2017年

12月

04日

鍼による筋膜リリース、関節リリース

 筋膜リリースといえば、普通は手技です。筋膜を伸ばしたり、剥がしたりして正常な運動性とバランスを回復するわけですが、時として、鍼で同様の効果が出る場合があります。

 皮膚を動かして、動きの悪いところがあった場合、そこに浅く(切皮程度)の鍼を打つだけで、動きが改善するケースが多いのです。
 深い筋膜では、動きの確認も、鍼で当てるのも難しくなりますが、うまく当てれば、やはり動きを回復させられます。

 これは関節のリリースでも有効で、私も足関節などの強い関節の改善に多用しています。

 

●なぜ、効くのか?

 なぜ、鍼を打つだけで筋膜や関節の動きが回復するのかについては、よくわかりません。

 筋膜の構成を変えるほどの物理的な力を与えているわけではありませんし、鍼の小さな穴一つで、何かの成分が移動しているとも思えません。

 可能性としては、筋膜の表面の神経に刺激が加わることで細胞膜のチャネルが開くとか、癒着の一部が動かされることで、はがれるきっかけができるのかもしれないとか、考えることはできます。

 何にしても、まだ仮説も立てられない状態です。

 

●鍼治療の新しいアプローチになるか?

 現代医学的な鍼は、これまでトリガーポイントアプローチを中心として発展してきました。これは過緊張によって変質し、痛みを出す筋肉(トリガーポイント)を鍼によって改善するものです。

 今回の方法では、全体のバランスを崩している筋膜の緊張や、ズレを修正できる可能性があります。

 トリガーポイントと合わせて使うことで、現代医学的な鍼治療の可能性をさらに広げることができるのではないでしょうか。

 また、面白い発見があれば、お伝えしたいと思います。

2017年

11月

27日

腫れのない膝関節痛は、靭帯から治す

 膝が痛むとき、まず最初に疑うのは「変形性膝関節症」。膝関節の軟骨がすり減って炎症を起こし、腫れて痛む症状です。
 ところが、軟骨に損傷がなく、腫れも無いのに痛みがある場合もあります。

 こうした場合、軟骨ではなく、靭帯が原因になっている可能性があります。

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2017年

11月

14日

膝が痛い原因は、歩き方が悪いからではない

演奏家さんの手を治療した時のことです。

手根骨(手首のあたりの、こまかい骨の集まり)のいくつかが動きにくくなっていたのでそれをほぐし、親指の付け根のねじれを治すと、ぎこちなかった指が楽に動くようになりました。

治療後、動きやすくなったのを確認しながら、こうおっしゃいました。
「ここで治療を受けるまで、指が動かないのは、自分の練習が足りないからだと思ってたんですよ」

 つまり、悪い癖がついているから動かせないのではないか、と思っていたそうです。
 実際には、「正しい動きをしていない」ではなく、「正しい動きができない状態だった」わけですが。

 

■正しく動くには、動ける骨格・関節が必要

 膝などの痛みでいらした方から、
「歩き方が悪いから、足が痛くなるの?」
 と、尋ねられることがあります。

 もちろん、そういうケースも無いわけではありません。
 しかし実際には「足の歪みで、正しく歩きたくても歩けない」ことの方が、ずっと多いのです。

 足底が傾いていれば、まっすぐ歩いていても体重が外側にかかってしまったりしますし、足首が固いだけで体重移動がまっすぐいかなかったりします。
 そうした方が、関節や筋肉の状態を整えるだけで、歩き方が変わることは多いのです。

 

 努力よりも、努力が生かせる環境を作るのが大事。
 ほかのことでも言えることかもしれませんが。

2017年

11月

05日

首のコリ、頭痛は自分で軽減できる

 前回のブログで、首や腰の筋肉を意図的に動かす練習をしている、という記事を書きました。

「肩こり・腰痛は、筋肉が緊張したまま脱力できないからだ」というのが八起堂の理論。そこで「肩・首・腰の筋肉を自由に動かせるようになれば、肩こりや腰痛は起こらないのではないか?」というのが今回の実験です。
 その結果ですが、少なくとも首には有効そうです。

■首の筋肉操作は肩こり、頭痛に有効!
 首に関しては、前回も書いた通り、早く効果が見られます。狙い通り動かせるようになると、筋肉はすぐにゆるみます。
 仕事がら、前かがみになることが多いので、個人的にとても助かりました。 軽い緊張性頭痛なら、その場で消えます。

