2018年
12月
31日
月
膝に関係するお悩みで、痛みの次に多いのが、「膝が伸びない」「膝が曲がらない」です。こうした曲げ伸ばしの問題の原因になっているのは、関節まわりの固さです。
膝関節は、丸みを帯びた大腿骨(太ももの骨)の先を、脛(すね)の骨が、前後に移動することで、曲がったり伸びたりしています。
このときに、膝関節がどのくらいの距離を動くかというと…なんと、10センチ近く。
これだけの距離を動く関節は、人体のどこにも存在しません。
膝関節が動かないときは、この動きが邪魔されています。そこで、3つの条件を整えて、動きを作ってゆきます。
①関節の靭帯・関節包の貼り付きをとる
関節包は、関節を包んでいる袋。
靭帯は、関節が動きすぎないように、制限する帯。
どちらが貼り付いても、つっぱって動く範囲が狭くなります。靭帯、関節包の貼り付きには、関節リリースが有効です。
②周辺の皮膚の動きを改善する
関節そのものが動いていても、周りの皮膚が動かないと、そこで止まってしまいます。皮膚を動かすマッサージによって、皮膚が軽く滑るようになると、曲がりやすくなります。
③太ももの筋肉を伸ばす
筋肉が固くなっても、動きが悪くなります。この場合には、膝の上の筋肉に固く、伸びにくい部分があるか調べます。もし動きが悪ければ、ストレッチで伸ばしてやるのが有効。それでも伸びないときは、筋肉どうしが貼り付いている可能性があるので、筋肉の動きを改善します。
なお、関節軟骨がすり減って動きが悪いとおっしゃる方も多いです。たしかに軟骨が減って炎症を起こすと、貼り付きが起きやすくなります。ただ、軟骨が減っていても、動く範囲を広げられることもありますので、どうぞご相談下さい。
2018年
12月
02日
日
前回、足が固くなるタイプのねんざ後遺症について書きました。
それとはまた別に、足首がゆるゆるになり、グラつくという方もいらっしゃいます。柔らかすぎて、すぐにグネってしまいそうになるというのです。
この柔らかすぎるタイプのねんざ後遺症も、貼り付きによるものだと言ったら、驚かれるでしょうか?
足に限らず、関節は自然に柔らかくなることはありません。では、どうしてゆるんでしまうのか。それは「動かないところがあるから」です。
足首の関節が正しく動いているときは、関節全体がまんべんなく動きます。ところが一部に動かないところがあると、それ以外の部分が、普通以上に動かなければなりません。
繰り返し大きく動かされた部分の靭帯は伸びてしまい、足首がゆるゆる・グラグラの状態になってしまうのです。
今までいらした方では、足の外側がゆるゆるになり、内くるぶしのすぐ下に動かない一点があるというケースが多く見られました。
テーピングなどでグラつきを減らすこともできますが、根本的に治すには固い部分をほどき、動きを正常化することが必要。
動きが正しくなると、緩んでいた部分が次第に締まってきて、安定してきます。
足首がゆるいと思ったら、内側に動きにくい部分がないか、確認して下さい。わかりにくければ、いつでも八起堂にご相談下さい。
詳しくは→足の治療
2018年
11月
28日
水
ねんざを何度も繰り返してしまう「ねんざ癖」。
スポーツ関係の方には、嫌な単語ですね。ねんざのたびに練習を休まなければならず、回復しても、またねんざするのではないかと気になって全力が出せなくなってしまいます。
・ねんざ癖は足首の「貼り付き」
ねんざ癖の原因を一言で言うと、足関節の歪みです。もっといえば、内くるぶしの靭帯の貼り付き。足の使いすぎや、ねんざなどのケガで足首が腫れたあとによく起こります。
この貼り付きがあると足の内側が動きにくくなり、つま先を伸ばしたとき、図のように足先が内側に向きやすくなってしまいます。
