰痛特集ページを見てください

 このところ、NHKが熱心に腰痛の情報を発信しています。

 数カ月前には、「腰痛のほとんどに故障はなく、ビデオを見て知識を得るだけで治る場合がある」という話を紹介していました(NHKスペシャル「腰痛・治療革命」)。

 つい先日は、わずか三秒の腰痛体操を毎日行うことで、慢性腰痛を解消できるという話をしていました(「団塊スタイル」)。

 腰痛をめぐる治療や研究は、この数年間で大きく変化しています。例えば昔は、腰痛は椎間板ヘルニアなどの組織損傷によるものとしていました。しかし現在では、多くの腰痛には損傷はないことがわかっています。
 また、原因の一つがストレスであることも、広く知られるようになりました。

 腰痛は、昔考えられていたような、治らない症状ではないことが、はっきりしてきたのです。

 実際、私の経験から見ても、腰痛の治療はそんなに難しいものではありません。八起堂治療院にいらっしゃる患者さんでも、初回で痛みが半分以下になる方がほとんどです。中には、すぐに治ってしまう方も。
 初回の治療で改善が見られないような難治性の患者さんは、10人に1人もいません。

 腰痛は「治らない、怖い」という恐怖があると、ストレスで、よけいに悪化するとのこと。

 腰痛は難しいものでも、怖いものでもなく、適切な治療さえすれば、簡単に改善できる。そうした知識が広がってゆけば、腰痛で悩む人はもっと減るはずです。

 先ほど書いたNHKの腰痛情報は、ネットで公開されています。腰痛でお悩みの方は、ぜひ御覧ください。

・リンク NHK・腰痛特集ページ

2015年

11月

04日

手首の痛み・腱鞘炎と予防について

 地味ながら辛いのが、手首の痛み。とくに楽器奏者など、手を器用に使う必要がある人にとって困る症状です。

 手首の痛みには、いくつかの原因があり、それによって治療方法を変える必要があります。

■腱鞘炎と、その予防方法

  まず見るべきは、痛みの部分に腫れ(膨れて熱い)があるかどうか。腫れがある場合には、何らかの炎症が起きている証拠。多いのは、腱鞘炎です。

 腱鞘炎は、使いすぎによって起きる症状です。指を動かす腱が、腱の通り道である腱鞘と擦れて、炎症を起こします。冷やして炎症を抑え、回復を待つことが多いのですが、本当に治すためには、手の使い方を変える必要があります。

 腱と腱鞘が擦れる力の大きさは、関節を曲げる角度で変わります。関節が真っ直ぐな時には、腱は腱鞘の中を通り抜けるだけですから、あまり強い摩擦は起こりません。

 ところが関節を深く曲げていると、腱は大きくカーブさせられるために、腱鞘に強く押し付けられてしまうのです。

 つまり腱鞘炎を防ぐには、手首などを深く曲げたまま動作するのを避けるのが一番ということになります。腱鞘炎をよく起こす方は、手の使い方を見なおしてみるのがいいと思います。

 腱鞘炎そのものは、冷やしたり休ませたりするのが一般的な治療法。あまりにもひどい場合には、手術が必要になることも。

 腫れが引いたのに動きが悪い場合には、癒着が起きている可能性もありますので、治療が必要なこともあります。

 

2015年

10月

21日

技術屋として

 患者さんから良く聞かれる質問の一つが、
「先生は、自分が肩こりになったり、腰痛になったりしたらどうするんですか? 他の治療院にいくんですか?」
 というもの。

 答えは「思いついた治療法を試してみる」です。

 関節を限界まで動かしたり、筋肉を長時間かけて伸ばしたり、意識して緩めたり、鍼を打ってみたりと、いろいろためしてみます。時には、イチかバチかの方法を試みて、痛い目をみたりもするのですが…。