 とはいえ、深いところにある脊椎近辺の筋肉は意識しにくく、なかなか芯からの操作は難しいようです。

■腰は、深いところが難しい!
 腰は首よりも意識するのが難しいのですが、表面に近いところはなんとか緩めることができます。しかし、やはり深いところ、脊椎に近いところを意識するのは難しいです。

 表面がゆるみ、芯が固いままという状態が悪かったのか、数日後に腰痛を起こしてしまいました。腰痛の場合、首よりも大きな体重がかかるので、一部だけのゆるみでは足りないようです。
 深いところをうまく動かす方法を見つける必要がありますね。

 実験はまだ継続中です。
 何か面白い発見があれば、また書きます。 

2017年

10月

05日

実験中です

 この数日、肩・首・腰の筋肉を動かす練習をしています。

「肩・首・腰の筋肉を自由に動かせるようになれば、肩こりや腰痛は起こらないのではないか?」
 という理論を検証するための実験です。

 ホームページにも書いていますが、八起堂では
「肩こり・腰痛は、筋肉が緊張して力が抜けなくなった状態」
 と考えています 緊張が続くことで、脳の回路が強化され、緊張したままになるというメカニズムです(習慣的緊張仮説と言っています)。

 ということで、実際に動かしてみると…。

 肩にせよ、腰にせよ、本来は自分の思い通りにうごく筋肉のはず。ところが、実際にやってみるとわかるのですが、全体として動かすことはできても、一部を意識して動かすことは難しいのです。

 とくに首の筋肉! 何本も並んでいるうえ、浅いところから深いところまで重なっているため、どう力を入れれば、どの筋肉が動かせるのか、まったくわかりません。
 指で触りながら何度も試行錯誤しているうち、動かし方を発見できるのですが、すぐにまた見失ってしまいます。

 面白いのは、狙い通りの筋肉が動かせたときに、
「バリバリ! ボリボリ!」
 とすごい音がすること。いつも聞いている、組織の癒着が剥がれる音です。筋肉同士の貼りつきがこんなにあるのか、と妙なところで実感しました。

 動かした後、首の筋肉は明らかに柔らかくなっています。
 これが癒着のとれた効果なのか(癒着がとれることで、筋肉の状態が変わり、緊張がリセットする)、コントロールできるようになったからかはわかりません。

 腰の筋肉も多少柔らかくなるのですが、それよりもはっきりしたのは、足などが動かしやすくなったこと。バランスよく、キレよく動けます。運動選手にもお勧めできるかも知れません。

 実験がうまくいけば、また新たな治療法の開発につながります。新しい発見があったらまた報告します。

2017年

9月

02日

TAM手技療法のDVDが出ました

 TAM手技療法による関節治療の教材DVD、
「関節リリース5テクニック」が出ました。

…ほんとに出ましたね。

 6月に製作元の医療情報研究所様からお話をいただき、撮影、内容の確認などを行っていたのですが、本当に出るのか、たぶん私が一番信じていませんでした(笑)。
 で、今までホームページにも全く書かなかったのですが。

 昨日、無事リリースされたとの連絡をいただき、こうして発表の運びとなったわけです。

 

 内容は、TAM手技療法の理論、基本講座の前・後編と、足の治療法の4枚組となっています。カメラワークを工夫してくださったので、かなり見やすい映像になっているかと思います。10月には、購入してくださった方を対象とした、フォローセミナーも開催の予定。

 

 医療情報研究所様、および治療の感想や、TAM講座の感想をくださった皆様方、本当にありがとうございました。
 厚く御礼を申し上げます。

2017年

7月

25日

NHKガッテン2017年7月12日で、関節包の治療について語っていました

 古い話で申し訳ないのですが…。
 この回のガッテンのテーマは膝の痛みでした。

 一般的に膝痛は、関節軟骨がすり減ることによって起こるとされています。
 ところが、ある医師がレントゲン写真と患者さんの状態を比較したところ、それとは違う結果が出ました。軟骨がすり減っていても痛みが出ない患者さんがいたり、すり減っていないのにひどく痛む患者さんがいたりしたのです。

 そこで医師がたどり着いた結論は、関節を包む膜、関節包が固くなり、縮んでいることが痛みの原因であるというものでした。

 番組は、関節包のストレッチで膝の痛みを軽減する方法を紹介していました。

・・・・・・

 来ましたね!

