①は内くるぶし(距腿関節)
ここが固くなると、つま先が内側に向く「かま足」になります。ルルベ(つま先立ち)がグラついて安定しません。
②足の甲の高い部分(距舟関節)
足の1~3趾につながる骨で、この部分が悪いと、足アーチが固くなります。足が外側に倒れやすくなります(ねんざ癖)。
③かかとと足首の継ぎ目(距踵関節)
かかとと足首のつなぎ目です。足の伸ばしやすさ、重心の位置を決める関節で、ここが固くなると、足が動かしにくいだけでなく、立ち姿にも関係します。
この三ヶ所を中心に全体を整え、動きやすい足にすることが必要ですが、歪んだ足の治療を行っているところはほとんどありません。
足の骨は、一つ一つが独特な形をしている上、関節も複雑です。とくに上述①の内くるぶしの部分は、通常のリハビリでは解消が難しいところ。
八起堂では、「TAM関節リリース」によって、それを行っています。靭帯の張り付きに特化した技術で足関節を精密に操作し、動きを改善してゆきます。
足の筋肉、とくに、ふくらはぎが固い場合もありますね。
足には何本もの筋肉が、並ぶように存在しています。そうした筋肉の間でも貼りつきが起こって、自由に動けないのが、固さの原因です。
また、筋肉の動きに偏りがあると、踏み込みや蹴りだしの力が偏り、運動の負担となります。
こうした場合には、筋肉それぞれが自由に動けるように調整する必要があります。八起堂では、TAM筋膜リリースと鍼を併用することで、筋肉の動きを回復させます。
正しく伸びる足先は、バレエ、ダンスの命です。しかし、長年の練習で足に歪みを抱えている人は少なくありません。
ダンスで問題になる足の歪みには主に2パターンがあります。
①つま先が伸び切らない
右の図のように、つま先が伸び切らない(甲が出ない)場合。
この場合は、足関節の可動域が減少していることが多いです。距腿関節の前後の動きを回復することで、伸び切らせることができるようになります。
②足先が内側に入る
いわゆる「かま足」になる場合。
足関節の内側、内くるぶし周辺が動かない場合です。外側だけが大きく動くので、つま先が内側に向いてしまい、立ちにくくなります。
内くるぶしの固さを取り、平均して動くように調整します。
足と、アスリートのパフォーマンスは切り離せません。足の歪みを取るだけで、動きやすくなったと喜んでいただくことが多いです。
少し前の話ですが、十数人の陸上選手に、施術前後で100メートル走の実測をしてもらったことがあります。おおむね施術後のほうが記録が良く、なんと二人の方が、その場で自己ベスト記録を更新。
「過去にケガをしたことがありませんでしたか?」と尋ねると、中学生時代のねんざを思い出されました。長い間、足の歪みで出せなかった実力が出せるようになったのでしょう。
アスリートの場合には、ふくらはぎの筋肉が固くなっていることも多いものです。足首を屈伸しつつ筋肉の動きを調べ、動きの少ない筋肉を中心に施術してゆきます。
①陸上選手の実例
「右足を前に踏み込んだとき、膝が外にブレて、体重がまっすぐに乗らない感じがします」
とのこと。
調べると、膝と足首に、わずかなねじれがあります。内くるぶしに癒着があり、足を踏み込んだ時に、足先が小指方向へ逃げていました。
癒着のために足首の内側と外側の沈みこみに差が生じ、膝の動く方向がズレていたのです。
そこでくるぶしの癒着をとり、まっすぐに動くように施術を行いました。
さらに調べると、足先を伸ばしたときに、わずかながら足先が内側に入ることに気付きました。いわゆる「かま足」です。 立って、地面を蹴る力を左右で比較してもらうと、
「右足は、蹴りの力が逃げる感じがします」
とのことです。
「かま足」も、内くるぶし周辺の癒着が原因となって起こります。蹴り出しに使う方向でも癒着をとり、踏み込み、蹴り出しを試してもらったところ、
「体重も乗りますし、力も入ります!」
とのことで、治療を終了しました。
②バレエダンサーの実例
「左足全体が痛み、思うように踊れない」とのこと。診ると、足の外側の筋肉が、上から下まで強く緊張しています。
立っている状態で重心線を見ると、足先がやや内側に向いています。足首を構成する骨の位置が、正しく並んでおらず、それを筋力で無理に支えている状態。これが筋肉の異常な緊張の原因でした。
初回は横方向のゆがみを取り、重心線を整えて終了しました。
二回目。初回の治療で足外側の痛みは大幅に減ったが、トウ(つま先)で立つときに、足首がグラグラして不安定だとのこと。
