オスグッド病の発生・再発を予防するには「尻で跳ぶ!」

オスグッド病を起こしやすい膝関節の構造

 

 オスグッド病の正式名称は、オスグッド・シュラッター病。スポーツをする十代の少年少女に多く発生する、軟骨の炎症です。

 ちょっと膝の構造を見てみましょう。長い骨を動かすのは、端についた一本の腱だけ。この腱を引っ張って、骨を動かすところを想像してみてください。すごく大きな力が必要な感じがしませんか? 長い棒の一番端っこを持って動かしている感じ。かなり大きな力が必要です。

 その大きな力が、腱と骨の接続部に繰り返しかかることで、成長期の軟骨が損傷し、炎症を起こすのがオスグッド病なのです。

 

使う関節で負担が変わる

オスグッド病を予防する膝関節の使い方

 では、膝の負担を減らすにはどうすればいいのでしょうか。

 簡単な実験を一つ。
 まず、真っ直ぐに立った状態から、身体を立てたままスクワットしてみてください。
 次に身体を前に倒しながら、椅子に座るような体勢でスクワットしてみてください。

 2つ目の、椅子に座る体勢でのスクワットのほうが、圧倒的に楽ではなかったでしょうか。

 二つのスクワットの違いは、使う関節(筋肉)の違いです。
 身体を立てたほうのスクワットでは、主に膝の力で身体を上下させています。それに対して、身体を前に倒したスクワットでは、股関節の力を使っています。

オスグッド病を予防する足の使い方

 膝の関節は、縄跳びでのジャンプのように、わずかに曲げた状態で効果的に働くようにできています。深く曲げたところから身体を持ち上げるのには適していません。

 一方、股関節は骨の構造上、深く曲げたところから力を出すのに向いています。関節を動かすお尻の筋肉も、もともと強い筋肉であるため、楽に持ち上げられるのです。

 したがって、大きな動きでは、意識的に股関節…つまり、お尻の筋肉を使うと、膝関節の負担が少ない上に、素早く動くことができます。

 ジャンプやスクワットだけでなく、剣道や空手など、一気に飛び込む動作を使うスポーツでも、膝を伸ばすのではなく、お尻の筋肉をメインに使うことを意識すると、速く動けるうえにケガも少なくなります。