 私の知る限り、関節痛の原因を関節包と紹介したテレビ番組は、これが初めてです。

 昨年、「筋膜の癒着」という形で、癒着が原因という話が出ましたからTAM手技療法の基礎になる仮説、「関節包の癒着」が証明されるまで、あと一息です!

2017年

5月

29日

仏様は、前のめり…姿勢と重心の関係

 今、奈良の国立博物館で「快慶展」をやっています。

 奈良には国宝・重文級の仏像がゴロゴロしていますが、その中で一番好きなのを選べと言われたら、迷わず東大寺南大門の金剛力士像を選びます。この像を作った中心人物の1人が快慶です。 

 快慶の特徴は、写実とデフォルメの融合した迫力。

 今回の快慶展では、様々なバリエーションの像を比べることが出来て、興味深いものでした。

 ある高僧をモデルにした像など、顔のシワから口元の微妙な歪みまで、モデルの性格がはっきりわかるほどの描写力。いかに観察力に優れた仏師だったかがわかりました。 

 いくつもの像を見ているときに、妻が言いました。
「仏様って、前のめりだね」
 なるほど、横から見ると直立していません。角度にして10度くらい、前に傾いて立っています。

 

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2017年

4月

11日

ねんざの痛みが長引く原因は

  八起堂治療院は、ねんざ後遺症の治療を得意としていますので、捻挫についての問い合わせをたびたび頂きます。

 

  その中でも多いのが、

 「ねんざのあと、何ヶ月たっても腫れが引かなくて、気がついたら関節の動きが悪くなっていたんです…」

  という、長引いたねんざの後遺症です。

 

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2017年

3月

23日

原因不明の膝の痛み…足首が原因かも

 膝が痛むという方は、少なくありません。

 こんなとき、病院ではまず、膝軟骨の状態を見ます。軟骨がすり減っていれば、変形性膝関節症という診断がつきます。

 ところが、軟骨に変形がないのに痛みが出ることもあり、原因がわからないこともあります。そんなときは、膝や足の歪みが原因かもしれません。

 

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2017年

2月

14日

ピアノを弾いて、親指が痛む原因は

 仕事柄、音楽関係の方を診ることも多いです。

 楽器の設計では、美しい音を出すことが最優先で、演奏する人間のことは二の次。それで、故障を抱える人が少なくありません。

 

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2017年

1月

31日

ウォーキングが腰痛予防になる理由

 前回、毎日歩いている人が腰痛になりにくいのは筋肉を緊張させないからだ、と書きました。

 実は、歩くことが腰痛の予防になる理由がもう一つあります。

 

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2017年

1月

25日

腰痛は文明病

 腰痛は、人間に特有の症状。

 そのため
「腰痛は、二足歩行で腰に負担がかかるようになったからだ」
 と言われることがあります。

 本当にそうでしょうか? 

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2017年

1月

13日

車の運転と腰痛

 いきなり余談ですが…

 最近問題になっている、アクセルとブレーキの踏み間違い。あれは、そもそもの設計がおかしいんじゃないでしょうか。

 見えない場所に、アクセルとブレーキを並べて設置し、どちらも右足で操作するって…。踏み間違えが起きても不思議はありません。

 個人的には、アクセルとブレーキをハンドルに付ければいいのに、と思っています。スクーターと同じ形式ですね。運転に慣れやすく、アクセルとブレーキを間違う可能性もゼロ!

 そんなことをするよりも、自動ブレーキの取り付けを義務付けるほうが早いか…。

 

■運転で腰痛になる理由

 足でアクセルとブレーキを操作するシステムには、もう一つデメリットがあります。それは、腰痛。

 八起堂にいらっしゃる方の中でも、長時間の車の運転で腰痛になった、とおっしゃる方は多いのです。大きな原因の一つは、シート。あのシートの角度が、腰を丸くした形にしてしまうので、腰に負担をかけます。

 そして、もう一つの原因は、足元のペダルです。

 普通の椅子なら、座っているときにも足は床につき、身体を支える補助をしてくれます。しかし運転時は、足でアクセルやブレーキのペダルを操作するため、身体を支えることができません。とくにアクセルは、運転中ずっと微妙な位置に保たなければなりません。この中途半端な状態が腰の筋肉に負担をかけ、腰痛を引き起こすのです。

 

■腰痛を防ぐには?