トウで安定して立つには、足関節を十分に底屈(つま先を伸ばす)させて、骨格で体重を支えることが必要です。ところがこの方では、足関節前面の癒着で底屈が不十分でした。
足関節の癒着を取り、十分に底屈できるようにしたところ、体重を骨格で支えられるようになり、楽に立てるようになりました。
最初から怖がらせるようで心苦しいのですが、足首の関節リリースは、痛いです。
関節リリース、筋膜リリースは、靭帯や筋膜の貼り付きを引き離す技術です。例えるなら、間違って貼り付けた絆創膏(ばんそうこう)を剥がすようなもの。
足の関節は靭帯が強く、貼り付きも固いために、施術時に痛みを感じやすいのです(なぜか、肩や膝の場合は痛みを感じない方が多いですが)。
施術を受けた方の中には
「先生の笑顔が、このときだけは鬼に見えます」(笑)
という方がいるほど。それでも施術の後は「我慢した甲斐がある」と言ってくださいますが…。
施術の力加減を弱くし、施術回数を増やすことで、痛みを少なくすることもできます。どうしても痛みに弱い方は、ご相談下さい。
時々、ねんざ直後の方からご連絡を頂くことがあります。
しかし、ねんざの治療は安静が基本。治療のためであっても、強い力をかけることは、腫れを長引かせ、治癒を遅くする可能性があります。
ねんざした直後は、まず病院に行き、骨折や靭帯断裂がないか確認して下さい。あとは修復中の靭帯に負荷をかけないように、おとなしくしているのが一番(足を上げておくと、腫れが引くのが早くなります)。腫れが引いたら、ゆっくりと動かして、リハビリ。
腫れが引いて痛みも消え、治ったと言われたあと、それでも違和感が残るようなら、八起堂治療院にご相談下さい。
八起堂治療院
メールはここをクリック→ hakkidou.tam@gmail.com
メールには、必ずお名前を明記してください。
また、返信メールが迷惑メールフィルタにかかって、返信できないケースがあります。
一日待っても返信が届かない場合には、改めて電話でのご連絡をお願い致します。
ねんざ後遺症について、全国からお問い合わせをいただきます。
しかし奈良は遠くて、なかなか行けないという方も少なくありません。そこで、ご自分でできるテストと、簡単な治療をご紹介します。この治療だけでもある程度の効果はありますので、どうぞお試しください。
人間の足が動く範囲は、上に20度、下に50度とされています。
目安を言うと、
「つま先をあげた時、指の付け根がくるぶしの高さまでくると20度」
「つま先を下げた時に、足の甲と脛骨が一直線になると50度」
と、覚えてもらうといいでしょう。これより狭い場合は、可動域制限の可能性があります。
動きが正しいかどうかの確認ですが、まずは片足立ちをしてみてください。きちんと立てないようなら、足首に歪みがある可能性があります。
ダンスやスポーツをする方の場合は、片足で立ったところから、かかとを浮かせてみてください。かかとを浮かしたところで不安定になるようなら、正しく動いていない可能性が高いです。
このストレッチは、TAM手技療法の動きを応用したもの。緊張と運動の2つの力を同時にかけることで、癒着に働きかけます。
ピンポイントを狙って治療することはできませんが、繰り返すことである程度の効果が期待できます。
1. 椅子に座り、治療する足を、反対側の膝の上に乗せる。
2.つま先を上げ、手で固定。そのまま足首を大きく回す。逆にも回転させる(写真1枚目と2枚目)。
3.つま先を下に曲げて手で固定。そのまま足首を大きく回す。逆にも回す(写真3枚目と4枚目)。
この操作で治療対象となるのは足裏の組織・指の屈筋腱と、足の甲の組織・指の伸筋腱です。
足首のみならず、ふくらはぎ(指を曲げる筋肉の一部があります)をほぐす効果もあります。
4.足の裏が内側に向くようにねじり、手で固定。そのまま足首を大きく回す(写真5枚目、6枚目)。
5.足の裏が外側に向くようにねじり、手で固定。そのまま足首を大きく回す(写真7枚目、8枚目)。
この操作で治療対象となるのは、脛骨(すねの骨)と、足の間の関節です。
写真では片手でねじっていますが、両手でつかんでねじるほうが固定は楽。
ねじりながら回すのは、最初は少し難しいかもしれません。手は固定したり、ねじったりだけを行い、回すのは足の力で行うと、比較的簡単です。
治療後も左右に差があったり、回している間につっぱる部分があるときには、このストレッチだけでは取り切れない不調があります。