日常的には問題ない程度の歪みです。しかし、急な動きのときには、体重を真っ直ぐ受け止められないために、再びねんざを起こしてしまうのです。
ねんざ癖があるかどうかは、足を動かすとわかります。
まず、足の甲が真っ直ぐになるまでつま先を伸ばして、足先の向きを観察します。真っ直ぐになっているならOK。はっきりと分かるくらいに内側に向いていたら、危険信号です。
対策としては、足先が真っ直ぐに向けられるように、靭帯をストレッチする方法があります(筋肉ストレッチよりも時間をたっぷりかけるのがポイント)。
しかし、貼り付きそのものを自力で取るのは難しく、できれば関節リリースの施術を受けてほしいところです。
状態や、目指すところにもよりますが、八起堂治療院では数回程度の施術で、かなり軽減するケースが多いです。
2018年
11月
25日
日
来てくださったお客さんから
「左右の足の長さが違っていませんか?」
と、尋ねられることがよくあります。身体の歪みの目安として使われることが多いので、気になるのでしょう。
中には深刻な顔で「もう治らないんでしょうか?」とまで尋ねられる方も。
ご安心下さい。足の長さを揃えるのは、簡単です。しかも、誰でもできます。
・短い方を引っ張れば治る
足の長さが違うのは骨盤が歪んでいるから。
というと、大層に聞こえますね。
実際は、骨盤が傾いているだけです。原因は、筋肉の緊張が、左右で異なっているから。骨が変形しているわけではないので、縮んだ筋肉を伸ばしさえすれば、足の長さが揃います。
簡単に治すなら、筋膜リリースがおすすめ。仰向けに寝転がった状態で足の長さをくらべ、短い方の足を引っ張ればOKです。脇腹の筋肉が伸びるように、痛くない程度の力で引っ張ります。
コツは、時間の長さ。筋膜はゆっくり伸びるので、1分か、できれば2分間くらい引っ張り続けてほしいところ。
終わってから足の長さを比べれば、揃っているはずです。
・伸びたら、原因の見直しを
ただ、片方の筋肉が強く緊張していたからには、その原因があるはずです。足の長さを揃えるのは簡単ですが、また傾くのを防ぐためには、原因取り除いていきましょう。
骨盤を傾ける原因のほとんどは、左右の体重の偏りです。
単なるクセの場合もありますが、多いのは、片足に痛みがあって、十分に体重がかけられない場合。
ケガや古傷の痛みはもちろんですが、意外なところでは、魚の目や足の爪の痛みが原因になることも。
やや難しいのが、足の関節が原因の場合。ねんざの後遺症などで足首が固くなり、左右の足の動きが違うと、腰に左右差が出る場合があります。
椅子に座って足首を回してみたとき、左右で回り方が違う場合には、足首の関節がうまく動いていない可能性が高いです。こうした場合は、関節を柔らかくし、動きを回復する必要があります。
自分で解消しにくい場合は、八起堂の関節リリースにお任せ下さい。
2018年
11月
21日
水
インピンジメントとは、衝突のこと。
関節を動かすときに、ひっかかったり、ぶつかったような痛みが出る症状を言います。
骨に原因があるタイプと、靭帯やスジに原因があるタイプがあり、この2つはレントゲンの診断で判別できます。
レントゲンで骨に異常がなければ、靭帯やスジに原因があるタイプ。このタイプは、関節リリースで改善が期待できます。
靭帯は、使いすぎの炎症や、捻挫による炎症の腫れが繰り返されると、貼り付きが起こる性質があります。関節を動かした時、貼り付いて固くなった部分が引きつれたり、ぶつかったりするので痛むわけですね。
関節リリースでは、角度を変えながら関節を動かす操作で、靭帯の貼り付きをとるので、改善が期待できるわけです。
