「足ぺら」の研究 原因についての仮説と、対策のアイデア

「足ぺら」とは、フリースタイルフットボール(パフォーマンスとしてのリフティング)をやっている方に発生する、足関節の動きにくさのこと。

 

主となる症状は2つ。

①足先に力が入らず、落ちてしまうこと。

②足先が意図しない方向に動いてしまうこと。

 

足ぺらの原因については諸説ありますが、八起堂ではそれぞれ

①力が入らないのは、無理な筋肉の使い方をしているから

②意図しない方向に動くのは、足関節などの癒着によるもの

と考えています。


以下、それぞれの仮説にそって説明します。

①力が入らないタイプの足ぺら

このタイプの足ぺらは、

「足を保持する筋肉が、過度の負担で弱り、萎縮したため」

と考えられます。

その主な原因は、前後の筋力差と腓腹筋の構造です。

 

 

足先を上げる(背屈)前側の筋肉が、前脛骨筋と長趾伸筋。

足先を下げる(底屈)後ろ側の筋肉は、腓腹筋とヒラメ筋。ふくらはぎの筋肉です。

 

上げる筋肉は、下げる筋肉にと比べると極端に弱く、10分の1程度の力しかありません。

 

 

フリースタイルで使われる蹴り方の1つ、ちょんちょんリフティング。いわゆるちょんリフは、足を固定するために前後の筋肉を締めて固める使い方をします。

ところが前述したとおり、上げる筋肉と下げる筋肉には10倍以上の筋力差があります。足を固めている間じゅう、前の筋肉は極端な緊張を強いられます。

 

さらに、足先を下げる後ろの筋肉は、膝を伸ばすと引っ張られるように出来ているので、これも上げる筋肉の負担を増やします。 

 

筋肉は連続して力を出し続けるのが苦手です。筋肉が動くにも血液(酸素)が必要ですが、緊張させた筋肉は血管を圧迫するので、補給もできません。上げる筋肉は休みもなく、栄養や酸素も取れず疲労してゆきます。

 

疲労がある程度たまると、筋肉そのものが固くなって血行不良が慢性化し、力が出なくなります。さらに回復が遅れれば筋肉が細くスジ状になってしまうこともあります。

 

こうして弱った前の筋肉は十分な筋力が出せず、脱力状態になると考えられます。

とくに小指側を支える長趾伸筋は、指を動かす筋肉。前脛骨筋以上に弱く、疲れやすい筋肉です。そのため、外側が落ちやすいのです。

 

対策は?

上げる筋肉を筋トレで鍛えることも考えられますが、10倍以上の差を埋めるのはかなり難しいです。それよりも、負担を減らす蹴り方を考えるほうが有効です。

 

1.足首を固定するのをやめる

ちょんリフのように足首を固定する蹴り方をやめることで、前の筋肉の負担は確実に減ります。

振るように使うインステップキックで、大幅に負担は減ります。

 

2.腓腹筋をストレッチして伸ばす

これは比較的簡単な対策です。

ヒザを伸ばすことによって腓腹筋が踵を引っ張りますが、その度合は腓腹筋の長さに影響されます。腓腹筋が緩み、長くなるほど、足首に影響が出にくくなるのです。

 

3.ヒザを伸ばしきるのを減らす

ヒザを伸ばせば、腓腹筋が張って足先を落とします。そこでヒザを伸ばしきらないように使うと腓腹筋が緩み、上げる筋肉の負担を減らすことができます。

腰を少し丸くする(骨盤を後傾させる)ように使うと、ヒザを伸ばさなくても足先の角度を保てるようです。

 

 

②足先が意図しない方向へ動く足ぺら

キックで、最も負荷を受けるのは、足の伸筋支帯です(図の赤い帯)。これは足首の前にある帯で、足の前側にある筋肉の腱が浮き上がらないように押さえています。

 

とくにちょんリフでは固定によって強い力がかかっています。そこにキックの負荷が追加されます。

どんな組織でもそうですが、繰り返しの負荷を受けると炎症を起こします。炎症のあとは、タンパク質の沈着で、関節の癒着(貼りつき)が発生します。

 

関節の一部が貼り付くと、それがじゃまになって動く方向が変わってしまいます。

足先を回してみて、関節の可動域が狭くなっているようなら、貼り付きによる障害があると考えて良いでしょう。

 

・対策は

貼り付きを発生させないこと、貼り付きを取ることです。

 

①足首を固定するのをやめる

これは、上記と同じです。

 

②冷やす

炎症は、冷やすことで抑えられます。

練習後すぐにアイスパックなどで冷却することで、影響を最小限に抑えることが出来ます。

 

③動かす

一日に数回、最大限に足首を回す操作を行います。

貼り付きは初期の段階では軽く、大きく動かすことで解消できます。

何日も動かさないでいると、貼り付きが強化され、なかなか取りにくくなるので、こまめに動かすことが必要です。

 

④貼り付きを取る

ある張り付いてしまっている場合には、関節リリースで組織をほぐし、可動域を広げます。

  

八起堂でお手伝いできること

①の足先が落ちるタイプの足ぺらは、スタイルを変えてゆくしかないところがあります。

②の関節の可動域を広げることについては、八起堂の関節リリースがお役に立ちます。

足首の動きが悪いと感じるようでしたら、気軽にご相談ください。

 

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