前回、足が固くなるタイプのねんざ後遺症について書きました。
それとはまた別に、足首がゆるゆるになり、グラつくという方もいらっしゃいます。柔らかすぎて、すぐにグネってしまいそうになるというのです。
この柔らかすぎるタイプのねんざ後遺症も、貼り付きによるものだと言ったら、驚かれるでしょうか?
足に限らず、関節は自然に柔らかくなることはありません。では、どうしてゆるんでしまうのか。それは「動かないところがあるから」です。
足首の関節が正しく動いているときは、関節全体がまんべんなく動きます。ところが一部に動かないところがあると、それ以外の部分が、普通以上に動かなければなりません。
繰り返し大きく動かされた部分の靭帯は伸びてしまい、足首がゆるゆる・グラグラの状態になってしまうのです。
今までいらした方では、足の外側がゆるゆるになり、内くるぶしのすぐ下に動かない一点があるというケースが多く見られました。
テーピングなどでグラつきを減らすこともできますが、根本的に治すには固い部分をほどき、動きを正常化することが必要。
動きが正しくなると、緩んでいた部分が次第に締まってきて、安定してきます。
足首がゆるいと思ったら、内側に動きにくい部分がないか、確認して下さい。わかりにくければ、いつでも八起堂にご相談下さい。
詳しくは→足の治療
インピンジメントとは、衝突のこと。
関節を動かすときに、ひっかかったり、ぶつかったような痛みが出る症状を言います。
骨に原因があるタイプと、靭帯やスジに原因があるタイプがあり、この2つはレントゲンの診断で判別できます。
レントゲンで骨に異常がなければ、靭帯やスジに原因があるタイプ。このタイプは、関節リリースで改善が期待できます。
靭帯は、使いすぎの炎症や、捻挫による炎症の腫れが繰り返されると、貼り付きが起こる性質があります。関節を動かした時、貼り付いて固くなった部分が引きつれたり、ぶつかったりするので痛むわけですね。
関節リリースでは、角度を変えながら関節を動かす操作で、靭帯の貼り付きをとるので、改善が期待できるわけです。
関節を動かしていて、急に動きが止まったり、固い手応えで、動かすと痛いという患者さんは、よくいらっしゃいます。たいていは、貼り付きが取れると可動域が広がって、症状の改善が見られます。
インピンジメント症候群になったら、安静や筋力強化も重要ですが、もし骨に異常がないタイプでしたら、ぜひ一度、関節リリースをお試し下さい。
「足ぺら」とは、フリースタイルフットボール(パフォーマンスとしてのリフティング)をやっている方に発生する、足関節の動きにくさのこと。
主となる症状は2つ。
①足先に力が入らず、落ちてしまうこと。
②足先が意図しない方向に動いてしまうこと。
足ぺらの原因については諸説ありますが、八起堂ではそれぞれ
①力が入らないのは、無理な筋肉の使い方をしているから
②意図しない方向に動くのは、足関節などの癒着によるもの
と考えています。
以下、それぞれの仮説にそって説明します。
少し前、NHKで「人間って何だ?」というAI(人工知能)関連の番組をやっていました。その中で出てきた「過学習」の概念が面白かったんですよ。
AIに学習させるときにはディープラーニングという方法が用いられます。これは、AIに大量のデータを読み込ませ、分析させることで、学習をさせる方法。複雑な状況から結論を引き出すのが得意で、ものによっては人間以上の能力を発揮することもあります。
例えばAIに「イヌとは何か」を認識させるためには、たくさんの犬の写真を読み込ませ、判断させます。それに対して正解・間違いのフィードバック(結果を見ての修正)を何百万回も繰り返すうち、AIは自分で必要な条件を覚え、犬の画像を見分けられるようになります。
・過学習…丸覚えは使えない
AIに学習させる上で問題になるのが「過学習」です。わかりやすく言うと、データを丸暗記しすぎて、応用力がなくなること。
例えば、データの中に黒い柴犬の画像があったとします。AIはその画像を分析し、「毛が生えている」とか「牙がある」といった犬の判断に重要な特徴を読み込みます。しかし同時に「色が黒い」とか「耳が立っている」というような、重要でない特徴をも読み込むでしょう。
もしAIが、重要でない情報まですべて使って判断したら、ゴールデンレトリバーは、黒くない、耳が立っていない、という理由で「犬ではない」と判断されてしまいます。
ディープラーニングを成功させるには、どの情報が重要で、どの情報が重要でないか、AIがわかるようにプログラムすることが必要。研究者は、その対策に頭を絞るのだそうです。
・正解率を高める試行錯誤
では、どうやって重要性を認識させるか。代表的な方法の一つが「ドロップアウト」です。大まかに言うと、判断に使っている特徴のうち、いくつかをわざと使わなくすること。
たとえばA、B、C、Dという4つの特徴を判定に使っているとします。Aを使うのをやめて、B、C、Dだけで判断を行い、それでも正解率が高ければ、Aは重要ではないとわかります。逆にAを使わずに判断を行って正解率が下がれば、Aが重要だとわかりますね。
こうして使う情報、使わない情報をランダムに入れ替えながら試行錯誤することで、より正確な判断ができるようになってくるというわけです。
・上達のための試行錯誤とフィードバック