関節を動かしていて、急に動きが止まったり、固い手応えで、動かすと痛いという患者さんは、よくいらっしゃいます。たいていは、貼り付きが取れると可動域が広がって、症状の改善が見られます。
インピンジメント症候群になったら、安静や筋力強化も重要ですが、もし骨に異常がないタイプでしたら、ぜひ一度、関節リリースをお試し下さい。
2018年
11月
18日
日
ここしばらく、古武術や身体の使い方の記事を書いてきましたが、書き出したら、思った以上に書きたいことがあるのがわかってきました。
あまりに書きすぎると、何のホームページかわからなくなりますので、古武術関係の記事だけ別ブログに順次移行してゆきます。
ブログの題名は「古武術を脳と物理で考える」。
これからも、だらだら続けようと思います。
リンクはこちら →古武術を脳と物理で考える
2018年
10月
28日
日
フリースタイルフットボールをやっている方向けの話が続いてます。
正確なキックのために、足を固める。
しかし、もしガチガチになるほど力を込めて固めているなら、それは2つの意味で損をしています。
一つは、足を痛め、足ぺらの原因になること。
もう一つは、膝の動きが悪くなることです。
筋肉には、腱反射という性質があります。
「腱反射」とは、筋肉と骨をつなぐ腱が急速に引っぱられると、瞬間的に筋肉が緊張する反射です。有名なのが、いわゆる脚気の検査。膝頭の下を軽く叩くと、足が跳ね上がる、アレです。
これは、筋肉の長さを一定に保とうとする性質なので、足を固定する働きをしてくれます。
腱反射を使う場合は、力を入れて固めるのではなく、弱い力で一定の形に保っておくだけで十分。ボールが当たると、腱反射によって足を上げる筋肉が緊張し、自動的に足の形を保ってくれます。
腱反射を使うと、足にかかる負担が、かなり小さくなります。
基本的な緊張が少ない上に、緊張が強くなるのはボールが当たる一瞬だけ。しかも、腱反射を起こすのは足の前側の筋肉だけで、後ろの筋肉は反応しませんから、その分の負荷も減ります。
そして、膝の操作も楽になります。
足を固めるのに使う腓腹筋は、膝を曲げる筋肉でもあるので、その緊張が弱いことで、膝が楽に動かせるのです。
できるかぎり少ない力で、足を使うこと。結局は、それが一番の足ぺら予防になるようです。
さて、足ぺら関連の話は、今回で一区切り。コメントをいただいたり、思いつくことがあれば、また書きます。
門外漢の書くことで、的はずれなこともあったかと思いますが、気づかれたことなどあれば、ご指摘いただければ幸いです。
2018年
10月
27日
土
前回も書きましたが、足を上げる前側の筋肉と、足を下げる後ろ側の筋肉の筋力には、大きな差があります。試しに実験してみました。
足先に2リットルのペットボトルを載せて、持ち上げてみました。
一本は簡単に上がります。二本は重いと感じました。三本になると、相当重さを感じます。10回上げただけで筋肉に疲れを感じたので、終了。
合計6キロを、10回上げるだけで疲労する筋肉です。
後ろの筋力…かかとを上げたまま、片足でジャンプすることができます。私の体重は65キロ。これだけで10倍以上です。
かかとを上げたまま走ることもできます。ジョギングで足にかかる力は体重の3倍といわれますから、それを信じれば、片足で200キロも支えられる計算に。
ということで、前後の筋力差は、ざっと30倍以上ということになりました。後ろ側の筋肉が少し緊張するだけで、足先は簡単に上がらなくなります。
足の固定については、もう少し方法を考えてみる必要がありそうです。
ついでにいうと次の日、やはり伸筋支帯が痛くなりました…。
2018年
10月
26日
金
足ぺらになりにくい足の使い方について、自分でもいろいろ試しています。
とりあえず気づいたのは、かかとの使い方。
