足のインピンジメント症候群

 インピンジメントとは、衝突のこと。

 関節を動かすときに、ひっかかったり、ぶつかったような痛みが出る症状を言います。

 骨に原因があるタイプと、靭帯やスジに原因があるタイプがあり、この2つはレントゲンの診断で判別できます。

 レントゲンで骨に異常がなければ、靭帯やスジに原因があるタイプ。このタイプは、関節リリースで改善が期待できます。


 靭帯は、使いすぎの炎症や、捻挫による炎症の腫れが繰り返されると、貼り付きが起こる性質があります。関節を動かした時、貼り付いて固くなった部分が引きつれたり、ぶつかったりするので痛むわけですね。
 関節リリースでは、角度を変えながら関節を動かす操作で、靭帯の貼り付きをとるので、改善が期待できるわけです。

 関節を動かしていて、急に動きが止まったり、固い手応えで、動かすと痛いという患者さんは、よくいらっしゃいます。たいていは、貼り付きが取れると可動域が広がって、症状の改善が見られます。

 インピンジメント症候群になったら、安静や筋力強化も重要ですが、もし骨に異常がないタイプでしたら、ぜひ一度、関節リリースをお試し下さい。

膝の「ねじれ」が、膝痛の原因になる場合

膝の痛みで悩む人は多いです。一般的には変形性膝関節症(関節軟骨のすり減り)が原因と言われることが多いですね。
   しかし、すり減りによる腫れも摩擦音もないのに、膝が痛む方が少なくありません。そんな場合は膝の「ズレ」「ねじれ」をチェックすることをお勧めします。

 ■多いのは、外向きのねじれ 
  ズレ・ねじれがはっきりするのは、膝を深く曲げたとき。
  膝の内側靭帯の動きが悪いために、脛骨(すねの骨)が、わずかに外側を向くケースが多いです。
   関節の向きが変わることで、靭帯が本来なら引っ張られないはずの方向へ引っ張られて、痛みを発するのです。

   また、私達の身体は、わずかなズレにも敏感です。そうしたズレを、筋肉に力を入れてカバーしようとするので、膝周辺(特に大腿部)の筋肉を緊張させ、筋肉の緊張痛や、トリガーポイントによる痛みを発生させるのです。

  このようなズレを放置しておくと、靭帯や関節軟骨に負担をかけ、本当に変形を起こす原因になることも。

  ■膝を調整。同時に足関節の調整も必要
  こうした場合、膝の内側の靭帯・関節包を解いて、まっすぐに曲がるようにしてやる必要があります。
  また、膝のねじれが足関節の歪みから起きていることもありますので、足の調整も行うと、効果が長持ちすることが多いですね。