ハイヒールを履いても外反母趾にならない方法

 ハイヒールが外反母趾を起こすのは、足先の締め付けによるものとされています。親指が、外側に向かって押しつけられるからです。しかし実際には、もう少し複雑なメカニズムがあります。

■指の筋力が、関節を変形させる

 足の親指を曲げる筋肉は、主に足の裏にあります。この筋肉が、腱を引っ張り、その先にある指を曲げるのです。
 この腱は、正常な状態では、指の真下を通っていて、まっすぐに指を曲げます。

 さて、ここで先のとがったハイヒールを履くとどうなるか。

 足の親指は、根本から大きく外側に曲げられ、腱の付着部も外側にズレます。こうなると、指を曲げるはずの筋肉の力は、ズレた腱によって指を内側に向けて引っ張ることになります。

 とくにハイヒールは、普通の靴にくらべて指先の加重が大きくなっています。普段より強い力が、足指を外側に曲げるために使われるのです。外側に引っ張る力は、曲がれば曲がるほど大きくなるので、外反がある程度まで進むと、一気に進行します。

■外反母趾を防ぐ歩き方

 それでも、ハイヒールを履きたいという方は、いくつかのことに気をつければ予防することができます。

 まずは、できるだけ先の丸い靴にして、つま先が締め付けられないようにすること。これは絶対。

 もう一つは、歩き方です。
 つま先を少し外に向け、足の内側を押し出すように一直線上を歩きます
 足の親指は、全ての指の中で、もっとも強く体重を支える指です。そのため、体重のかかる場所を支えるように動きます。

 つま先を外に向けた状態では、体重はかかとから足の親指側に抜けてゆきます。親指は、地面を強く蹴り出すために内側に向かって(指を開く方向へ)踏ん張る力が働きます。この力は、外反母趾を防ぐ方向に働くので、予防に効果的です。

 この歩き方の効用は、それだけではありません。つま先を少し外に向ける歩き方は、ハイヒールを履いた足を、最も美しく見せる歩き方とされているのです。

 キレイに見えて、しかも健康。この歩き方、練習して損はありませんよ。

 

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院長 池浦誠

1969年生まれ。
2003年に鍼灸師・マッサージ師の国家資格取得。
2005年に開業。同年関節リリース技法、TAM手技療法を発表。
2017年に技術指導DVD、「関節リリース5テクニック」を上梓、指導にあたっている。

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2019年

2月

10日

膝が内側に入ってしまう症状の治療

 先日から、二人続けて、似た症状の方を拝見しました。

 お二人ともランナー。困っているのは、膝を曲げたときに、膝頭が内側に入ってしまうため、膝や股関節が痛くなって困っているとのことでした。

 拝見したところ、お二人とも、同じ原因でした。

 足首の内側、くるぶしのまわりが固くなると、その部分だけ動く範囲が狭くなります。
 足が地面に着地すると、足首は深く曲がりますね(背屈)。この時、内側があまり動かず、外側だけが大きく動くので、つま先が外側に向くことになります。
 といっても、足の裏は接地しているので、固定されています。そこで、かわりに脛の骨が内側にねじられ、膝が内側に入ってしまうというわけです。

 この場合の治療は、足首の正しい動きを取り戻すこと。関節リリースの技法でくるぶしまわりの組織をほぐし、内外の動きが揃うようにしてやります。
 幸い、お二人とも初回の治療で大幅に動きが改善し、膝が内に入るのを減らせました。あとは、仕上げをするだけです。

 足首まわり、とくに内側は、固くなりやすい部分です。
 もし、走ったり屈伸したりするときに膝が内側に入る場合は、一度関節リリースをお試しください。

2019年

2月

06日

「揉みおこし」は、筋肉が傷ついている

 施術のあと
「ここの施術は、揉みおこしがでないのね」
 と言われることがあります。

 揉みおこしとは、あん摩・マッサージのあと、筋肉が腫れて痛むこと。これ、実は危ない現象なのです。

 私たちの筋肉は、水分を含んだ細胞です。例えるなら、スーパーで売っている鶏肉と、さほど差はありません。あの肉を、ぐっと押したら潰れますよね。
 私たちの筋肉も同じ。強く押せば細胞が潰れてしまいます。

 揉みおこしと言われているのは、強すぎる揉みで筋肉が潰れ、腫れている状態。打撲傷と同じようなものなのです。

 コリを治すはずが、筋肉を潰してしまう。しかも、何度も繰り返すと筋肉細胞ではなく、繊維質が増える「線維化」が進行して、組織そのものが硬化してしまう恐れもあります。

 それなのになぜ、揉みおこしを起こすような揉み方・押し方がなされているかというと、「固いものには、強い力で」と、本能的に考えてしまうからです。

 治療に必要なのは、本能よりも、正しい技術。
 もしどこかで施術を受けられたあと、揉まれたところが熱を持って痛むようなら、揉み方を変えてもらう方がいいでしょう。

2018年

12月

31日

膝が伸びない・曲がらない時は、前後の動きを改善してやります

 膝に関係するお悩みで、痛みの次に多いのが、「膝が伸びない」「膝が曲がらない」です。こうした曲げ伸ばしの問題の原因になっているのは、関節まわりの固さです。

 膝関節は、丸みを帯びた大腿骨(太ももの骨)の先を、脛(すね)の骨が、前後に移動することで、曲がったり伸びたりしています。
 このときに、膝関節がどのくらいの距離を動くかというと…なんと、10センチ近く。
 これだけの距離を動く関節は、人体のどこにも存在しません。

 膝関節が動かないときは、この動きが邪魔されています。そこで、3つの条件を整えて、動きを作ってゆきます。

①関節の靭帯・関節包の貼り付きをとる
 関節包は、関節を包んでいる袋。
 靭帯は、関節が動きすぎないように、制限する帯。
 どちらが貼り付いても、つっぱって動く範囲が狭くなります。靭帯、関節包の貼り付きには、関節リリースが有効です。

②周辺の皮膚の動きを改善する
 関節そのものが動いていても、周りの皮膚が動かないと、そこで止まってしまいます。皮膚を動かすマッサージによって、皮膚が軽く滑るようになると、曲がりやすくなります。

③太ももの筋肉を伸ばす
 筋肉が固くなっても、動きが悪くなります。この場合には、膝の上の筋肉に固く、伸びにくい部分があるか調べます。もし動きが悪ければ、ストレッチで伸ばしてやるのが有効。それでも伸びないときは、筋肉どうしが貼り付いている可能性があるので、筋肉の動きを改善します。

 なお、関節軟骨がすり減って動きが悪いとおっしゃる方も多いです。たしかに軟骨が減って炎症を起こすと、貼り付きが起きやすくなります。ただ、軟骨が減っていても、動く範囲を広げられることもありますので、どうぞご相談下さい。