 患者さんの治療に使う技術は、安全が確信できるものでなければなりません。でも、自分で自分に試してみる分には、何をやってもOK(時には、妻が犠牲になることも)。
 技術を考え、実験するのは、それ自体が楽しみでもあります。

 

 自営業としての治療家には、2つの面があります。技術者・職人としての面と、経営者の面です。

 本当は両立した方がいいのですが、私はどちらかと言えば、技術に偏りがち。どうしたらもっと早く確実に治せるか、この技術でどんなことができるのかと、つい考えてしまいます。

 技術というのは、面白いものです。ひとりでコツコツやっていても、意味のあるものを発表すれば、見て下さる方、来て下さる方がいらっしゃいます。

 田舎の、町外れの自宅で、一人でやっている治療院。そんなローカルな店に、他府県から治療を受けに来て下さる方や、治療法の講座を受けに来て下さる方がいらっしゃるのはありがたいこと。

 この上は、技術屋として開き直り、好奇心を全開にして、いろいろやってみたいと思います。

2015年

10月

14日

曲がりにくい指の治療について

 先日から「指が曲げ伸ばしできない」という方の治療を続けて行う機会がありました。
 この症状にも、いくつかのパターンがあります。

・指の皮膚・皮下組織が癒着している場合。

・使いすぎなどによって、関節がズレている場合。

・リウマチや、骨折によって、関節が破壊されている場合。

 その他、ばね指など、腱の動きに障害があって、上手く動かない場合もあります。

 実際にはこうした症状が単一で存在することは少なく、複合的なアプローチで治療を行います。そうしたアプローチの中でもっとも有効なのは、皮膚の癒着解消。

 他のどの症状も、その過程では腫れを伴いますから、皮膚・皮下組織の癒着が発生します。癒着は抵抗となり、骨格が細く、力も弱いだけに、影響は大きく出ます。


 ということで、指が曲がりにくい場合には、まず指全体の皮膚・皮下組織の癒着を解消すること。それをきちんとするだけで、すぐに可動範囲は広がります。ついで関節のズレを修正、腱の動きを調整してゆくことで、かなりの指は曲がるようになります。

 関節の破壊が進んでいる場合には難しくなりますが、関節包や靭帯に余裕をもたせることで、多少は動きが戻ることもあります。

2015年

9月

27日

腰痛体操をするなら、足も鍛えて

「腰痛は、二本足で歩く人間の宿命だ」と言われることがあります。もともと4本足で歩いていた動物が、立ち上がったために内臓や骨格に負担がかかっているというのです。


 ただ、この言葉は事実ではないようです。

 以前、NHKが腰痛について調査した番組で、アフリカの草原に住む狩猟民族には、日本で言うような腰痛の人はいませんでした。たまに腰が痛いという人に会うと「木から落ちて、腰を打ったよ」だったり。


 この人達は、一日に数十kmも歩くような狩猟生活を行っていました。二足歩行の時間は我々よりもずっと多いのですから、二足歩行自体が、腰痛の原因ではないことを示しています。


■立っている時の、腰の負担は少ない

 腰の椎間板にかかる負担を計測した結果も、それを肯定しています。椎間板にかかる負担が一番少ないのは、寝ている時でした。これは当たり前ですね。

 次に負担が少ないのは、なんと立っている時。腰椎が直立しているために、筋力を使う必要が少なくなり、椅子に座っているよりも楽だったのです。


 現代の我々の生活は、座っていることだらけ。のみならず、もっとも腰に負担がかかる前かがみで作業することも少なくありません。つまり腰痛は進化の失敗ではなく、文明病だといえるのです。


■腰痛の予防には、足を鍛えよ!

