強く押しても、効かないです

 確定申告も終わって、ようやく一息つきました。忙しいのと重なって、ブログ更新が遅れてしまいました。来年は早く始めようと思います…と毎年言っていますが、毎年こんな調子ですね。

 さて。
 街のリラクゼーションマッサージなどで、事故が多い、というニュースがネットで出ています。多いのは、骨折と頚椎損傷。
 こうした事故の原因は、ひとえに「強すぎる」ことにあります。

■「強さ」の誘惑

 施術をしていて、うまく効果が出ない時、施術者は「もっと強くしたら効くのではないか?」と、つい考えてしまいます。ここで、強さの誘惑にのってしまうと、事故を起こします。

 効果が出ないときには、力を強くするのではなく、別の方法を試すことです。
 例えば指圧なら、押している場所や方向、速度、持続時間などを変えます。それでダメならリンパマッサージや、筋膜リリース、鍼灸、あるいはTAM(笑)にと、施術方法を変更する。それでもダメなら施術をやめて病院などを紹介することも。

 大事なのは、多くの選択肢を持っていることです。一つの症状をさまざまな面から見られることは、治療をする上でも、事故を避けるためにも必要。

 施術中の事故が、リラクゼーションやボディケアなどで多いのは、アルバイトスタッフが「一つの技術しか教えられていない」からではないかと考えられます。選択肢がないので、強くする以外の方法を思いつかず、事故に至ってしまう可能性が高くなるのでしょう。

■重要なのは「選択肢をもっていること」

 ここまで書いてきて、ふと思ったのですが、児童虐待もこれと同じ構図ではないでしょうか。

 虐待をした親の多くが「しつけのつもりだった」と言います。
 しつけにも、褒めたり、ルールを作ったり、ノせたりと、いろいろな方法があります。また、ある程度は理解して諦めることもあるはず。

 ところが、怒鳴る、叩くなどの罰を与える方法しか知らないと、子供が思い通りに動かないときに、罰を強くすることしか思いつけなくなります。エスカレートした罰は、やがて虐待に至ります。

 選択肢を複数持っていることは、とても重要なのです。

お知らせ

ゴールデンウィークは
4月28・29日、
5月5・6日
の日曜、月曜だけ、お休みをいただきます。その他は、通常通り営業を行っております。

八起堂連絡先

奈良市西大寺新池町3-10
電話 080-3112-8738
hakkidou.tam@gmail.com

メールの場合、こちらからの返信が、迷惑メールフィルタにはじかれることがあります。
一日待っても返信がない場合は、改めて電話でご連絡下さいますよう、お願い致します。

院長 池浦誠

厚生労働大臣認定マッサージ師、鍼灸師。
2005年、AKAなどの関節治療技術を研究し、TAM関節リリース法を創始。
2017年に技術指導DVD「関節リリース5テクニック」を上梓、治療と指導にあたっている。

ブログ最新記事

2019年

4月

18日

スケート選手が引退してゆくわけ

 フィギュアスケート。氷の上で、回転、ジャンプと人間業とは思えないような演技をこなす、ウインタースポーツの花形です。

 私は仕事柄、選手の足を見ることが多いのですが、多くの選手を見ているうちに気づいたことがあります。

 どの選手も、デビューしてすぐの頃は、足のバランスがいいのです。とくに、印象に残っているのは、浅田真央選手。
 体幹からスケートのエッジの先まで、重心の線が一本に通っていて、無理な力がかかっていません。着地が少しズレても、柔らかい足首でスッと修正して、無理なく受け止めます。この正確さと、柔らかさがあってこその、神がかった演技だったと思います。

 しかし引退直前の演技では、普通に滑っているだけでも、足に力が入っているのがわかりました。足にダメージが蓄積し、ズレた重心線を、筋力で抑え込んでいたのです。

 これは他の選手も同様で、年月を経るに従って、重心線のズレを力で押さえ込むようになり、やがて限界を迎えて引退してゆきます。

・足へのダメージ蓄積を防ぐ方法は
 足の不調は、蓄積します。
 使いすぎの炎症、捻挫などのケガによる炎症が、足首の関節に癒着を発生させます。癒着は、きちんと解消しない限り残り続け、関節を固く、動きにくくしてゆくのです。

 予防には、まず炎症を防ぐこと。
 練習などのあと、熱を持っていたらアイシング。炎症の拡大を防ぐことが、癒着の予防になります。
 捻挫などのケガは、きちんと休んで炎症を拡大させない。治ったら、リハビリをきちんとして、動く範囲を回復させること。

 そして、定期的に足の関節をメンテナンスして、動きを妨げる癒着を解消するのが重要だと思います。

 もし、彼ら彼女らの足が固くならずに動き続けていたなら、もっと長く現役で活躍できたのではないかと思うと、残念に思います。

2019年

4月

04日

膝に溜まった水は、抜くべき?

膝を痛めたときに起こりがちな症状の一つが、関節に貯まる水。

 膝のお皿(膝蓋骨)の周りが膨れてくることで気が付きます。

「この水は、抜かない方がいいですか?」と、患者さんに聞かれることがありますが、結論から言うと「どちらでもいい」です。

・膝に貯まる水は「結果」
 膝の水は、炎症によって関節内に液体が貯まるものです。いわば炎症の「結果」であって、何かの作用をするわけではありません。
 水があるからといって悪化することはありませんし、逆に抜いたことで悪化することもありません。

「水を抜きはじめると、癖になるっていうから」と、処置を敬遠する方もいらっしゃいますが、もちろん、癖になることもありません。
 実際、お医者さんでも「どうしますか?」と患者さんの意思を確認するケースがほとんど。

 水の有無よりも、どういった理由で炎症が起きているかを知り、対策を取ることのほうが大事です。体重の増加や筋力不足が原因と考えられるなら、その対策をとる必要があります。

・膝の痛みは、足首から治す
 臨床的には、足首が固く、傾いているために膝を痛めるケースが多いと感じています。とくに、つま先を上げたときに、極端に外側に向かう場合は、歩くたびに足がねじれるので、膝の負担が大きくなります。
 足関節の動きを改善することで、膝の痛みが減る方は多いのです。

2019年

2月

10日

膝が内側に入ってしまう症状の治療

 先日から、二人続けて、似た症状の方を拝見しました。

 お二人ともランナー。困っているのは、膝を曲げたときに、膝頭が内側に入ってしまうため、膝や股関節が痛くなって困っているとのことでした。

 拝見したところ、お二人とも、同じ原因でした。

 足首の内側、くるぶしのまわりが固くなると、その部分だけ動く範囲が狭くなります。
 足が地面に着地すると、足首は深く曲がりますね(背屈)。この時、内側があまり動かず、外側だけが大きく動くので、つま先が外側に向くことになります。
 といっても、足の裏は接地しているので、固定されています。そこで、かわりに脛の骨が内側にねじられ、膝が内側に入ってしまうというわけです。

 この場合の治療は、足首の正しい動きを取り戻すこと。関節リリースの技法でくるぶしまわりの組織をほぐし、内外の動きが揃うようにしてやります。
 幸い、お二人とも初回の治療で大幅に動きが改善し、膝が内に入るのを減らせました。あとは、仕上げをするだけです。

 足首まわり、とくに内側は、固くなりやすい部分です。
 もし、走ったり屈伸したりするときに膝が内側に入る場合は、一度関節リリースをお試しください。