腰痛は文明病

 腰痛は、人間に特有の症状。

 そのため
「腰痛は、二足歩行で腰に負担がかかるようになったからだ」
 と言われることがあります。

 本当にそうでしょうか? 

一日歩いても腰痛にならない人々

 以前、NHKの腰痛特集で、アフリカの狩猟採集民にインタビューしているのを見ました。

 毎日、数十キロを歩き足腰を酷使する生活。さぞや腰痛が多いだろうとインタビューしたところ、帰ってきた答えは
「腰痛って、なに?」
 でした。そもそも、腰痛の人がいなかったのです。

 

 なぜ、ずっと歩いていても、腰痛にならないのか。答えは筋肉の性質にあります。

人間は歩くように進化した

  筋肉はじっとしているのが苦手です。一つの姿勢でじっとしていると血管が圧迫され、血行不良を起こして痛み始めます。
 これが、肩こりや腰痛の原因。

 

 人間は進化の過程で、狩猟採集の生活に適応してきました。その基本は、長い距離を歩いて食べ物を探すことです。その習慣が、このような筋肉の性質を作り上げました。

 歩行などの軽い運動は、血行を改善してくれます。酸素や栄養分も十分に補給されるため、筋肉にとっては楽な状態なのです。 

 現代の私たちは、じっと立ったり、じっと座っていたりと、動かない生活をすることが多くなっています。

 腰痛は、じっと立っていたり、座っていたりしなくてはならない、私達の文化が生み出した文明病なのです。