 もう一つ、腰痛を防ぐ上で必要なのは、足の力。

 骨盤は、3つの骨で出来ていて、その柔軟性で歩くときの衝撃を吸収します。足の筋力が骨盤の両側で働いて、体重を支えているのです(図上)。


 しかし足の筋力が弱ると、骨盤を引く力が弱まり、体重を支えきれなくなります。骨盤の中央が下がり、全体の形も狭くなってしまいます(図下)。全体が四角い形になることから、四角骨盤と呼ぶ人もいます。

 この場合、左右の腸骨に支えられている仙骨は下がり、ズレやすくなります。これも、腰痛の一つの原因(私が腰痛の方を治療するときにも、まず下がった仙骨を持ち上げる作業をします)。

 

 こうした骨盤の不調を予防するために、必要なのが足の力。

 前述の狩猟民族の方々も、毎日長い距離を歩いているからこそ、腰痛と無縁でいられるのです。


 一般的に腰痛体操というと、腹筋や背筋を鍛えることがメインになっています。それも間違いではありませんが、同時に足を鍛えることを忘れてはなりません。ウォーキングなど、足の筋肉を鍛える習慣も、腰痛対策には必要です。


 まさに、足は健康の要、なのです。

2015年

9月

16日

現場の力…TAM講習会の話

 トヨタ自動車は、トヨタ方式と言われる生産管理法で有名です。

 そのトヨタ方式の生みの親、大野耐一氏が、工場で生産ラインの配置変えを指示した時のこと。指示通りにてきぱきと配置変えした部下たちを、大野氏は叱りつけました。
「なんで俺のいう通りにするんだ!」

 別に、矛盾することを言っているわけではないのです。
「現場の人間は、自分よりも現場のことを知っている。俺の指示に現場の知識を加えれば、もっと良いラインになるはずだ」
 というのが、大野氏の意図。

 TAM手技療法の講座をやっているときに、この話を思い出すことがあります。 

 TAMの治療で大事なのは、テンションとモーションによる癒着の解消です。治療すべき個所に適切に力がかかりさえすれば、どんな持ち方をしようが、動かし方をしようが構いません。
 しかし真面目な受講者さんほど、私のやるとおりにやろうとして一所懸命に苦労しています。

 そこでいつも、
「TAMの、癒着解消についてのイメージをもってください。そして、立つ位置とか、持ち方などは真似しないで、臨機応変に」
 と、繰り返しお伝えしています。

 先ほどの話で言えば、術者それぞれの状況が、現場にあたります。手の大きさや、患者さんの体格、重点を置く治療箇所などに合わせて、有効な施術方法は変わるはず。

 教えられることはすべて教えますし、質問にもできる限り応えます。でも治療家は、最後はみんな「一人一流」。いずれは改善を重ねて、自分だけの方法を持つようになってほしいのです。

 それをお手伝いするTAM講座でありたいと思っています。

2015年

9月

10日

2015年9月9日「ためしてガッテン」肩コリと筋膜の話

 昨日の「ためしてガッテン」。
 しつこい肩こりには「筋膜の癒着」が関わっているというのがテーマでした。

 筋膜とは、筋肉の表面を包む膜。不調が続くと、その筋膜が縮んで固くなったり、貼り付いて動きが悪くなったりします。
 番組では、筋膜を伸ばして、癒着による動きの悪さを解消する方法を紹介していました。

………

 トップページでも書いているように、八起堂治療院は、癒着を治す治療院です。

 最初に、組織の癒着を治療するTAM手技療法を発表したのが十年前。筋肉をぐいぐい押してほぐすマッサージが主流の時代で、癒着という概念は、まだほとんど知られていませんでした。
 それがテレビで扱われ、一般の人の目に触れるようになったことには、隔世の感があります。

