新しい理論による、新しい腰痛体操

 腰痛対策として、昔から言われているのが「腰痛体操」ですね。
 昔から言われているのに「腰痛体操で腰痛が治った」という人は、多くありません。なぜでしょうか?

 それは、今までの腰痛体操が、古い理論に基づいているからです。

 

■腰痛の理論が変わった!

 何年か前まで、腰痛の原因は、脊椎(背骨)が傷んでいることだと考えられていました。そこで、腰のまわりの筋肉を鍛えて脊椎を守ろう、という腰痛体操が生まれたのです。

 しかし近年の研究で、腰痛の9割以上が脊椎に問題がないことがわかってきました。それどころか、多くの腰痛が、筋肉の緊張による痛みであるとわかっています。

 筋肉の緊張が原因ですから、緊張をゆるめる体操が必要です。

 

■緩める感覚を作る腰痛体操

 誤解のないように書いておくと、筋肉を鍛える事自体は悪くありません。鍛えた後に、筋肉をゆるめるのがポイントです。

 代表的な腰痛体操を元に、解説します。

 

 仰向けに寝転んで、膝を立てます。その状態で、背中を持ち上げるように、背筋にギュッと力を入れます。(この時、お尻を浮かせないように)。

 次に、息を吐きながら背中をストンと落とします。ゆっくりと息を吐き続けながら、背中の力が抜けてゆくのを感じます。そのまま、ダラーンとして10秒くらい。

 ある程度ゆるんだ感じがしたら、もう一度上げて、落とす。これを、何度か繰り返します。

 

 お尻を浮かせないようにするのは、背筋の緊張をわかりやすくするため。一度、背筋を強く緊張させることで、そのあと力を抜きやすくなります。

 脱力すると眠気が出ますので、眠る前が最適です。