・つま先を上げないで、かかとを下げる
足は、くるぶしのところを中心に動いているので、つま先を上げるのも、かかとを下げるのも、見た目の動作は同じです。
ところが、かかとを下げる(伸ばす)ように意識したほうが、足は軽く動くのです。
確認したところ、ふくらはぎの筋肉の緊張が少ないようです。
かかとを下げるという動作が、ふくらはぎの筋肉を伸ばす方向になるので、緊張がゆるむのだと思われます。
前側の筋肉が働いているのは同じですが、ふくらはぎの筋肉が緩む分、前側の筋肉や伸筋支帯の負担を減らせるでしょう。
2018年
10月
25日
木
前回から、フリースタイルフットボール(以下、FSFと表記)で起きる障害、「足ぺら」について書いています。
前回記事のコメントで「ボールを蹴ろうとすると、足に力が入らない」というコメントをいただきました。
関節の動きが悪いために足が上げにくいこともありますが、それならボールがないときにも上げにくいはず。関節に問題がないのに力が入らないとすれば、筋肉の記憶による現象の可能性があります。
前回のが関節性の足ぺらだとしたら、これは、筋肉性の足ぺらですね。
・筋肉の習慣的緊張
繰り返し勉強したことは、記憶に残りますよね。神経回路は、使われる回数が多いほど太くなり、信号が流れやすくなります。だから繰り返したことは、思い出しやすいのです。
これは、筋肉の操作も同じ。何度も繰り返した動作は、脳に太い回路を作り、簡単にできるようになります。
ただ、良いことばかりではありません。筋肉を繰り返し緊張させていると、緊張させる回路が発達して、ちょっとしたことで緊張し、緩みにくくなってしまうのです。八起堂では「筋肉の習慣的緊張」と呼んでいます。
これが肩で起こると、肩こりになります。腰で起きれば、腰痛。
では足で起こると? 筋肉性の足ぺらになります。
FSFでは、足首を固定して操作する時間が長くなるので、足の筋肉に緊張の習慣が残りやすくなります。緊張するのは前も後ろも同じですが、前回も書いたとおり後ろ側の筋肉は前より何倍も強力。足が下がるように引っ張り続けるので、前側の筋肉が疲れ、保持するのが難しくなるのです。
足を上げるのが難しいと感じる方は、ふくらはぎを触ってみて下さい。もし、ふくらはぎが固くなっていたら、習慣的な緊張が原因になっている可能性が高いです。
・筋肉をゆるめる「半分くりかえし」トレーニング
筋肉を緊張させるのは、訓練しなくてもできます。しかし、ゆるめるには、練習が必要なのです。
そこで、筋肉の感覚を精密にすることで、ゆるめる練習をお知らせします。
①足の裏を、かべにピタッと付けた状態で座ります(長座)
②足先で、壁をグッと押します(片足ずつが楽)。
③数秒したら、押す力が半分になるように、力を弱めます。
④数秒後、さらに半分にゆるめます。
⑤数秒後、さらに半分に…というように、「半分、半分を」繰り返しながら、押す力をどんどん弱めてゆきます。
⑥最後に、押しているか押していないかわからないくらいの弱さになったところで終了。
これを数回繰り返します。終わったら、ふくらはぎの固さを確認してみましょう。最初よりも柔らかくなっているはずです。力の感覚に意識を集中することで、感覚が鋭くなり、緊張をゆるめられるようになってくるのです。
こうしたトレーニングを繰り返して後ろ側筋肉の緊張を減らせれば、習慣的緊張が原因の足ぺらは楽になってくるはずです。
とはいえ、いつまでも固さが残るようなら、関節の不調など、他の原因も考えられますので、ご相談下さい。
2018年
10月
24日
水
続きへのリンクを置いておきます
足ぺらの研究② 力が入らないタイプは
足ぺらの研究③ かかとを使う
足ぺらの研究④ 前後の筋力差は?