 この問題は、設計者側の話なので、一般ユーザーにはいかんともしがたいところがあります。

 強いて対策をあげるとすれば、シートの前後の位置を調整すること。

 シートが前に出すぎると、足に余分な力が入りやすく、疲れます。かかとが楽に接地しつつ、ペダルが自然に操作できる位置に調整することで、いくらか負担を減らすことができます。

 あとは、休憩をとって、腰を動かすようにすることくらいでしょうか。前後左右に曲げたり、ねじったり。積極的に動かすことで、緊張を解くことができれば、いくらか腰痛が起こりにくくなります。

 

 ただ、根本的な対策は、やはりアクセルをハンドルに持ってくることだと思います。自動車メーカーの方、ホントにどうですか?

2017年

1月

11日

脊柱管狭窄症が手術後も痛む場合

 先日、TAM手技療法の受講者の方から、質問がありました。
 脊柱菅狭窄症で手術を受けた方、とくに脊椎固定のプレートが入っている方の、痛みやしびれは、どのように治療するか、とのことでした。

■脊柱管狭窄症 手術後も痛むのはなぜ?
  脊椎管狭窄症とは、文字通り、神経が通っている脊柱の管が狭くなる症状です。神経が圧迫されて、痛みやしびれなどが生じます。

 手術は、脊椎の骨を切って管を拡げたり、プレートと言われる金属を入れて、脊椎の並びを整えたりするのが主流。それによって神経の圧迫をとるのですが、手術後も痛みが残ってしまう方が少なくないのです。
  手術で神経の圧迫は取れているのに、どうして痛みが出るのでしょうか。

■筋肉から出てくる痛み
 実は、身体の痛みには、筋肉が大きく関わっています。
  筋肉は、緊張が長く続くと疲労し、血行不良を起こして痛みはじめます。緊張の原因は、身体の歪みや炎症、一つの姿勢で長くいることなど様々。
 中でも代表的なのが、関節や皮膚などの動きが悪い場合です。筋肉は、動かない部分を動かそうと、無理な緊張をして、痛むようになってしまうのです。

 脊柱菅狭窄症の手術後、とくにプレートが入っている場合には、腰椎の一部が動かなくなっているため、筋肉は無理な緊張を強いられます。
 少なくとも痛みの何割かは、こうして緊張し固くなった筋肉によるものだと考えられます。

■痛みを減らすには?
  この場合、プレートを取ることはできませんので、脊椎の固定にアプローチすることはできません。しかし、筋肉および皮膚・皮下組織の癒着をとり、可動域を回復することはできます。 

 重なっている筋肉層、皮下組織を動かして癒着をとり、動きを回復することで、痛みの減少が期待できます。とくに手術のあとなら傷跡の癒着、短縮があるので、その部分の施術は有効でしょう。

 一見、原因不明の痛みでも、対策のある場合は多いもの。お気軽にご相談くだされば、幸いです。

お知らせ

休みなどは、ここでお知らせします。

八起堂連絡先

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電話 080-3112-8738
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ブログ最新記事

2019年

9月

04日

効くストレッチ、3つのポイント「長く、弱く、遅く」!

 ストレッチは運動の前後だけでなく、健康法としても、一般的です。

 そのストレッチですが、やり方一つで効果的になったり、場合によってはかえって身体を壊してしまうこともあるのをご存知でしょうか? ここでは、効果的なストレッチの方法をお伝えします。

・ストレッチは、何を伸ばしている?
 ストレッチは英語で「引き伸ばす」の意味。そもそも、何を引き伸ばしているのでしょうか?

