演奏家のための、手首・指の治療

ピアノを弾いていて親指が痛くなるのは

 ピアノ、バイオリン、フルート、ギター、マリンバ…
 八起堂には、様々な楽器のプロ演奏家が来てくださいます。それは、指や手首の関節を調整するため。

 手根骨や指の関節癒着を治療する治療院は、ほとんど存在しないため、遠くからいらっしゃる方も少なくありません。

ピアノでは、親指の「ねじれ」が問題に

演奏で傷めやすい手の関節・指の関節

 例えば、ピアノを弾く方では、親指の調整を依頼されることが多いです。

 図は、右手の骨格。
 ピアノを弾く方では、親指の動きが悪いとおっしゃることがよくあります。
 他の4指と違い、親指は横向き鍵盤を押すことが多いので、図の①、第二関節がねじれの力を受けます。そのねじれで、動きにくくなっていることが多いのです。

 また、長く演奏してきた方の場合は、②の大菱形骨が引っかかって、動きが制限されていることもあります。痛みが出やすいので、腱鞘炎と誤解されることも多いのですが、腱鞘炎よりは治りやすいものです。

 指のねじれや、可動性を調べながら、正しく動くように調整すると、本来の動きを取り戻せます。

手が動きにくい時は、手首をチェック

 どの楽器でもそうですが、演奏では手首を酷使しますね。

 特定の指ではなく、多くの指の動かしにくいと感じる方では「手根骨」の動きが悪くなっていることがあります(上の図の③)。

 わずか数センチの範囲に、サイコロくらいの細かい骨、手根骨が8個存在します。単純な曲げ伸ばしだけではなく、掌をすぼめたりして柔らかく動かせるのは、この骨が少しずつズレるように動くから。この手根骨の動きが悪くなると、指の微妙な方向が変えにくくなるので、手先が不器用だと感じるようになります。

 手根骨は少しずつ固くなってゆくことが多いため、あまり自覚がないのが特徴です。気になるようでしたら、左右を比べるなどして、動きを確認してみてください。
 これも、ひとつひとつの骨をきちんと動かす施術を行うと、柔軟になってきます。
 

楽器によって異なる不調に対処する施術

 フルート演奏では、常に両手を右側に維持することで、肩などに負担がかかります。バイオリンでは、楽器を維持する左肩と、肘が大変です。
 八起堂では、使いすぎて動きの悪くなった関節の動きを改善することで、演奏者のお役に立ちます。

 気になる症状のある方は、ぜひ一度、ご来院ください。

八起堂治療院

 電話 080-3112-8738

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2019年

8月

19日

バレエと能、身体表現の違いと共通点

 バレエの公演を見たときに、最初に思ったのは、
「地面から離れたがってるなー」
 というものでした。

 バレエの表現は、ジャンプを多用しますね。ジャンプよりも長い滞空時間が必要なときは、男性によるリフト。あるいは、つま先立ちで身体を高く保った動き。とにかく地面に触れているところを少なくする動作の連続です。

 私達は、地に足をつけて生活しています。地面から離れることは、それ自体が普通でないことを示します。バレエという技法は、その地面から離れることで、非日常を表現しようとしたのでしょうか。
(これが宗教芸術なら、神に近づこうという意図かも、といえるのですが、バレエはあまり宗教と関わりなく発達してきたので)。

 比較して思い浮かんだのが、日本の「能」。
 能の動きはバレエと対照的で、狭い歩幅で、身体の上下動を極端に減らして動きます。
 普通に歩く時、人間の身体は上下に揺れるもの。揺れを無くし、滑るように動く表現は、やはり浮いている表現ではないかと感じます。

 洋の東西は違えども、人間の基本が立って歩くことであり、地面から離れることが非日常の表現になるという点は同じなのかもしれません。

 ところで、ふっと思ったのですが、有名な円山応挙の幽霊。
 足がありませんが、浮いている高さは、普通の人と変わりませんね。同じように立ちながら、足がない。このイメージも、能の動きから着想を得たのかも?