ディープラーニングは人間の学習をもとにしたものですから、こうした原則は人間でも同じです。丸覚えルーチンワークでは、何年繰り返しても上達しませんし、試行錯誤していても、結果が出るまでの間隔が長ければ、学びは遅くなります。
これは技術側の問題でもあって、技術を要素分解しやすい技術ほど、またフィードバックが早い技術ほど、学びやすいことを示しています。
ちなみに、TAM関節リリースは、要素の分解が明確で、結果がすぐ出る技術です。…と最後に我田引水(笑)
オスグッド病の正式名称は、オスグッド・シュラッター病。スポーツをする十代の少年少女に多く発生する、軟骨の炎症です。
ちょっと膝の構造を見てみましょう。長い骨を動かすのは、端についた一本の腱だけ。この腱を引っ張って、骨を動かすところを想像してみてください。すごく大きな力が必要な感じがしませんか? 長い棒の一番端っこを持って動かしている感じ。かなり大きな力が必要です。
その大きな力が、腱と骨の接続部に繰り返しかかることで、成長期の軟骨が損傷し、炎症を起こすのがオスグッド病なのです。
先日、水泳をしている方が、足の治療でいらっしゃいました。
足の方は関節リリースで治療したのですが、その際、水泳で肩甲骨をうまく使えないとおっしゃいます。
■肩甲骨の動きは、鎖骨で意識する。
肩甲骨は肩にある平たく大きな骨です。
上下左右、回転運動を行って、腕の動きを補助しますので、上手に使えるかどうかで腕の可動範囲は大きく変わってきます。とはいえ、見えにくい場所にあるため動きを意識しにくい骨でもあります。
そこで、鎖骨。肩甲骨は鎖骨によって胴体につながっているので、鎖骨を意識すれば、肩甲骨の動きをイメージしやすいのです。
例えば、右の肩甲骨を動かすとしましょうか。
首のすぐ下にある骨のへこみ。これが鎖骨の始まりです。その部分に左手の親指を当て、人差し指で右側の鎖骨に触れます。これで、指先で鎖骨の動きを感じることができます。
そのまま、右肩を上下や前後に動かしてみましょう。鎖骨が動いているのがわかると思います。
■鎖骨から先が、腕だと考えてみる
鎖骨の動きがわかったら、次は腕を動かします。ただし、腕と一緒に鎖骨が動くように意識してみてください。腕と鎖骨が一緒にうごくことで、腕の動く範囲が大きく広がっているのがわかると思います。
もっと言えば、鎖骨から先が腕だと思ってください。始まりの場所が首の下だ、と思うだけで腕の動きが変わってくるはずです。
…というようなことを、お客様に語って、動かしていただくと
「そうですね、ほんとに大きく動きますよ!」
と喜んでいただけました。
「そうでしょう、そうでしょう」
と言いながら、自分でもやってみたら、私の腕も、いつもより大きく動きます。偉そうに言っていながら、私も肩甲骨が使えていなかったようです。
思ったより使えていないのが、肩甲骨。一度試してみてください。
膝の痛みで悩む人は多いです。一般的には変形性膝関節症(関節軟骨のすり減り)が原因と言われることが多いですね。
しかし、すり減りによる腫れも摩擦音もないのに、膝が痛む方が少なくありません。そんな場合は膝の「ズレ」「ねじれ」をチェックすることをお勧めします。
■多いのは、外向きのねじれ
ズレ・ねじれがはっきりするのは、膝を深く曲げたとき。
膝の内側靭帯の動きが悪いために、脛骨(すねの骨)が、わずかに外側を向くケースが多いです。
関節の向きが変わることで、靭帯が本来なら引っ張られないはずの方向へ引っ張られて、痛みを発するのです。
また、私達の身体は、わずかなズレにも敏感です。そうしたズレを、筋肉に力を入れてカバーしようとするので、膝周辺(特に大腿部)の筋肉を緊張させ、筋肉の緊張痛や、トリガーポイントによる痛みを発生させるのです。
このようなズレを放置しておくと、靭帯や関節軟骨に負担をかけ、本当に変形を起こす原因になることも。
■膝を調整。同時に足関節の調整も必要
こうした場合、膝の内側の靭帯・関節包を解いて、まっすぐに曲がるようにしてやる必要があります。
また、膝のねじれが足関節の歪みから起きていることもありますので、足の調整も行うと、効果が長持ちすることが多いですね。
座っているのは、意外に腰に負担がかかります。立っているよりも二倍、負担がかかるという研究もあるほど。そこで、腰痛の予防になるように、腰に楽な椅子の選び方をアドバイスします。
■仕事には、前下がりの椅子を!
猫背になると、背骨にも筋肉にも負担がかかります。腰痛を防ぐには、腰が適度に反っていることが必要なのです。
そのために重要なのは、膝とお尻の高さです。膝の方が低いと、身体は前に傾きますね? すると腰に自然な反りが生まれます。
膝が低くなるよう、座面が前下がりになった椅子が、腰痛の予防には最適なのです。
とはいえ、会社などの備品の場合には、自分で選ぶことはできませんね。後ろ下がりになっている椅子で作業をする場合には、座り方を変えましょう。座面をやや高くして、浅く腰かけると、膝が下がって腰に自然なカーブが生まれます。
■後ろ下がりの椅子は、背もたれを使う
座面が後ろ下がりになっている椅子は、たいてい背もたれがついていますね。こうした椅子は、寄りかることを前提として作られています。
背もたれの位置が、意外に重要です。
やはり、腰に自然なカーブがあることが重要なので、寄りかかった状態で腰が軽く反るものを選んでください。
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