「指が痛い!」の予防と治療

 同じ仕事をしている知人から、親指のTAM治療を頼まれました。じっとしていると痛みがないが、力を入れると痛むということ。見たところ、腱鞘炎のような腫れもありません。

 これは関節かな、と親指を軽く牽引しながら動かしていると、
「ギュッ」
 と音を立てて、関節が回りました。動かしてみると、痛みが取れています。指の関節が捻れた形で癒着していたのです。

■指は、横からの力に弱い
 彼がマッサージしているところを見ると、時々、親指を横にして使っているときがありました。

 指の関節は、握ったり開いたりという動きに合わせてできています。ものをギュッと握れるよう、前後に強い構造なのですが、横の力や、ねじれの力には弱いのです。

 そのため、指に横からの力がかかると、関節がわずかにズレます。もちろん、普通ならすぐに戻ってしまう程度のズレですが、あまり頻繁にズレると、関節に癒着が起きて、ズレたままになってしまうことがあります。 

 意外なところでは、パソコンの操作。親指でスペースキーを押すときには、大抵の人が横から押しますね。キーボードを強く叩きすぎるクセがあると、親指を傷めがちです。

 防ぐ方法は、横から強い力がかからないように使うこと。できるだけ指の正面から力がかかるように、持ち方、手の置き方を工夫して下さい。

■治療は、軽く、軽く
 治療は、関節部の癒着をとり、動きを回復すること。
 軽く牽引しつつ、曲げ伸ばししながら癒着を取ってゆきます。強すぎるとかえって痛めることもありますので、精密な操作が必要です。気になるところがありましたら、ご相談下さい。