 これから、単純にもみほぐすのではない治療が、広がっていくのではないかと期待しています。

 もっとも、今回のテレビで扱っていたのは、一つの筋膜の癒着まで。複数の筋肉間の癒着や、筋膜と同じ組織で出来ている、関節靭帯の癒着については、まだこれから。

 八起堂としても、もっと組織の癒着についての情報発信に力を入れたいと思います。

2015年

9月

09日

なんであの腰椎の形で、腰がねじれるのだろう

 今回の表題、一般の人にとっては
「腰がねじれるなんて、アタリマエじゃないか?」
 と思われるかもしれません。
 でも腰の骨、腰椎を見たら、きっと疑問に思うはず。 

 腰椎の棘突起(背中から触れる出っ張り)は、右の図のような構造になっています。下の腰椎に、左右から挟み込まれていて、横への動きは制限されています。人体の動きで言うと、前後左右に曲げることはできても、ねじりは制限を受けます。動けるのは、椎間板がわずかにズレる分だけ。

 私も何年か前は、そう考えていました(八起堂通信「腰はねじれない」)。 しかし、実際に人が腰をひねるのを見ていると、もっとねじれているように見えますね。では、どうしてそうなるのでしょうか?

 答えは、脊椎のカーブにあります。
 腰椎は下方に行くほど前に傾いています。つまり、斜めになっているわけで、この腰椎を左右に曲げると、斜めに動く分だけ上半身の方向が変わるのです。

 傾きの分を他の腰椎と骨盤で相殺すれば、回転運動だけが残って外見上は捻れの動きが発生することになります。

 実際のねじれは少なくても、脊椎のカーブと運動の組み合わせで、大きな見かけのねじれを作っているわけですね。
 もしも脊椎が一直線だと、このようなねじれは作れないわけで、人体というのは本当に良く出来ていると思います。

  これに気づいてから、腰痛などの治療手技がより効果的になりました。人体への理解が一歩進むと、その分だけ治療も進みます。まさに、知識は力です。

2015年

9月

03日

捻挫の痛みが続く場合

 先日、ブログを読んだ方から捻挫についての相談メールを頂きました。ご相談は「捻挫のあと、一ヶ月しても痛みが残っているが、どうしたらよいか」というものでした。

 八起堂は、捻挫後遺症の治療を得意としているので、こうしたご相談を頂くこともあります。その時の回答内容が、他の方にも有効かと思われますので、ブログに掲載することにします。

・捻挫とは?
 捻挫とは、靭帯が無理に引き伸ばされて、損傷する状態です。

 その部分の組織が完全に修復して、自由に動くようになると、捻挫が治ったということになります。一般的には、数週間で痛みが消えることが多いのですが、痛みが長引く場合には、いろいろな原因が考えられます。

①腫れ・むくみはないか?

 まず、まだ完全に修復していない可能性。

 傷めた個所を調べて、腫れ・むくみなどが残っていないかどうかを確認します。腫れ・むくみは、損傷した組織を運び出し、新しい組織を作るために血液・リンパ液が集まっている状態です。

 したがって、腫れ・むくみがある間は、まだ靭帯が完全に治っていないと考えて、強い負荷がかからないようにして治癒を待つことになります。

 腫れもむくみもない場合は、足の動く範囲を見て下さい。捻挫が治った後に残る後遺症は、2パターンあります。引き伸ばされて緩んでいるか、癒着によって固定・短縮しているかです。

②緩んでいる場合・固くなっている場合

 捻挫は引き伸ばされる損傷ですから、一時的に靭帯が伸びます。
 修復過程で動かし過ぎると、長いままの状態で修復が行われて、関節が不安定になることがあります。

 逆に、靭帯が癒着を起こした場合などは、動く範囲が狭まり、やはり関節の動きが歪みます。

 どちらの場合でも、運動軸が変わるので、回すと異音がすることがあります。

 左右で動きを比べ、動きの大きさを確認して下さい。
 捻挫側の方が明らかに動きが大きかったり、グラグラして安定が悪い場合は、伸びた靭帯がまだ締まってきていないと考えます。