足ぺらの研究⑤ 足を固めるのに腱反射を使う
2018年
7月
25日
水
少し前、NHKで「人間って何だ?」というAI(人工知能)関連の番組をやっていました。その中で出てきた「過学習」の概念が面白かったんですよ。
AIに学習させるときにはディープラーニングという方法が用いられます。これは、AIに大量のデータを読み込ませ、分析させることで、学習をさせる方法。複雑な状況から結論を引き出すのが得意で、ものによっては人間以上の能力を発揮することもあります。
例えばAIに「イヌとは何か」を認識させるためには、たくさんの犬の写真を読み込ませ、判断させます。それに対して正解・間違いのフィードバック(結果を見ての修正)を何百万回も繰り返すうち、AIは自分で必要な条件を覚え、犬の画像を見分けられるようになります。
・過学習…丸覚えは使えない
AIに学習させる上で問題になるのが「過学習」です。わかりやすく言うと、データを丸暗記しすぎて、応用力がなくなること。
例えば、データの中に黒い柴犬の画像があったとします。AIはその画像を分析し、「毛が生えている」とか「牙がある」といった犬の判断に重要な特徴を読み込みます。しかし同時に「色が黒い」とか「耳が立っている」というような、重要でない特徴をも読み込むでしょう。
もしAIが、重要でない情報まですべて使って判断したら、ゴールデンレトリバーは、黒くない、耳が立っていない、という理由で「犬ではない」と判断されてしまいます。
ディープラーニングを成功させるには、どの情報が重要で、どの情報が重要でないか、AIがわかるようにプログラムすることが必要。研究者は、その対策に頭を絞るのだそうです。
・正解率を高める試行錯誤
では、どうやって重要性を認識させるか。代表的な方法の一つが「ドロップアウト」です。大まかに言うと、判断に使っている特徴のうち、いくつかをわざと使わなくすること。
たとえばA、B、C、Dという4つの特徴を判定に使っているとします。Aを使うのをやめて、B、C、Dだけで判断を行い、それでも正解率が高ければ、Aは重要ではないとわかります。逆にAを使わずに判断を行って正解率が下がれば、Aが重要だとわかりますね。
こうして使う情報、使わない情報をランダムに入れ替えながら試行錯誤することで、より正確な判断ができるようになってくるというわけです。
・上達のための試行錯誤とフィードバック
ディープラーニングは人間の学習をもとにしたものですから、こうした原則は人間でも同じです。丸覚えルーチンワークでは、何年繰り返しても上達しませんし、試行錯誤していても、結果が出るまでの間隔が長ければ、学びは遅くなります。
これは技術側の問題でもあって、技術を要素分解しやすい技術ほど、またフィードバックが早い技術ほど、学びやすいことを示しています。
ちなみに、TAM関節リリースは、要素の分解が明確で、結果がすぐ出る技術です。…と最後に我田引水(笑)
2018年
7月
08日
日
オスグッド病の正式名称は、オスグッド・シュラッター病。スポーツをする十代の少年少女に多く発生する、軟骨の炎症です。
ちょっと膝の構造を見てみましょう。長い骨を動かすのは、端についた一本の腱だけ。この腱を引っ張って、骨を動かすところを想像してみてください。すごく大きな力が必要な感じがしませんか? 長い棒の一番端っこを持って動かしている感じ。かなり大きな力が必要です。
その大きな力が、腱と骨の接続部に繰り返しかかることで、成長期の軟骨が損傷し、炎症を起こすのがオスグッド病なのです。
2018年
4月
06日
金
先日、水泳をしている方が、足の治療でいらっしゃいました。
足の方は関節リリースで治療したのですが、その際、水泳で肩甲骨をうまく使えないとおっしゃいます。
■肩甲骨の動きは、鎖骨で意識する。
肩甲骨は肩にある平たく大きな骨です。
上下左右、回転運動を行って、腕の動きを補助しますので、上手に使えるかどうかで腕の可動範囲は大きく変わってきます。とはいえ、見えにくい場所にあるため動きを意識しにくい骨でもあります。
