仙腸関節の調整を補助する、股関節操作

 前回、身体の下から上に向かって影響が及ぶという話を書きました。この話は、仙腸関節でも有効です。

 仙腸関節の動きが、極端に悪い人に出会うことがありますね。また、ある程度、仙腸関節の動きを感じ取れるようになると、仙腸関節の一部だけ(とくに前の部分!)がうまく動かないケースにも、出会うことがあります。

 このような時、力任せに動かすのはリスクが大きく危険です。仙腸関節の形状を考え、動きを触知しながら方向を変えて操作することで、こうした場合でも治療を行うことができます。

 ところが、方法によっては、もっと短時間で動きを回復することもできます。
 その方法とは、股関節を徹底して調整すること。

 股関節の可動域を拡げ、周辺の筋肉の癒着・緊張をとると、急に仙腸関節が動き出すことが多いのです。
 股関節を動かす筋肉は多くが腸骨から起始していますし、大腰筋のように仙骨の上から起始するものもあります。これも、筋肉を通した連鎖の一つであると考えています。

お知らせ

休みなどは、ここでお知らせします。

八起堂連絡先

奈良市西大寺新池町3-10
電話 080-3112-8738
hakkidou.tam@gmail.com

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院長 池浦誠

厚生労働大臣認定マッサージ師、鍼灸師。
2005年、AKAなどの関節治療技術を研究し、TAM関節リリース法を創始。
2017年に技術指導DVD「関節リリース5テクニック」を上梓、治療と指導にあたっている。

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2019年

5月

13日

鍼治療による筋膜リリース

 八起堂は手技中心の治療院ですが、状況によっては鍼を使います。
 いわゆる東洋医学の鍼ではなく、靭帯・筋膜を対象とした鍼です。

 筋膜や靭帯が貼り付いて、動きが悪くなった部分。そうした部分に鍼を打つと、動きを改善することができます。筋膜が自由に動くようになることで、動きやすさが変わり、不調の回復に繋がります。

 以前はトリガーポイント(コリの中心)に鍼を打って緊張を緩める方法を使っていましたが、私にはこの筋膜リリース鍼の方が、感覚的に使いやすいです。八起堂の治療は、関節、筋膜などの動きを良くする手技が中心ですので、その施術と併用しやすいので、より効果的な治療ができるようになったと思います。

 ついでに言えば、トリガーポイント周辺には、癒着によって動きの悪い部分があることが多いように感じます。そうした部分に鍼を打つことでトリガーポイントの解消が見られることも多いので、トリガーポイントそのものが、組織の癒着と関連している可能性も考えられます。これから確認してゆくべきところですが…。

 癒着リリース鍼は、打つポイント(ツボ)を見つけるのが簡単で、効果の検証も容易です。鍼灸師の方で、興味のある方には、お伝えしてゆきたいと思っています。

 

2019年

4月

18日

スケート選手が引退してゆくわけ

 フィギュアスケート。氷の上で、回転、ジャンプと人間業とは思えないような演技をこなす、ウインタースポーツの花形です。

 私は仕事柄、選手の足を見ることが多いのですが、多くの選手を見ているうちに気づいたことがあります。

 どの選手も、デビューしてすぐの頃は、足のバランスがいいのです。とくに、印象に残っているのは、浅田真央選手。
 体幹からスケートのエッジの先まで、重心の線が一本に通っていて、無理な力がかかっていません。着地が少しズレても、柔らかい足首でスッと修正して、無理なく受け止めます。この正確さと、柔らかさがあってこその、神がかった演技だったと思います。

 しかし引退直前の演技では、普通に滑っているだけでも、足に力が入っているのがわかりました。足にダメージが蓄積し、ズレた重心線を、筋力で抑え込んでいたのです。

 これは他の選手も同様で、年月を経るに従って、重心線のズレを力で押さえ込むようになり、やがて限界を迎えて引退してゆきます。

・足へのダメージ蓄積を防ぐ方法は
 足の不調は、蓄積します。
 使いすぎの炎症、捻挫などのケガによる炎症が、足首の関節に癒着を発生させます。癒着は、きちんと解消しない限り残り続け、関節を固く、動きにくくしてゆくのです。

 予防には、まず炎症を防ぐこと。
 練習などのあと、熱を持っていたらアイシング。炎症の拡大を防ぐことが、癒着の予防になります。
 捻挫などのケガは、きちんと休んで炎症を拡大させない。治ったら、リハビリをきちんとして、動く範囲を回復させること。

 そして、定期的に足の関節をメンテナンスして、動きを妨げる癒着を解消するのが重要だと思います。

 もし、彼ら彼女らの足が固くならずに動き続けていたなら、もっと長く現役で活躍できたのではないかと思うと、残念に思います。

2019年

4月

04日

膝に溜まった水は、抜くべき?

膝を痛めたときに起こりがちな症状の一つが、関節に貯まる水。

 膝のお皿(膝蓋骨)の周りが膨れてくることで気が付きます。

「この水は、抜かない方がいいですか?」と、患者さんに聞かれることがありますが、結論から言うと「どちらでもいい」です。

・膝に貯まる水は「結果」
 膝の水は、炎症によって関節内に液体が貯まるものです。いわば炎症の「結果」であって、何かの作用をするわけではありません。
 水があるからといって悪化することはありませんし、逆に抜いたことで悪化することもありません。

「水を抜きはじめると、癖になるっていうから」と、処置を敬遠する方もいらっしゃいますが、もちろん、癖になることもありません。
 実際、お医者さんでも「どうしますか?」と患者さんの意思を確認するケースがほとんど。

 水の有無よりも、どういった理由で炎症が起きているかを知り、対策を取ることのほうが大事です。体重の増加や筋力不足が原因と考えられるなら、その対策をとる必要があります。

・膝の痛みは、足首から治す
 臨床的には、足首が固く、傾いているために膝を痛めるケースが多いと感じています。とくに、つま先を上げたときに、極端に外側に向かう場合は、歩くたびに足がねじれるので、膝の負担が大きくなります。
 足関節の動きを改善することで、膝の痛みが減る方は多いのです。