 その場合は、動かすと靭帯が引き締まるのを妨げることがあるので、しばらく安静にして、靭帯が落ち着くのを待つことになります。

 捻挫側のほうが動きが小さかったり、動きに固さを感じる場合には、靭帯の短縮か、癒着による可動範囲の制限を疑うことになります。

 この場合は、TAMストレッチを行うか、通常のストレッチで可動域を確保することになります。

 それでも回復できない場合には、TAMなど、何らかの手技療法を受けることをおすすめします。

2015年

9月

01日

指が曲がらない、痛みがあるときの治療

 先日から、指が曲がらない・伸びないという患者さんを、続けて治療する機会がありました。

 指の構造は、骨(関節)と、腱、皮膚の3つが中心です。この3つのどれかが癒着などで動きが妨げられると、指がうまく動かせなくなります。

 このうち、皮膚が動かないことによる運動障害は、比較的簡単に治せます。

 皮膚による運動制限の特徴は、指関節周辺の皮膚の動きが悪く、曲げると張り詰めたようになること。

 この場合、皮膚をすべらせるようにして、動きを作ってやるだけで、曲げ伸ばししやすくなることが多いです。

 指で操作するのは難しいので、左右の手根で挟んで、交互に動かすようにします。力加減、動かす速さなどにコツはありますが、それほど難しいものではないので、少し練習するだけでできるはず。

 指の治療をすることになったら、試してみて下さい。

 腱の場合(バネ指)は、腱の通り道を点検して、ひっかかる場所を治療する方法があります。関節については、TAM手技療法では「ずらし法・ねじり法」などが有効です。

2015年

8月

22日

経絡と、治療ポイントの発見について

 前回、足首の関節が腰痛の原因になっていたという話を書きました。
 こうした、遠いところからの治療には、一つの法則性があります。それは、タテのつながり。

 たとえば、肩の動きが悪い人は、まっすぐ肘の外側に降りて、親指のねじれが原因だったりします。
 もっと極端な例では、寝違えの治療をしてもスッキリしないという人の緊張をたどっていくうちに足の甲に到達しました。そこを治療したところ「寝違えがスッキリした」と喜ばれたり。
 筋肉の連動か、あるいは皮膚の可動性の障害なのかわかりませんが、この「タテのつながり」は明らかに存在しています。

 実は、東洋医学では古くからこのタテのつながりを重視してきました。いわゆる「経絡」です。経絡は身体をタテに走り、頭部から手足の先にまでつながります。
 東洋医学では、この経絡を「気」が流れており、その気の流れを制御することで、いろんな症状が治療できると説きます。
 気の流れが実際にあるかどうかはわかりませんが、少なくとも経絡に沿った関連性が存在するのは事実。
 意識していると、治療ポイントを見つけるのに便利です。

2015年

8月

15日

腰だけ治してもダメ。足で治す腰痛

 先日、慢性腰痛の患者さんの治療をしました。腰の右側に、強い痛みがあるとのこと。試しに動いてもらうと、上体を右に倒すことが出来ません。右側の仙腸関節が、全く動いていないのです。

 腰痛治療の基本は、腰の可動性を改善して、腰部筋肉の緊張を減らすこと。
 そこで、腰椎と仙腸関節の固定をゆるめ、足の各部も調整しました。ついで左右の筋力のバランスをとったところ、曲げられる範囲が広がり、痛みもかなり減ってきたとのことでした。

 

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八起堂治療院連絡先

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4月

11日

ねんざの痛みが長引く原因は

  八起堂治療院は、ねんざ後遺症の治療を得意としていますので、捻挫についての問い合わせをたびたび頂きます。

 

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 「ねんざのあと、何ヶ月たっても腫れが引かなくて、気がついたら関節の動きが悪くなっていたんです…」

  という、長引いたねんざの後遺症です。

 

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2017年

3月

23日

原因不明の膝の痛み…足の歪みかも

 膝が痛むという方は、少なくありません。

 こんなとき、病院ではまず、膝軟骨の状態を見ます。軟骨がすり減っていれば、変形性膝関節症という診断がつきます。

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2017年

2月

14日

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