 答えは、筋膜です。筋肉の表面や、皮膚の下にある、タンパク質でできた弾力性の膜のこと。筋膜を電子顕微鏡で見ると、繊維が絡み合った網目のようになっています。絡まり合って固くなったり、縮んだりした繊維を引き伸ばして揃えることで、もとの姿に戻すのがストレッチなのです。

・ストレッチのコツは「長く、弱く、遅く」!
 で、このタンパク質の網目の性質から、ストレッチの原則が説明できます。

①長く
 筋膜が伸びるには、時間がかかります。一説によると、最低でも一分半は必要だとのこと。短時間の引っ張りでは、弾力分だけゴムのように伸びて、また元に戻ってしまいます。形を変えるには、伸ばしたまま待つことが必要です。

②弱く
 筋膜を十分に伸ばすには、筋肉が緩んでいる方がいいですね。強すぎる力をかけると、筋肉は自らを守ろうとして、固くなってしまいます。「軽く張る」程度が、必要な力です。

③遅く
 関節でも筋肉でも、よく動いているところは柔らかく、あまり動かさないところは固いものです。

 ストレッチで伸ばしたいのは、「固いところ」。早い動きのストレッチでは、動かしやすいところだけが動きがち。
 短時間のストレッチでは本当に伸ばしたいところが伸びず、必要のないところだけを伸ばして、かえって身体を歪めてしまうことも。固いところ、柔らかいところを見極めながら、ゆっくりと力を伝えていくのが、ストレッチで大事なことです。

 動きにくい部分がある場合は、筋膜や関節がかなり固いかもしれません。そんなときは、ご相談下さい。
 八起堂では、関節や筋肉のもともとの動きと比較して、必要な部分を伸ばす施術を行っています。

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2019年

8月

30日

正しい歩き方をするために必要なこと

足腰の調子を崩した患者さんから
「私の歩き方が悪いからでしょうか?」
 と聞かれることがありますが、そんなことはまずありません。

・正しい歩き方なんて、ない
 ぶっちゃけて言えば、正しい歩き方なんて、存在しません。目的によって、最適な歩き方が違うからです。

 例えば、ダイエットをする人にとっては大きく腕を振って、大股で歩く「エネルギー消費が多い歩き方」が正しい歩き方になりますね。

 外回りの仕事で、長距離を歩く人にとっては、足への負担が少なく、長距離を歩いて疲れない歩き方が適しています。身体があまり左右に振れず、やや狭い歩幅の歩きかたです。

 ただ、足を開きすぎたり、無理な力をかけたりと、歩き方が崩れてしまっている人がいるのも事実。
 正しく歩けないときには、その原因があります。

・歩き方よりも、骨格の正しさ
 歩き方が崩れる人は、ほとんどの場合、「歩き方が悪い」のではなく「悪くなってしまっている」のです。

 足が深く曲がらない、まっすぐに体重がかけられない、足が傾く…。こうした症状があると、どんなに「正しく歩こう」と意識しても、歩けるものではありません。

 例えば足首が固いと、歩くときに前に体重をかけられず、腰が引けたようになります。
 内くるぶしのまわりが固いと、蹴り出しのとき足先が内側を向くので、膝がねじれるようになることもあります。
 逆に、足がきちんと動きさえすれば、意識しなくても無理なく歩けるものです。

 歩き方が正しいか、よりも「足の動きが正しいか」の方が、ずっと大事なのです。

2019年

8月

19日

バレエと能、身体表現の違いと共通点

 バレエの公演を見たときに、最初に思ったのは、
「地面から離れたがってるなー」
 というものでした。

 バレエの表現は、ジャンプを多用しますね。ジャンプよりも長い滞空時間が必要なときは、男性によるリフト。あるいは、つま先立ちで身体を高く保った動き。とにかく地面に触れているところを少なくする動作の連続です。

 私達は、地に足をつけて生活しています。地面から離れることは、それ自体が普通でないことを示します。バレエという技法は、その地面から離れることで、非日常を表現しようとしたのでしょうか。
(これが宗教芸術なら、神に近づこうという意図かも、といえるのですが、バレエはあまり宗教と関わりなく発達してきたので)。

 比較して思い浮かんだのが、日本の「能」。
 能の動きはバレエと対照的で、狭い歩幅で、身体の上下動を極端に減らして動きます。
 普通に歩く時、人間の身体は上下に揺れるもの。揺れを無くし、滑るように動く表現は、やはり浮いている表現ではないかと感じます。

 洋の東西は違えども、人間の基本が立って歩くことであり、地面から離れることが非日常の表現になるという点は同じなのかもしれません。

 ところで、ふっと思ったのですが、有名な円山応挙の幽霊。
 足がありませんが、浮いている高さは、普通の人と変わりませんね。同じように立ちながら、足がない。このイメージも、能の動きから着想を得たのかも?