そこで、鎖骨。肩甲骨は鎖骨によって胴体につながっているので、鎖骨を意識すれば、肩甲骨の動きをイメージしやすいのです。
例えば、右の肩甲骨を動かすとしましょうか。
首のすぐ下にある骨のへこみ。これが鎖骨の始まりです。その部分に左手の親指を当て、人差し指で右側の鎖骨に触れます。これで、指先で鎖骨の動きを感じることができます。
そのまま、右肩を上下や前後に動かしてみましょう。鎖骨が動いているのがわかると思います。
■鎖骨から先が、腕だと考えてみる
鎖骨の動きがわかったら、次は腕を動かします。ただし、腕と一緒に鎖骨が動くように意識してみてください。腕と鎖骨が一緒にうごくことで、腕の動く範囲が大きく広がっているのがわかると思います。
もっと言えば、鎖骨から先が腕だと思ってください。始まりの場所が首の下だ、と思うだけで腕の動きが変わってくるはずです。
…というようなことを、お客様に語って、動かしていただくと
「そうですね、ほんとに大きく動きますよ!」
と喜んでいただけました。
「そうでしょう、そうでしょう」
と言いながら、自分でもやってみたら、私の腕も、いつもより大きく動きます。偉そうに言っていながら、私も肩甲骨が使えていなかったようです。
思ったより使えていないのが、肩甲骨。一度試してみてください。
2018年
3月
28日
水
膝の痛みで悩む人は多いです。一般的には変形性膝関節症(関節軟骨のすり減り)が原因と言われることが多いですね。
しかし、すり減りによる腫れも摩擦音もないのに、膝が痛む方が少なくありません。そんな場合は膝の「ズレ」「ねじれ」をチェックすることをお勧めします。
■多いのは、外向きのねじれ
ズレ・ねじれがはっきりするのは、膝を深く曲げたとき。
膝の内側靭帯の動きが悪いために、脛骨(すねの骨)が、わずかに外側を向くケースが多いです。
関節の向きが変わることで、靭帯が本来なら引っ張られないはずの方向へ引っ張られて、痛みを発するのです。
また、私達の身体は、わずかなズレにも敏感です。そうしたズレを、筋肉に力を入れてカバーしようとするので、膝周辺(特に大腿部)の筋肉を緊張させ、筋肉の緊張痛や、トリガーポイントによる痛みを発生させるのです。
このようなズレを放置しておくと、靭帯や関節軟骨に負担をかけ、本当に変形を起こす原因になることも。
■膝を調整。同時に足関節の調整も必要
こうした場合、膝の内側の靭帯・関節包を解いて、まっすぐに曲がるようにしてやる必要があります。
また、膝のねじれが足関節の歪みから起きていることもありますので、足の調整も行うと、効果が長持ちすることが多いですね。
2018年
3月
18日
日
座っているのは、意外に腰に負担がかかります。立っているよりも二倍、負担がかかるという研究もあるほど。そこで、腰痛の予防になるように、腰に楽な椅子の選び方をアドバイスします。
■仕事には、前下がりの椅子を!
猫背になると、背骨にも筋肉にも負担がかかります。腰痛を防ぐには、腰が適度に反っていることが必要なのです。
そのために重要なのは、膝とお尻の高さです。膝の方が低いと、身体は前に傾きますね? すると腰に自然な反りが生まれます。
膝が低くなるよう、座面が前下がりになった椅子が、腰痛の予防には最適なのです。
とはいえ、会社などの備品の場合には、自分で選ぶことはできませんね。後ろ下がりになっている椅子で作業をする場合には、座り方を変えましょう。座面をやや高くして、浅く腰かけると、膝が下がって腰に自然なカーブが生まれます。
■後ろ下がりの椅子は、背もたれを使う
座面が後ろ下がりになっている椅子は、たいてい背もたれがついていますね。こうした椅子は、寄りかることを前提として作られています。
背もたれの位置が、意外に重要です。
やはり、腰に自然なカーブがあることが重要なので、寄りかかった状態で腰が軽く反るものを選んでください。