2019年

8月

05日

繰り返す足底腱膜炎の原因は?

 スポーツをしている人で、足の裏が痛む場合、多いのが足底腱膜炎です。足のアーチを支えている腱の膜(そのままですね)が、使われすぎてダメージを受け、痛む症状です。

 そうした人たちを見ていると、やはり足首が固い人が多いです。とくに、背屈が固い(つま先が上がらない)方が多い。

・衝撃を受け止める、ふくらはぎと腱膜
 ランニングをする時、接地の瞬間にかかる衝撃は、体重の三倍以上と言われています。足の腱は、それを支える役目を持っています。

 正常な人の場合では、その衝撃はふくらはぎの筋肉と、アキレス腱、そして足底腱膜の弾力によって分散・吸収されています。
 例えて言うなら、魚釣りの釣り竿のようなもの。柔らかく曲がることで糸(足底腱膜)にかかる衝撃を吸収し、切れるのを防いでいます。

 ところが、足首の固い人の場合には、接地した足が沈み込んだところで、関節が止まってしまいます。筋肉もアキレス腱も働くことができなくなるので、足底腱膜だけで衝撃を受け止めなくてはなりません。それが繰り返されることで腱膜が傷つき、炎症を起こしてしまうのです。

・つま先の高さで固さを確認する
 つま先の上がりの目安ですが、だいたい20度とされています。
 個人差はありますが、大体の目安は「つま先をあげた時、親指の付け根がくるぶしの高さまでくる」ところです。
 これより固い場合は、足関節が固く、それが足底腱膜に負担をかけている可能性があります。

 もちろん、足底腱膜炎の原因はそればかりではありませんが、何度も繰り返してしまうようなら、試してみて下さい。

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2019年

7月

11日

関節を鳴らさないほうが身体に悪い?

 前回、関節で音が鳴るのは危険ではないという話を書きました。
 危険なのは、音を出そうとして無理に強い力をかけることであって、音そのものは問題ない」という内容です。

 そこから一歩進めて「鳴らさない方が、身体に悪い」という説明をしたいと思います。

・音の原因は気泡。では気泡の原因は?
 関節の音が、気泡によるものであることは、動画レントゲンですでに確認されていますね。しかし、気泡というだけでは音の原因を説明したことに鳴りません。「なぜ気泡ができるのか」を、全く説明していないからです。

 動画レントゲンで見るかぎり、この気泡は一瞬で生まれて消えます。こうした気泡は、急激な圧力の減少で生じるもの。その圧力変化の原因を説明していないのでは、やはり説明が足りないと言えます。

・気泡は「貼り付き」がとれるときに出る
 八起堂では、関節内の貼り付きが気泡の原因であると考えています。靭帯、関節包などの軽い貼り付きが、動かされたときに瞬間的にはがれ、気泡が発生して音が出ているのです。

 その根拠は2つの事実。

①指の関節で確かめるとよく分かるのですが、関節が鳴ると同時に、曲がりが深くなりますね。つまり、音とともに関節の可動域が広がっています。

②関節が一度鳴ったら、しばらくの間は動かしても鳴りません。

 ①は、関節の貼り付きによる運動制限が取れることを示していますし、②は、ある程度の時間がたって軽い貼り付きができるまで、音がしないことを示しています。

・動かさないことのデメリット
 音を鳴らさないように注意するのは、この軽い貼り付きを放置することになるので、長い目てみて、間接の可動域を狭めてしまう可能性があります。

 それよりも困るのが、音を出さないように注意するという行動そのもの。筋肉を緊張したまま保つことになるので、肩こりや腰痛を引き起こす可能性が高いのです。

 繰り返しますが、危険なのは「強い力で音を出そうとする」こと。
 自然に動いていて、音が出ることには問題がありませんし、ストレッチや、ゆっくりとした運動で、関節が鳴るのは、むしろ必要なことであるとお伝えしたいです。